エルダーBP

登山 写真撮影等多趣味ですが最近は卓球で登山のためのトレーニングして 山岳写真撮影に励んでいます。

世界の少数民族-8 西パプアのファユ族の巻

2012-04-07 | 民族学、考古学!?
最近ドイツ人のザビネ・キュングラー著によるジャングルの子を読みました。
彼女は言語学者で宣教師の両親に育てられ、ネパールで生まれ、1980年から西ニューギニアで育ちました。
その自伝です。
私は以前1970年頃、パプアニューギニアで数年生活した日本の民族学者の記事を書きましたが、この西ニューギニアの方がさらに現代文明との接触は遅い種族が居たことになり、非常に興味深く読みました。
この本の要点
1)1980年頃西ニューギニアの奥地では種族間の戦争が起きていた。
2)まだ全く文明社会との接触がないとされる部族(ファユ族)の情報を得た著者の父親が命がけでファユ族の中に入り家族と共に数年生活した。
3)政府の統治は全く届いてなく、主に戦争(部族間や部族の下部グループ間で生じる)で起こる殺人は日常的でそれを取り締まる警察も居ない。
4)同じ言語を使う部族にも幾つかの下部グループが存在し、その境界でも戦争が起こる。
5)そこで死亡者が出ると、報復の戦争が起こり、この悪循環を断つことができないでおり、人口が減少している。
6)海岸から少し離れた所をテリトリーとしている、ファユ族は石器を使い僅かに外部から持ち込まれた金属を貴重品として使う。
7)著者の父親により、悪の循環を断ち切る努力がなされた、その後帰国によりこの活動は一時中断さてたが、また再開された。
8)部族間の争いをこの本では戦争と表現されていたので、私もそう記述しましたが、この小競り合いは国の中の争いで、規模が小さく、日常的な争いですので、戦争と言う表現は当たらないかもしれません。また彼らのこの悪い習慣を野蛮と簡単に片づけることはできないと思います、現在世界で起こっている戦争やテロとどこが違うのか私は区別できません。
9)西パプアにはこの様な少数部族がまだ多く暮らしています、彼らに文明社会の秩序を導入するのが良いのか、このまま戦争を含め、彼らの伝統を維持さてた方が良いのか難しい判断が必要です。