〔望月達也殺害〕捜査経過――
望月を工藤一味が殺害。自殺に見せかけた偽装を科捜研が暴くが、2段構えの偽装により証拠不十分で不起訴。
〔原千夏殺害?〕捜査経過――
千夏の死亡状況が工藤の手口と酷似していた。科捜研の検証により、工藤が殺害に関与していたと判明。
しかし、その証拠品は落合が捏造したものだった。
その後の捜査で、千夏は自 殺であったことが判明した。
落合刑事、決死の行動――
落合が工藤を呼び出す。焦った工藤が暴力団に自分の携帯から連絡。「この発信履歴が暴力団と繋がっている証拠になる」と言い放ち、工藤の犯罪のしっぽを出させる。
その後、駆けつけた暴力団員が落合を襲う。その際、落合は隠しカメラや自分の爪に微物を残すなど、必死に証拠を残して、絶命。
科捜研が、工藤の事件関与(望月殺害を含む)を立証。
落合の歪んだ正義について
これまでにも、被害者を含む事件関係者の気持ちや、他の捜査への妨害になることなど、まったくお構いなしに、暴走してきた落合刑事だが、今回は証拠を捏造して逮捕しようとした。
落合刑事(池上季実子)――
「どんな手を使っても、工藤だけは投獄しなければならない。
ヤク(覚せい剤)を売って、人を殺して、それでもヤクザに守られて……そんな奴は絶対同じことをしでかす」
「法律やルールが、全部正義だと思っているの?(法律が間違っていることもあるし、法律を守っていては、正義が行えない)」
「私はどんなことをしても、工藤を逮捕する。
たとえ、自分の命を投げ出しても逮捕する。
榊さん、それが私の正義よ」(マリコへの手紙)
「私はね、薬物や銃器の犯人が逮捕できれば、それで本望よ」(回想)
榊マリコ(沢口靖子)――
「証拠を捏造するなんて、絶対に認めない」
藤倉刑事部長(金田明夫)――
「(記者会見で落合が命懸けの違法捜査をしていたことを公表し)
違法な捜査をした警察官は、たとえ犯罪を検挙しても、罪は罪です。
何より、捜査員に命を懸けさせるような捜査を、われわれ警察は絶対に求めません」
新聞各紙――
「法律順守を捨てた警察」(落合の違法捜査を罪と断じたのだから、“法律順守を捨てた警察官”とすべきだ)
「“府警 違法捜査認める”“行き過ぎた女性刑事の死”“検挙より人命重視”」
被害者・望月の遺族――
「世間がどう言ったって、どんな批判をしたって、あたしたちにとってこの刑事さん(落合)は正義です」
土門刑事(内藤剛司)――
「落合がした証拠の捏造は、確かに間違っている。
藤倉部長が言うように、命を懸けるような捜査も間違っているのかもしれん。
だが……俺たち刑事は、皆、命懸けで捜査をしている。
だとすれば、どこまで命を懸ければ、間違いなんだ。
そう思えば、俺は落合がひとりで工藤に会いに行ったことを、完全に否定する気にはなれない」
榊マリコ(沢口靖子)――土門の言葉を受けて
「確かに、そのおかげで、今回の事件が解決したことも否定できない。
でも……そんな捜査が行われないように、科学があると私は信じている。
ルールと正義が一緒になることを願って、私はこれからも、科学をする」
落合の決死の捜査で美化してしまった!!
“違法捜査”という表現を多用し、“証拠捏造”の印象をを遠くに追いやり、さらに、“命懸けの捜査”云々で、落合が犯した重大な過ちをぼかしてしまった!
一番問題にすべきなのは“証拠の捏造”なのである。しかも、千夏は自 殺で、この件に関して、工藤は“冤罪”である。
確かに、工藤を野放しにしておくわけには行けないし、望月殺害の罪と差し替えたと考えることも可能かもしれない。
しかし、千夏の死の真相を捻じ曲げてはならない。彼女が殺害されたか、自 殺なのかで、彼女の死や人生における意味が全く違ったものとなってしまう。
そもそも、証拠捏造で逮捕、そして有罪など、あってはならない事なのだ。
落合の決死の行動によって、望月の遺族の気持ちは救われたのは事実だが、落合の死によって、“命懸けの捜査”の方に注意が行き、マリコも土門も藤倉も、問題にすべきことがずれてしまった。
また、落合も、証拠の捏造や違法捜査を悔いることなく、散ってしまった。
非常に残念なシナリオであった。
※大きな疑問点
1.工藤や暴力団の証拠隠滅などの手口が巧み過ぎる。悪事のプロではあるが、科捜研を欺けるほどの証拠隠滅のテクニックを持っているとは思えない。そもそも、望月が取引の現場に遭遇したのは、不慮の出来事。それなのに、麻酔用マスクを所持しているのは変だし、手際よく証拠隠滅ができるのもおかしい。
2.上記のような手際の良さに加え、落合が必死で残そうとした証拠も、ほとんど、役に立たせなかった(PCの破壊など)。それだけの“殺しのプロ”(by土門の言)なら、落合の死体を海底や山中に遺棄するのではないだろうか?
