mukan's blog

つれづれなるままに ひぐらしPCにむかいて

低空飛行

2018-12-12 17:24:58 | 日記
 
廃業と解脱

  ミズ・グリーンからケイタイに電話があったと気づいたのは、後になってから。「お留守番」にメッセージが保留してあるというので、そちらに掛ける。「あのね、ハマちゃんになんかあった......
 

  この文中のハマちゃん、今もお店をつづけている。今年の6月に孫が生まれ、爺の立ち位置がほんのちょっぴり浮き彫りになったようだ。以前のようにお酒を呑むことは叶わないが、話しの口ぶりには力がこもる。

 昔風に数えで言えば喜寿。この年で毎朝お店を開け、夜まで店番をしているのは、日々遊んで暮らしている私からすると、頭が下がる。店の寿命も、彼が言うように天命があるのだとすると、このような低空飛行を続けて、案外長寿を達成するかもしれない。長年の知人が、このように頑張っているのを聞くと、うれしくなる。そうだ、俺もだねと、わが身を励ます気持ちになるのだね。


低山といえども侮れず

2018-12-12 15:31:20 | 日記
 
 夕方から天気が崩れるという昨日(12/11)、ひと歩きして来ようと中央線の猿橋に向かった。大月方面から相模湖に向けて流れる相模川の南側に沿うように尾根を連ねる山並みがある。

 因みにこの山並みの南側に東西に走る道志山塊がある。さらにその南側を同様に並行する丹沢の連山がある。これらの山並みが並行するのは太陽併用プレートなどが潜り込んで押し上げている大陸プレートの盛り上がりなのではないかと、私は推察しているが、地学的に確かめてみようとしたことがないから、確かなことはわからない。

  猿橋から登山口まで40分ほど歩いて稜線に取り付き、幡野山を経て鈴ヶ尾山834mへたどる。その先で九鬼山からの主稜線に合流して、大桑山980mから高畑山981mに登ってから鳥沢駅に下山するルート。だが、主稜線までのルートは、国土地理院地図にも昭文社の地図にも記されていない。昭文社地図には山名が表示されていたから、行けばわかると踏んだ。昔読んだ何かに、ここを歩いた記事があって、私のメモに残っていた。
 
 里山と言えば里山。低山ではあるが、実際に歩いてみて侮れないと思った。私は国土地理院地図を用意して見当をつけた。だがまず、とりつきがわからない。ここかと思ったところの先は民家の庭になっている。その脇にある踏み跡がをいけそうなので取り付いた。ところが、ぐるりとまわって舗装道路にはいるショートカットの道だった。舗装路を上へ辿り自宅の庭で車を動かそうとしている60歳ほどの男の方に訊ねた。ところが、

「幡野山? 知らないね。ここは幡野だから、そう名付けたのかな?」
「どこへ行きたいの? 鈴ヶ尾山?」
「あの正面に見えてる山だと思うんですが……。その先、大桑山へ行こうと」
「ああ、大桑山なら、あの左の山だよ。でも、それならこっちの方に登り口があるよ」
 と指し示したのは、幡野山とは別の稜線。
「こちらの稜線に上がる道はありませんか?」
「それなら、橋を渡ってすぐ右へ下る道だ。あの山までなら2時間はかかるよ」
 と、民家の庭へ通じるルートのことを話している。お礼を言って、そちらへ引き返す。おおよそ30分のロスか。
 民家の庭に入り込む。どう見ても抜けられるように見えない。ちょうど80歳ほどのおばあさんが出てきた。尋ねると
「山は行くんかね。だったら、そこを通るといい」

 と指さしたのは、作業小屋の脇1メートルもない通り道。抜けると行き止まりのような傍らに、踏み跡が上へと向かっている。これが取り付き点であった。その少し上に小さいがまだ新しい様子の神社があった。ひょっとするとこれがメモにあった、仙元神社か。駅から45分とあったが、1時間ほど経っている。
 
 ここからの上りが厄介であった。急峻な直登。積もる落ち葉。たくさんの倒木が前を阻む。ストックを出して腕力の援けを遣う。標高350mから600mほどまでぐいぐいと登る。岩や木の根元に足場を置いて、身を持ち上げる。木から木へ、幹をつかみ、枝を引いて身体を安定させ、歩を進める。里山ともいうようなこんな山に、これほどの急登があろうとは、思いもよらなかった。これで雪でも降ったら、踏路はわからない。ただ稜線の背骨を辿ると地図を読んでおけば、ほぼ間違うことはない。こうして鈴ヶ尾山に着いたのはほぼ11時。歩き始めて2時間半かかっている。何にもない。ただ広い平地になっていて、葉が落ちた木立の南側に道志山塊だろうか、稜線が青黒くスカイラインを描いている。
 
 まっすぐ下って進むと突坂峠。石仏がひとつある。10分ほどで舗装林道に出る。舗装林道を辿れば鈴懸峠へ行く。それを横切り主稜線沿いのルートに踏み込むと、やはり急峻な登路になる。一カ所、細い岩の上を1メートル半ほどバランスをとって歩くところがあった。凍っていたら、しり込みするだろう。安全確保のロープを用意しなければならないかもしれない。大桑山に着いたのはちょうど12時。測量の水準点はあるが見晴らしは良くない。腰掛ける丸太が置いてある。お昼にする。スープを二杯のみ、サンドイッチを四切れ口にしたら、体が温まり、歩く気力が湧きだす。20分くらいの休憩だったろうか、高畑山へ向かう。いったん標高差で150mほど下り、また同じくらい上る。30分かからずに高畑山に着く。12時45分。そして南西の方を振り返ったら、富士山が山頂まで全部見える。ただ、背景の西の空は曇りで灰色だから、富士山の姿は雲に溶け込みそうで、くっきりとはいかない。でもまあ、今日のご褒美だと思う。
 
 高畑山から鳥沢駅までのコースタイムは、2時間半。この調子だと駅に着くのは3時を過ぎる。じつはこのルート、1月の山に選んだコースなのだ。私がこの調子だと、山の会の人たちは1時間は余計にかかるとみなければならない。とすると、下山が4時ころになる。これは困る。いまが一番日が短いから1月下旬になると少しはいいだろうが、それでも4時下山は賢くない。雪が積もり軽アイゼンを使うと少しは上りの急登が楽かもしれないが、時間を短縮するのは、ごくわずかだろう。変更しなくちゃならないか。そう思案しながらの下山になった。そうそう、ひとつ。紅葉が全く美しくない。先週の秩父の入口の紅葉はすばらしかったのに、そう地域が違うわけでもないこの地の紅葉は、終わっているというよりも、紅葉する前に枯れ落ちてしまったような気配であった。今年の台風のいたずらだろうか。
 
 下山ルートは、ずいぶん緩やかに設計されていて、足早に駆け抜けることができる。ここまでの疲れがたいしたことなければいいのだが、どうだろう。1時間20分のところを46分で、そのあと1時間のところを45分で駅までたどり着いた。ちょうど電車が出たばかりだったので、駅舎の片隅に儲けられた風よけの待合室で30分ほどを過ごして、電車に乗って帰宅した。歩き始めたからの行動時間は6時間5分。三万歩を越えた。夕方5時帰着。