カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

プノンペン上水道公社 株主総会2022

2022年05月18日 | 経済
 5月13日、プノンペン上水道公社(PPWSA)は、第10回株主総会を完全オンラインで開催しました。公社の役職員や株主が多数参加しました。
 株主総会では、上水道公社の昨年の活動実績や財務諸表の報告が行われました。また、今年以降の投資等の計画についても説明されました。活動実績については、上水道公社はプノンペンの拡大と人口増加に対応して給水量や給水面積を伸ばしています。財務面では、純利益は、2018年765億リエル、2019年333億リエル、2020年884億リエルから、2021年1293億リエル(約42億円)に増加しています。一株当たり利益2018年846.32リエル、2019年382.78リエル、2020年1015.85リエルから、2021年1486.37リエルに増加しました。2021年の無収水率は、9.7%(前年9.74%)となっています。
 プノンペンでは、上水需要がマスタープランの予測を大幅に上回って急速に伸びています。プノンペン上水道公社でも、バケン浄水場(第1フェーズ19万5000立方メートル/日、第2フェーズ19万5000立方メートル/日)の建設に取り掛かっており、第1フェーズは2023年、第2フェーズは2024年に完成予定としています。
 配当については、下記の通り議決されました。
1. 配当性向: 20.86% (2020年度25.79%、2019年度60.09%、2018年度25.71%、2017年度40.5%、2016年度28.24%、2015年度23.3%、2014年度20%、2013年度12.5%、2012年度:7%)
2. 配当金総額: 26,961,680,220リエル(2020年度22,786,968,444リエル、2019年度20,003,827,260リエル、2018年度18,925,360,051.2リエル、2017年度13,393,866,948リエル、2016年度13,914,836,188リエル、2015年度13,269,495,326リエル、2014年度9,149,542,200リエル、2013年度4,761,003,75リエル、2012年度2,409,156,587.40リエル)
3. 1株あたり配当金: 310リエル(2020年度262リエル、2019年度230リエル、2018年度217.60リエル、2017年度154.00リエル、2016年度159.99リエル、2015年度152.57リエル、2014年度105.20リエル、2013年度54.74リエル、2012年度27.70リエル)
4. 基準日:2022年5月30日
5. 支払日:2022年6月8日
 一株当たりの配当金は、昨年より増加し、配当利回りは4.0%(5月13日株価7740リエル)となっています。
 なお、2020年の総会から、配当等の議決については、投票方式で実施されています。経営の透明性維持等の観点からは望ましいものと見られます。また、日本では、まだハードルが高い(定款変更の上、経済産業大臣と法務大臣の認可が必要)オンライン株主総会を実施している点も評価できます。カンボジアの企業が情報公開に努め、経営の透明性を高めていくことは、大変重要なことであり、株式市場への上場によって、企業情報・経営の透明性が高まることが更に期待されます。
(写真は、建設中のバケン浄水場の完成予想図)

カンボジア証券取引所のサイト(英文です)
http://www.csx.com.kh/company/announce/viewPost.do?MNCD=5040&postId=1320#.YoGwmYzP02w