【追記】
鬼コーチのしごき
(マリコのポジションから言うと、“鬼キャプテン”なのだが、“鬼コーチ”と言った方がしっくりするので)
今回は強敵だったので、鑑定が大量、精密、長時間。それを、さらりと促すマリコ。自ら率先して実行するので、始末に負えない。悪意は全くないし……
“命を懸ける捜査”“ルールを遵守”とか言っていたが、ブラック企業並みの酷使である。
最終話では、風丘先生(若村麻由美)は被害を免れた。
【ストーリー】番組サイトより
『第14話』
京都市内のビジネスホテルで若い男性・望月達也(東山龍平)の死体が発見された。遺書はなかったが、手首をカミソリで切って湯を張った浴槽につけており、状況から自殺と考えられた。
だが、婚約者の松井真奈美(福田沙紀)は自殺する理由がないと強く主張。現場に呼ばれた榊マリコ(沢口靖子)は、遺体の鼻筋にうっすら皮下出血があることに疑問を抱き、鑑定に乗り出す。
すると分析の結果、遺体の血液から麻酔薬が検出され、望月は何者かに麻酔薬を吸わされて意識を失った上、手首を切られた可能性が高いとわかった。その麻酔薬は恍惚感を与えるドラッグとして闇で出回っており、鼻筋の痣は吸引マスクを押し付けられた際にできたものと思われた。
また、現場の客室から、覚せい剤所持で前歴のあるフリーライター・工藤貴志(岡田義徳)の指紋が見つかった。組織犯罪対策第三課刑事・落合佐妃子(池上季実子)の調べによると、工藤はかつて、この犯行に使われた麻酔薬に関する記事を書いていた事実も発覚。しかも、工藤の自宅からは現場で検出された足跡と完全に一致する靴が見つかり、自供も得られたため、事件は晴れてスピード解決を遂げた。
ところが、送検された工藤が一転して犯行を否認。事件発生時、現場のホテルの別の部屋で取材をしていたというアリバイを主張しはじめた。工藤は取材で度々このホテルを利用しており、望月が死んでいた部屋にも以前、入ったことがあると供述。その結果、不起訴の判断が下され、京都府警の大失態だと報じられてしまう。
だが直後、望月の事件と状況が酷似した女性の遺体が発見される。そして、その現場に、なぜか佐妃子がふらりと現れて…!?
脚本:櫻井武晴
監督:森本浩史
『第15話』(最終話)
殺人容疑で逮捕送致しながらも不起訴となった覚せい剤の売人・工藤貴志(岡田義徳)を再び逮捕するため、組織犯罪対策第三課刑事・落合佐妃子(池上季実子)が証拠をねつ造したおそれが高いことが発覚! 榊マリコ(沢口靖子)、土門刑事(内藤剛志)は、憤りを隠せない。
しかし、2人の前に現れた佐妃子は「どんな手を使っても工藤を逮捕しなきゃいけない!」と開き直るばかり。「だからといって、証拠をねつ造するなんて絶対に認めない」と憤るマリコに「法律やルールがぜんぶ正義だと思っているの?」と問いかけ、「拘束するなら令状を持ってきて」と言い捨てて去っていく。
工藤は地検からまた京都府警に戻ってきたが、逮捕後48時間以内に送致しなければ釈放せざるを得ない。マリコたちが急いでねつ造された証拠の再鑑定をはじめようとした矢先、突如、工藤が釈放された。弁護士やマスコミからの圧力を案じた佐伯本部長(西田健)が決断したのだ。
そんな中、最初の事件の被害者の婚約者・松井真奈美(福田沙紀)がマリコを訪ねてくる。真奈美は工藤をずっと張り込んでいたといい、工藤が第二の事件の現場に入っていくのを見たと告白、マスコミに事実を打ち明けるという。
その矢先、佐妃子と突然、連絡が取れなくなった。胸騒ぎを感じるマリコ…!その予感は的中し、佐妃子が思いもよらぬ行動に出て…!?
