英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

4桂詰 解答

2011-01-25 14:59:18 | 詰将棋
1月21日『中田章道七段作 4桂詰』の解答です。


 初形をよく見ると、玉は意外と狭いです。
 取り敢えず、▲2三香と打ってみます。逃げる場所がないので合駒するしかありません。こういう合駒を考える場合、はじめから読みきるのではなく、適当に合駒をしてみて、先に進めるほうがいいです。
 普通は歩の合駒ですが、この場合二歩になってしまうので香でも合をしてみます。実践の場合は、歩や金が最善の場合が多いのですが、詰将棋の場合は、合駒は取られる(交換になる)ことが多いので、前に利きのない(詰まされにくい)桂や角が最善となることが多いようです。
 とにかく、何か2二に合駒をしたとして、▲2二同香成△同玉▲3四桂と玉を攻めます。一見、3三の飛車が浮いているようですが、4五の桂の紐がついているので大丈夫です。よって、△2一玉(途中図)と逃げるしかありません。

 さて、この途中図は桂合(最善)をしたとして進めています。なので、攻め方の持ち駒は桂となっています。もし、合駒が香だったら▲2二香の1手詰です。銀、金、飛も同様です。角の場合は▲4三角で詰みます。
 で桂が最善の合駒だったと分かります。(桂でも詰みますが、容易に詰みませんね)
 ちなみに、初形で2五に玉方の歩がない場合は、2手目に歩合が可能となり、途中図での攻め方の持ち駒は歩で、▲2二歩は打ち歩詰めとなってしまいます。さらに、2手目歩合以下▲2二同香成△同玉の時、▲2三歩と打つのは、△1三玉でも△2三同馬でも△2一玉でも詰みません。関係ないような2五の歩が実はとても重要なのでした。

 途中図で桂しか持っていないのでは、行き詰まったように見えますが、重要に見える飛車をズバッと▲3一飛成と捨てるのが決め手です。△3一同馬は▲3三桂(3三桂打も可)の一手詰。なので△3一同玉としますが、▲4三桂△2一玉▲3三桂不成まで、4桂で見事に詰み上がりました。(11手詰)
 
 ヒントの「4桂の詰め上がり」は、2手目桂合が最善であることを、ほのめかしています。

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 連絡 コメント投稿の際、U... | トップ | 卓球 平成22年度全日本選... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
奥が深い (勝手新四朗)
2011-01-29 14:50:50
うーん、なるほど。
奥が深いですね~。
ヒントがない方が良かったかも?ですが、31飛成は詰め将棋を齧った人なら第1感ですね。
返信する
ヒントは ()
2011-01-29 15:51:10
 勝手さん、こんにちは。
 ヒントについてですが、せっかくの4桂詰め、多くの方に説いてほしかったのでしょう。
返信する
ブログの参考にさせて頂きました (きぬのべ屋)
2020-01-05 00:31:26
詰み上がりが綺麗な作品で、桂馬ならではですね。
難しい作品ですが、解説が分かりやすく参考になりました。
返信する
ありがとうございます ()
2020-01-05 09:31:13
きぬのべ屋さん、ようこそです。

 つたない解説にお褒めの言葉、ありがとうございます。
 この当時は、特に解説文が初々しいというか……。今でも未熟ですが。

 漫画、拝見しました。面白くて、先が楽しみです。
返信する

コメントを投稿

詰将棋」カテゴリの最新記事