吹く風に 梳kusikeduri りつつ 水仙花
馬糞 Bafun
長崎の野母崎半島の岬には、水仙花の名所がある。
水仙が咲くのは、岬の丘に冬の冷たい風が吹き付ける季節であ
る。
博多の陽だまりに植えられた水仙の花をみても、びゅうびゅうと吹
く北風を感じる。
びゅうびゅうと吹き付ける北風に、岬の丘にすわる人魚姫が黒髪
をなびかせているかのように、色こゆく香るのである。
北風色の白い花びらに、黄色い花冠をつけている。
美しく高貴な花だが、彼岸花科の毒草である。
春の彼岸花とは、水仙のことであったのか。
彼岸とはいえ、秋ほどにあの世のことを思うわけではない。
彼岸とは 楽しかるべし 咲く花の
浮世を離れ たどる岸辺に
白川 馬草
馬草は、女流歌人である。
この世の者ではない。
俳諧は独り言の感慨だが、短歌は二人の対話なのだと教えてくれた。
呼びかけてこたえる。
その馬草から、久しぶりに、彼岸の歌が降りてきた。
もうすぐ桜が満開になる。
彼岸に咲く桜は、一段と美しいことであろう。
訪れる人々も憂いなく、笑顔で花を楽しんでいる。
浮世の花も美しいが、人の心は、花ほどに純粋ではない。
波立ち、憎しみや、不安や、嫉妬で穢れてもいよう。
浮世は、長居するところではない。
早々に仕事を済ませ、彼岸に渡りたいものだ。
ところが、浮世はままならない。
なすべき仕事も遅々として進まない。
所在無く浮かぶこの世なのではない。
しかし、行方を忘れたら、行方不明の世の中になる。
行くへとは、仏神の招く方向である。
仏神を尊ぶ謙虚を忘れてはなるまい。
【不況下の経済政策は】
不況対策を尋ねるという番組をやっていた。
どれも、財政出動を伴うものばかりで、すぐに実行できるものはない
という酷評に終わった。
不況とは、私利私欲の歪にほかなるまい。
仏神を尊ぶ謙虚を回復すればよい。
不況を招いたもうひとつの原因は、農業・漁業、金融、教育、建築
などさまざまな分野で経済活動の規制が多すぎるということである。
自由化すればよいのだ。
国民を信頼しなさいということだ。
不都合がおこれば、その度に対処すればよい。
余剰公務員はリストラし、新しい産業で生み出される雇用チャンス
に期待すればよい。
財政出動については、日銀から特別融資を受ければよい。
国が豊かになれば、借金棒引きという日銀のサービスもあるだろ
う。
不況とは、金回りが悪いのだから、まずは、通貨を供給する産業
復興政策が有効である。
実施できないというならば、政府にその覚悟がないということである。
如何。
梅士 Baishi