脚本:櫻井武晴
監督:森本浩史
望月を工藤一味が殺害。自殺に見せかけた偽装を科捜研が暴くが、2段構えの偽装により証拠不十分で不起訴。
〔原千夏殺害?〕捜査経過――
千夏の死亡状況が工藤の手口と酷似していた。科捜研の検証により、工藤が殺害に関与していたと判明。
しかし、その証拠品は落合が捏造したものだった。
その後の捜査で、千夏は自 殺であったことが判明した。
落合刑事、決死の行動――
落合が工藤を呼び出す。焦った工藤が暴力団に自分の携帯から連絡。「この発信履歴が暴力団と繋がっている証拠になる」と言い放ち、工藤の犯罪のしっぽを出させる。
その後、駆けつけた暴力団員が落合を襲う。その際、落合は隠しカメラや自分の爪に微物を残すなど、必死に証拠を残して、絶命。
科捜研が、工藤の事件関与(望月殺害を含む)を立証。
落合の歪んだ正義について
これまでにも、被害者を含む事件関係者の気持ちや、他の捜査への妨害になることなど、まったくお構いなしに、暴走してきた落合刑事だが、今回は証拠を捏造して逮捕しようとした。
落合刑事(池上季実子)――
「どんな手を使っても、工藤だけは投獄しなければならない。
ヤク(覚せい剤)を売って、人を殺して、それでもヤクザに守られて……そんな奴は絶対同じことをしでかす」
「法律やルールが、全部正義だと思っているの?(法律が間違っていることもあるし、法律を守っていては、正義が行えない)」
「私はどんなことをしても、工藤を逮捕する。
たとえ、自分の命を投げ出しても逮捕する。
榊さん、それが私の正義よ」(マリコへの手紙)
「私はね、薬物や銃器の犯人が逮捕できれば、それで本望よ」(回想)
榊マリコ(沢口靖子)――
「証拠を捏造するなんて、絶対に認めない」
藤倉刑事部長(金田明夫)――
「(記者会見で落合が命懸けの違法捜査をしていたことを公表し)
違法な捜査をした警察官は、たとえ犯罪を検挙しても、罪は罪です。
何より、捜査員に命を懸けさせるような捜査を、われわれ警察は絶対に求めません」
新聞各紙――
「法律順守を捨てた警察」(落合の違法捜査を罪と断じたのだから、“法律順守を捨てた警察官”とすべきだ)
「“府警 違法捜査認める”“行き過ぎた女性刑事の死”“検挙より人命重視”」
被害者・望月の遺族――
「世間がどう言ったって、どんな批判をしたって、あたしたちにとってこの刑事さん(落合)は正義です」
土門刑事(内藤剛司)――
「落合がした証拠の捏造は、確かに間違っている。
藤倉部長が言うように、命を懸けるような捜査も間違っているのかもしれん。
だが……俺たち刑事は、皆、命懸けで捜査をしている。
だとすれば、どこまで命を懸ければ、間違いなんだ。
そう思えば、俺は落合がひとりで工藤に会いに行ったことを、完全に否定する気にはなれない」
榊マリコ(沢口靖子)――土門の言葉を受けて
「確かに、そのおかげで、今回の事件が解決したことも否定できない。
でも……そんな捜査が行われないように、科学があると私は信じている。
ルールと正義が一緒になることを願って、私はこれからも、科学をする」
落合の決死の捜査で美化してしまった!!
“違法捜査”という表現を多用し、“証拠捏造”の印象をを遠くに追いやり、さらに、“命懸けの捜査”云々で、落合が犯した重大な過ちをぼかしてしまった!
一番問題にすべきなのは“証拠の捏造”なのである。しかも、千夏は自 殺で、この件に関して、工藤は“冤罪”である。
確かに、工藤を野放しにしておくわけには行けないし、望月殺害の罪と差し替えたと考えることも可能かもしれない。
しかし、千夏の死の真相を捻じ曲げてはならない。彼女が殺害されたか、自 殺なのかで、彼女の死や人生における意味が全く違ったものとなってしまう。
そもそも、証拠捏造で逮捕、そして有罪など、あってはならない事なのだ。
落合の決死の行動によって、望月の遺族の気持ちは救われたのは事実だが、落合の死によって、“命懸けの捜査”の方に注意が行き、マリコも土門も藤倉も、問題にすべきことがずれてしまった。
また、落合も、証拠の捏造や違法捜査を悔いることなく、散ってしまった。
非常に残念なシナリオであった。
※大きな疑問点
1.工藤や暴力団の証拠隠滅などの手口が巧み過ぎる。悪事のプロではあるが、科捜研を欺けるほどの証拠隠滅のテクニックを持っているとは思えない。そもそも、望月が取引の現場に遭遇したのは、不慮の出来事。それなのに、麻酔用マスクを所持しているのは変だし、手際よく証拠隠滅ができるのもおかしい。
2.上記のような手際の良さに加え、落合が必死で残そうとした証拠も、ほとんど、役に立たせなかった(PCの破壊など)。それだけの“殺しのプロ”(by土門の言)なら、落合の死体を海底や山中に遺棄するのではないだろうか?