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イオンモール シアヌークビル物流センター 起工式開催

2022年05月17日 | 経済
 5月11日、イオンモールカンボジアロジプラスは、新たに取り組む物流事業の拠点となる「シアヌークビル物流センター」の起工式を開催しました。式典には、三上正裕大使、JETRO、JICA、カンボジア日本人商工会等の関係者も参加しました。
 カンボジア政府は、経済成長施策の一環としてシアヌークビル港と隣接する経済特区の一部を自由貿易港として一体運用する構想を進めてきており、日本政府が支援してきました。イオンモールは、この構想の実現に向けた最初のパイロット事業者として、シアヌークビル港に隣接する経済特区内にシアヌークビル物流センターするものです。物流センターでは、カンボジア初の保税倉庫(敷地面積約3万平方メートル)を整備します。保税倉庫は輸入手続きが済んでいない外国からの貨物を保管するもので、保管中には関税などが課税されず、需給に応じ必要な量だけ通関手続きを経て持ち出せるものです。
 物流センターは、既存のシアヌークビル港コンテナターミナルに隣接していることに加え、日本の円借款の支援で建設予定の新たなコンテナターミナル(第1期2025年完成予定)へも好アクセスとなっています。また、プノンペンとシアヌークビルを結ぶ高速道路が本年中にも開業予定で、開通後の車での所要時間は現状の約6時間から約2.5時間に短縮される見込みです。
  シアヌークビル州は、中国からの集中豪雨的投資や中国人の増加により、「中国化」が進んでいます。近郊の海軍基地については、中国軍の進出も懸念され、米国も神経をとがらせています。その中で、日本の支援により拡充されてきたシアヌークビル港はカンボジアの唯一の深海港であり戦略的にも重要な港湾であるため、中国の影響下に置かれないようにすることは大変重要となっています。この観点からもシアヌークビル港に隣接する経済特区に日本の大手企業が入居することは、大きな意義があることであり、日本の官民が協力して今後もシアヌークビル港と経済特区への支援を継続していくことが期待されます。
(写真は、シアヌークビル港湾公社のフェイスブックより。シアヌークビル港経済特区内の物流センター建設予定地)

イオンモールの新聞発表
https://www.aeonmall.com/NewsReleases/index/1716


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2022年05月16日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
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新型コロナ カンボジアの状況 5月16日 8日間連続で新規陽性ゼロ

2022年05月16日 | 経済
 カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、ワクチン接種の進展に伴い市中感染は大幅に減少していました。2月に入ってオミクロン株の市中感染が拡大しましたが、3月中旬以降ピークアウトし、死亡者数・新規陽性者数はゼロに近いレベルとなってきています。5月15日の保健省の発表によれば、死者は累計3056名(5月8日からゼロ名増)です。累計陽性者数は13万6262名(同ゼロ名増)となっています。治癒数は13万3194名(同13名増)です。
 フン・セン首相は、5月7日から5月14日まで8日間連続で新型コロナ新規陽性者がゼロとなったと発表しました。PCR検査数が大幅に減少しているため、ゼロ名という数字が正確かについては議論のあるところですが、死者数はここ3週間ほどゼロ名を続けており、新規陽性者数、重症者数等が大幅に減少しているのは確かなものと見られます。フン・セン首相は、この大成功は、全ての国民による新型コロナ対策努力の成果であると述べています。同時に、密を避ける等の基本的対策を引き続き継続してほしいと訴えるとともに、2歳児へのワクチン接種、5回目のワクチン接種を前向きに検討するとしています。また、在カンボジア日本国大使館でも、これまで毎日発信していた新型コロナ感染状況について、新規感染者数が低く推移していることなどを踏まえ、週1回にまとめて発信する形に変更するとのことです。
 5月12日、日経新聞は「首相はインバウンド再開へ指導力示せ」との社説を掲載しました。「鎖国政策」とも批判される今の厳しい入国規制は、日本の国益を大きく損ねていると日本の水際対策を厳しく批判しています。特に、観光目的の外国人の来日の禁止と1日当たりの入国者数に1万人という上限を設けていることについては、科学的根拠は乏しいと批判しました。その上で、「岸田首相の言葉をリップサービスで終わらせてはならない。外国人観光客の受け入れ再開を含む入国措置の正常化に一日も早く踏み込むときだ。」と指摘しました。
 カンボジアでのワクチン接種については、世界的に見ても早いペースで接種が進んでいます。既に、5歳以上~成人についてはほぼ接種を完了していると言ってもよい状況と見られます。5月14日現在で、1500万782人への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の93.8%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の103.1%に第1回接種を、99.6%に2回目を完了しています。また、世界に先駆けて、3歳~4歳児への接種を2月23日から開始しました。39万110人への第1回接種を完了しています。
 ブースター接種(3回目)も実施が進められ、5月14日現在897万9639人(うち成人640万1700人)が接種を完了しています。1月3日以降、12歳~18歳に対しても3回目接種を行っており、138万3448人が接種を完了しています。更に、6歳~11歳についても2月21日から3回目接種が開始され、116万3399人が完了しています。また、オミクロン株対策の一環として、4回目の接種を1月14日から開始しました。5月14日現在で218万5016人が接種済です。
 カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために2021年はプノンペン等のロックダウンに踏み切る等、厳しい規制を行ってきましたが、秋以降、大幅緩和となっています。なお、入国規制を含めて各種規制が頻繁に変更されていますので、大使館等のサイトで最新情報をご確認ください。カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続き密を避けるといった基本的な対策の継続が必要と見られます。
(写真は、活況を取り戻しているセントラルマーケット。5月14日撮影)

