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『週刊エコノミスト』8月20日合併号 - 非婚増加は生活保護増加に直結、女性間の格差は極大化へ

2024-08-17 | 『週刊エコノミスト』より
エコノミストのマーケット特集、ストックに関して日米とも甘いのが気になる。
「内容としては最も本格派である」
「ただ矢張り東証とNYに強気で、「思い切り逆指標に。。」と懸念」
と以前、当ウェブログが書いた通りであろう。

この特集は東証の急落前の内容だから、次週以降にどう変わっているか。
中国経済低迷とゴールド2600~2700ドルと云う点に関しては的確だろうが。。

当ウェブログは為替では一貫して田中泰輔氏の見通しを重視しているので
今回の特集には登場せず残念、他誌で確認したいところ。


特集の後半で見逃せないのは84頁、生成AI関連分野の分析。
モルスタの和田木氏の執筆で、非常に優れた内容である。

株式市場では日本の半導体製造装置名側が注目されているが、
日米欧で比較すると日本のシェアだけ一人負けになっている。
2023年には遂に日本勢は欧州勢にシェアで下回ってしまい、
氏はその敗因として、①先端のプロセスを手掛ける半導体企業がない、
②欧州アイメックのような共同研究開発期間がない
、との二点を挙げている。
(だから日本は、TSMCを誘致して喜んでいる場合ではないのだ!)


エントリーのサブタイトルは54頁より。
中央大経済学部の松浦准教授の寄稿である。
「将来の単身世帯を増やす出生率低下」と題して
未婚・未婚の増加により高齢の単身世帯が増えると予想されるが、
氏の研究によれば高齢の単身世帯は生活保護受給率が高く、
高齢単身と生活保護受給には強い相関がありそうである。

データは現時点のものなのではあるが、今後の推移は容易に予想できる。
今の現役世代は未婚非婚が増える一方であるので、高齢の単身も今後増える。
特に女性の場合は不利な条件が揃っていて、ジェンダー差により
低賃金の職種(事務職等)を選好する傾向が強い、
男性より自ら非正規を選ぶ傾向が強く、就業抑制も多い。
そして寿命はより長い訳だから生活保護しかなくなる可能性が高い。
家族社会学の研究では、非正規職のまま結婚できるだろうと思い
結局独身のまま、という女性が相当数いることが知られているので
これはいずれ重大な社会問題となるであろう。
夫婦で同居していれば生活コストを下げることが出来るが、
親を亡くした後の単身女性はあらゆる面で不利になり、
女性間格差も極大化する。(親の経済力に左右されるから)
結婚しないと寿命が縮まる男性よりもより深刻になるはずだ。

『週刊エコノミスト』2024年8/13・20合併号【特集:世界&日本経済 下期総予測】


さてマーケット関連は市岡繁男氏の連載が重要だ。
氏は海外メディアの報道とチャートを基に
生成AI名側のハイリスクを指摘しており、
①生成AIの元データ収集が難しくなってきている
②エヌヴィディアの株価はITバブル崩壊時のシスコ株の推移と酷似
③SP500の長期チャートでは、1929年、1998年以来の高値圏
としている。(詳しくは読者各位で確認されたい)

確かに生成AIは皆が強気で有望だと信じ込んでいるから、
意想外のダウンサイドに陥った際のショックは大変なものとなろう。
リアルなリスクとして頭に置いておく必要がある。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週は東洋経済に注目、菅義偉が異様に歪めたふるさと納税は欲望と利己主義にまみれて肥大中。。

▽ 日本株の急落で慌てて泥縄の特集記事を出している

『週刊東洋経済』2024年8/24号 (ふるさと納税のカラクリ)


▽ ダイヤモンドもエヌヴィディア特集、東洋経済の後発だけに工夫を期待したい

『週刊ダイヤモンド』2024年8/24号 (半導体 エヌビディアVSトヨタ)


▽ 合併号のエコノミスト、恒例の鉄道特集である

『週刊エコノミスト』2024年8/27・9/3合併号


「通貨を学ぶ本」は面白そうだが、本格派過ぎて迂遠な研究書かもしれない。
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