【追記】
鬼コーチのしごき
(マリコのポジションから言うと、“鬼キャプテン”なのだが、“鬼コーチ”と言った方がしっくりするので)
今回は強敵だったので、鑑定が大量、精密、長時間。それを、さらりと促すマリコ。自ら率先して実行するので、始末に負えない。悪意は全くないし……
“命を懸ける捜査”“ルールを遵守”とか言っていたが、ブラック企業並みの酷使である。
最終話では、風丘先生(若村麻由美)は被害を免れた。
【ストーリー】番組サイトより
『第14話』
京都市内のビジネスホテルで若い男性・望月達也(東山龍平)の死体が発見された。遺書はなかったが、手首をカミソリで切って湯を張った浴槽につけており、状況から自殺と考えられた。
だが、婚約者の松井真奈美(福田沙紀)は自殺する理由がないと強く主張。現場に呼ばれた榊マリコ(沢口靖子)は、遺体の鼻筋にうっすら皮下出血があることに疑問を抱き、鑑定に乗り出す。
すると分析の結果、遺体の血液から麻酔薬が検出され、望月は何者かに麻酔薬を吸わされて意識を失った上、手首を切られた可能性が高いとわかった。その麻酔薬は恍惚感を与えるドラッグとして闇で出回っており、鼻筋の痣は吸引マスクを押し付けられた際にできたものと思われた。
また、現場の客室から、覚せい剤所持で前歴のあるフリーライター・工藤貴志(岡田義徳)の指紋が見つかった。組織犯罪対策第三課刑事・落合佐妃子(池上季実子)の調べによると、工藤はかつて、この犯行に使われた麻酔薬に関する記事を書いていた事実も発覚。しかも、工藤の自宅からは現場で検出された足跡と完全に一致する靴が見つかり、自供も得られたため、事件は晴れてスピード解決を遂げた。
ところが、送検された工藤が一転して犯行を否認。事件発生時、現場のホテルの別の部屋で取材をしていたというアリバイを主張しはじめた。工藤は取材で度々このホテルを利用しており、望月が死んでいた部屋にも以前、入ったことがあると供述。その結果、不起訴の判断が下され、京都府警の大失態だと報じられてしまう。
だが直後、望月の事件と状況が酷似した女性の遺体が発見される。そして、その現場に、なぜか佐妃子がふらりと現れて…!?
脚本:櫻井武晴
監督:森本浩史
『第15話』(最終話)
殺人容疑で逮捕送致しながらも不起訴となった覚せい剤の売人・工藤貴志(岡田義徳)を再び逮捕するため、組織犯罪対策第三課刑事・落合佐妃子(池上季実子)が証拠をねつ造したおそれが高いことが発覚! 榊マリコ(沢口靖子)、土門刑事(内藤剛志)は、憤りを隠せない。
しかし、2人の前に現れた佐妃子は「どんな手を使っても工藤を逮捕しなきゃいけない!」と開き直るばかり。「だからといって、証拠をねつ造するなんて絶対に認めない」と憤るマリコに「法律やルールがぜんぶ正義だと思っているの?」と問いかけ、「拘束するなら令状を持ってきて」と言い捨てて去っていく。
工藤は地検からまた京都府警に戻ってきたが、逮捕後48時間以内に送致しなければ釈放せざるを得ない。マリコたちが急いでねつ造された証拠の再鑑定をはじめようとした矢先、突如、工藤が釈放された。弁護士やマスコミからの圧力を案じた佐伯本部長(西田健)が決断したのだ。
そんな中、最初の事件の被害者の婚約者・松井真奈美(福田沙紀)がマリコを訪ねてくる。真奈美は工藤をずっと張り込んでいたといい、工藤が第二の事件の現場に入っていくのを見たと告白、マスコミに事実を打ち明けるという。
その矢先、佐妃子と突然、連絡が取れなくなった。胸騒ぎを感じるマリコ…!その予感は的中し、佐妃子が思いもよらぬ行動に出て…!?
脚本:櫻井武晴
監督:森本浩史
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