カンボジア日本人会のフェイスブック
https://web.facebook.com/Jacambodia/

在カンボジア日本国大使館のサイト
https://www.kh.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html



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雨季の始まり 2022

2022年05月15日 | 社会・風土
 カンボジアは5月~10月が雨季です。例年は、クメール正月が終わる4月中旬から雨が降り始めます。カンボジア水資源気象省の発表によれば今年の雨期は公式には5月15日から始まるとしています。雨季の間には「バケツをひっくり返したような」スコールに襲われることもたびたびあります。傘も全く役に立たないような激しさです。そんな時はちょっと雨宿りするしかありません。通常、豪雨は30分から1時間ほどで終わります。バイクに乗っている人たちの中には、ビニールポンチョをかぶって走っていく元気な人たちもいます。トゥクトゥクは、雨除けのカバーを出して走ります。プノンペンの街中は、洪水で通行できなくなるところも出て、道路は大渋滞となることもあります。日本政府が支援している排水事業で、洪水被害は大幅に減少したのですが、最近は、元は湿地や遊水地だったところが次々に埋め立てられていて、思わぬところが洪水被害にあうこともあるとのことです。しかし、この時期の雨は、農家には本当に大切な恵みの雨でもあります。

急に雨になり、バイクの人は合羽を取り出します。



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新しい日本のパン屋さん Le Aki

2022年05月14日 | 生活環境
 プノンペン南部に開店した日本のパン屋さん「Le Aki」です。場所は、ケーキのChez Shigeのお隣です。食パンや総菜パンがずらりと並んでいます。今回は、BLTコッペ、野菜パン、チーズのソーセージパン等を買ってみました。ちょっと買い過ぎかと思いましたが、日本風の柔らかくて軽いパンなので、一人でぺろりと食べられてしまいました。お子様方には、ドーナッツも人気だそうです。伺ったときは、オープンしたところで、価格が破格の1ドル~でしたが、昨今の物価上昇を受けて、価格はちょっと変更される見込みです。プノンペンでも美味しいパン屋さんが増えるのはとても嬉しいです。お勧めです。ぜひお試しください。

Le Aki
https://www.facebook.com/LeAki-bakery-107592915192218/?ref=page_internal

美味しそうなパンがずらりと並んでいます。



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JETRO調査 カンボジア進出日系企業数は約1300社

2022年05月13日 | 経済
 5月11日、日本貿易振興機構(JETRO)は、カンボジア税務総局(GDT)から2022年4月に入手したデータを分析し、カンボジアへ進出した日系企業の現状を公表しました。2014年1月以降に進出し、2022年3月16日時点で事業を継続しているカンボジア進出日系企業数は1290社となっています。従来、JETROではカンボジア政府が認可した投資適格案件(QIP)取得企業数に基づき日系企業数を公表してきていましたが、今回、GDTの協力を得て、事業を継続している日系企業数が初めて分かったとしています。
 業種別にみると、サービス業(B to C)が最多の614社(全体の47.6%)、貿易業が250社(19.4%)、建設・不動産業が152社(11.8%)、製造業は90社(7.0%)等となっています。
 進出年別に事業を継続している日系企業数をみると、2015年が最多の494社(全体の38.3%)でした。2016年以降に進出し、現在も事業を継続している日系企業数は、2016~2019年は100社台半ば前後に減少しています。2020年は83社、2021年は69社と、新型コロナの影響でさらに大きく減少しました。
 製造業では、2015年に進出し、現在も事業を継続している企業が49社と最多でした。2016年以降は2017年を除いて10社を下回っています。その理由を「カンボジアでは、2013~2015年に最低賃金が著しく伸びたことから、労働集約産業のコストメリットが薄れてしまうことを懸念し、新規投資や事業継続に慎重になる企業が増加したとみられる。」と分析しています。
 なお、日系企業の新規進出が減少傾向にある一方で、既進出日系企業は今後の見通しに楽観的だと指摘しました。「2021年度 海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)」によると、2022年の営業見通しが「改善する」と回答した企業の割合は66.2%と、ASEAN域内で最多でした。更に、今後1~2年の事業展開の方向性についても、「拡大する」と回答した企業の割合は48.9%で、ASEAN域内ではベトナムに次いで高くなっています。
 進出日系企業数が1290社というのは、カンボジア日本人商工会の会員数が250社ほどであるのに比べてみると、かなり多く感じられますが、小規模事業者もかなりの数の進出があったものと見られます。新型コロナ後が見えてきた今年以降、日系企業の進出が再度盛り上がってくるかが注目されます。
(写真は、発展が続くプノンペン市内)

