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涙雨




よりによって次男を千歳空港まで送っていかなければならない、その早朝に積雪。

早めに家を出たから良かったものの、高速道路は雪で通行止め。





送り届けて帰宅する頃には晴れ間さえ見えるので、なんとも腹立たしい。





それでふっと思い出したのが、祖母を自宅から送り出した時の雨。

あの、今まさに出棺、というその瞬間だけ、それこそバケツをひっくり返した様な
どしゃ振り。



その後、カラっと晴れた事もあり、その場にいた人には今でも語り草だ。

家が大好きだったばあちゃんの涙雨。




亡くなって一週間ほど後、両親が御客さんと居間で話しをしている時、居間の扉を

「こん、こん」と、はっきりとノックする音が聞えたという。





そして一昨日、2階の書斎でいつものように仕事をしていると、一つ奥の部屋の扉が

「がたがた」と。

階下の親が、用事があって来たのかの思い見てみても誰もいない。



最後のお別れかなぁ。




ひいばあちゃんっ子だった次男は今も時々、ばあちゃん自らが撮りためた写真をながめて
いる。


50年間、嫁いでからずっと生活を共にし続けてきた母は、今も祖母に話し掛けるように、
一人でブツブツつぶやいているらしい。




100年も生きると、その残したものも多い。

残された思い出も多い。




それぞれがそれぞれの思いを抱いて、この週末には、四十九日の法要に、また皆集まる。

賑やか大好き、人が大好きのばあちゃんは、きっと喜んでくれるだろう。
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