書見の邪魔だ。

「信長の野望 Online」と日ごろのつぶやき。メインは陰陽師。

能力のインフレ。

2011-12-11 00:43:19 | Weblog
現在の日本でプレイされている大物オンラインゲームの「ラグナロクオンライン」。
MMORPGに関する「オリコン」の調査で、プレイ人数の多さ一位となっています。
ちなみに、過去に「4Gamer.net」のスタッフの方が、「ここまでヒットするとは思わなかった」と言っています。
「Diablo」「Ever Quest」等の影響を受けた方の場合、それほど優れたゲームには見えなかったようです。
2Dなので比較的動くパソコンが多かった、販売促進を積極的に行った等、ヒットした理由は幾つもありますが(個人的には、「信長の野望Online」と違って「一人でも全く問題なく遊べる」と言うのも大きい気がします)、人気の最大の理由は、「ステータスをどうするか考えて実行するのかが非常に面白かったから」、と言うのがあると思います。
「ラグナロクオンライン」関連の情報を検索すれば、自分のキャラクターのステータスをどうしているかや、こんなステータスにしたら面白そう、と言うページが山の様にヒットします。
ステータスは、このゲームにとって、極めて重要な要素です。
ただ、「3次職」を実装する際に、だからこそ関係者はこのステータスについてで悩む事になります(やっと本題になりました)。
「ラグナロクオンライン」の場合、ステータスがカンストしたらどうなるかが重要に作られています。
特に、攻撃速度と魔法の詠唱時間は、極めてステータスの影響が多いです。
必要な能力をカンストさせる事で、信じられない速度で攻撃可能になったり、魔法の詠唱時間が無くなったりします。
これらは全て、レベル99、ステータスの上限99を前提に作られていました。
が、3次職を導入するにあたって、どうしてもレベル、ステータスの上限を上げる必要が出てきました。
前回も書きましたが、MMORPGが長く続く以上、能力のインフレは必然的なものなので、「ラグナロクオンライン」にも、来るべき時が来たと言う事です。
なので、他のタイトルと同じ様に、能力の上限を上げれば良い・・・で終われないから問題になったのでした。
先ほど書いた通り、能力99を基準に設計されていたので、新しい上限(現在120ですね)を設定すると、今まで能力99で最速や無詠唱だったのが、そうでは無い状態になってしまいます。
関係者が悩んだのは、そこでした。
とは言え、やらない訳には行かないので、相応の痛みを伴いながら、能力上限が上げられたのでした。
ただ、これだけではまだ終われないです。
今後、更に能力の上限が引き上げられる場合、これと全く同じ問題が起きてしまいます。
初期の設計が優秀だった故に起きた問題でもあります。
早い話が、それまでの設計を変えなければならないほど、アップデートが続いたのが問題の引き金でした。
前回書いた、「Ever Quest」の開発者インタビューでも、「こんなに売れるとは思っていなかった」と言う記述があります。
つまり、関係者にとって予想外の事が起きていると言うのが正解だったりします。
これは、初期に開発されて、現在も続いているMMORPGでは、必ず起きている事です。
なので、次の世代あたりから、能力のインフレを見込んで設計されたMMORPGが出てきましたが、そう言うタイトルは何故かヒットしない事が多く、これまでの、インフレで設計が不恰好になっているタイトルの方が好まれます。
実際、「Ever Quest」は、現在でも拡張が進んでいる訳で。
長く続くMMORPGでは、必ず能力のインフレはつきまといます。
ただ、それがゲームの面白みを無くすかと言えば、そうでは無い訳で。
やはり複雑な世界です・・・。
「ラグナロクオンライン」の話がえらく長くなりました・・・。