JETROのサイト
https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/05/c59282fd9bc3e1cd.html


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欧州議会 カンボジアの人権状況に関する決議 カンボジア側は反発

2022年05月12日 | 経済
 5月5日、欧州議会は、トルコ・カンボジア・中国の人権状況に関する決議を採択しました。カンボジアについては、野党関係者等への不当な扱いや、旧救国党への解党命令等を批判しています。更に、今年の地方選挙、来年の総選挙において選挙監視員が不公正選挙の証拠を見つけた場合には、特恵関税制度EBAの全面停止を含むあらゆる手段をとる準備をするように欧州委員会に求めています。
 カンボジア側は直ちに反発し、カンボジア国会は、欧州議会の決議を拒否する声明を発表しました。声明では、欧州議会の決議は、国連憲章で規定された内政不干渉の原則に反するもので、カンボジアの主権を犯している上、一方的なものであると批判しています。
 欧州議会のフランス選出のThierry MARIANI議員は、今回の議決に関し、人権状況がカンボジアよりも悪いと見られるベトナムとは自由貿易協定を結ぶ一方で、カンボジアには特恵関税を停止するというのは「ダブルスタンダード」であるとして批判しています。
 欧州議会としては、地方選挙前にカンボジアに釘を刺したかったものと見られますが、「特恵関税の全面停止」にまで言及したのは、勇み足だったのではないかと見られます。ウクライナに侵攻したロシアに対する制裁について、EU加盟諸国で必ずしも足並みがそろわなかったことも背景にあるものと見られます。なお、今回の決議については、賛成526票で採択されましたが、反対5票、棄権63票があったとのことです。
(写真は、カンボジア国会。とんがり屋根の建物は、今や高層ビルの谷間となってしまいました。)

欧州議会の発表(英文です)
https://www.europarl.europa.eu/news/en/press-room/20220429IPR28238/human-rights-breaches-in-turkey-cambodia-and-china


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カンポットで大規模港湾建設工事 起工式

2022年05月11日 | 経済
 5月5日、カンポット州で大規模港湾・複合施設の起工式が行われ、チア・ソピア土地管理・都市計画・建設大臣、スン・チャントル公共事業運輸大臣等が参加しました。開発は、民間のカンポット・ロジスティクス・アンド・ポート社によって、民間資金を活用して実施されるものと見られます。
 中心施設となる港湾は、水深15メートルで10万トン級のコンテナ船が入港可能となるとしています。コンテナ取扱量は、2025年30万TEU、2030年60万TEUの計画です。港湾に隣接して、600ヘクタールが埋め立てられ、コンテナヤード、経済特区、石油コンビナート、ロジスティクスセンター、観光施設等が建設されるとしています。総コストは、15億ドル(約1950億円)としています。3期に分けて開発される予定で、第1期は2億ドル(約260億円)の予算で建設されるとしています。
 これまで、様々な情報はありましたが、正式な起工式に至ったことは、大きな前進と見られます。しかし、この港湾の周辺の海域の水深が浅いところが広がっており、埋め立てには好都合ですが、港湾にとっては、バースだけでなく、水深が深い沖合まで長距離の水路を掘削する必要があります。更に、大型船が通行可能な水深の水路を維持するため、継続的な浚渫が必要となる等、コスト的に不利な状況が予想されます。水深で有利なシアヌークビル港では、日本の支援で新たな大型コンテナバースの建設が進められており、今後の両港の関係がどのように調整されていくのかが注目されます。
(完成予想図は、カンポット・ロジスティクス・アンド・ポート社のサイトより)



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2022年第1四半期CBC報告 消費者向け信用は減少

2022年05月10日 | 経済
 5月6日、カンボジア信用機構(CBC)は、消費者信用指標四半期報告(2022年第1四半期)を発表しました。CBCは、多重債務者を防止する目的で、金融機関から集めた信用情報を集積し、各金融機関の貸付審査にその情報を提供しています。四半期報告では、消費者信用申請状況、消費者信用供与状況、消費者信用の不良債権情報等を取りまとめています。
 今回の報告では、消費者信用申請については、対前期比で、件数は17%増、金額は3%減となりました。その内訳は、個人向け貸付が件数16%増、金額1%減、住宅ローンは件数24%増、金額8%減、クレジットカード利用は件数0.2%増、金額28%増となっています。
 消費者信用供与状況では、消費者信用借入人数が、対前期比2.7%増の約139万人となっています。残高は、前期末比5.1%増の125億ドル(約1兆6250億円)となりました。
 不良債権比率は、2020年第1四半期1.61%、第2四半期2.64%、第3四半期2.42%、第4四半期1.91%、2021年第1四半期2.24%、第2四半期2.57%、第3四半期2.56%、第4四半期2.03%、2022年第1四半期2.35%と推移しています。借入人の27.8%が複数の機関から借り入れを行っています。新型コロナの影響で返済に困っている借入人については、各金融機関が返済期限の延長等に応じていることもあって、不良債権比率は2%台にとどまっています。今後想定される支援措置の終了に伴い、不良債権比率が上昇する懸念があります。
 新規貸付需要は、2021年第1四半期・第2四半期は新型コロナの国内感染の拡大を受けて伸び悩んでいました。4月以降のロックダウン等の影響を受けて、継続的な貸付低迷の懸念がありましたが、段階的な規制緩和を先取りする形で2021年第3四半期は、大きく盛り返しました。2021年第4四半期、2022年第1四半期は、概ね横ばい状態でした。
 なお、こうした基礎情報が、定期的に公開されることは、金融セクターの健全性維持の観点からも重要性が高いものと見られます。

カンボジア信用機構の発表(英文です)
https://www.creditbureau.com.kh/press/consumer-credit-index-report-quarter-1-2022-released-may-2022/


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2022年05月09日 | 一般
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新型コロナ カンボジアの状況 5月9日 日本は6月に入国規制緩和へ

2022年05月09日 | 経済
 カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、ワクチン接種の進展に伴い市中感染は大幅に減少していました。2月に入ってオミクロン株の市中感染が拡大しましたが、3月中旬以降ピークアウトし、死亡者数・新規陽性者数はかなり低いレベルとなってきています。5月8日の保健省の発表によれば、死者は累計3056名(5月1日からゼロ名増)です。累計陽性者数は13万6262名(同10名増)となっています。治癒数は13万3181名(同86名増)です。先週の新規陽性者のうち、市中感染は10名、海外帰国・入国者の新規陽性はゼロ名でした。
 5月5日、岸田文雄首相は、英国の金融街シティーで講演し、日本入国時の水際対策を6月に緩和すると表明しました。「主要7カ国(G7)諸国並みに円滑な入国が可能となるようさらに緩和していく」と述べたとのことです。ゴールデンウイーク後の感染状況を見極め、6月にも専門家の意見も踏まえて水際対策を含め新型コロナ対策を段階的に見直すとしています。しかし、報道によりますと、外国人観光客の新規受け入れを再開すると言っても、まずは旅行会社などが管理しやすい団体旅行から認める案や、現在の1日1万人から当面2万人に入国者数の上限引き上げる案等が出ており、小手先の改善に留まる懸念があります。
 4月27日から、羽田空港、成田国際空港、中部国際空港、関西国際空港、福岡空港で運用が行われているファストトラック(入国時の検疫手続の一部の事前登録)について、これまでは「日本到着予定時刻の16時間前」までに事前審査の申請を行う必要があったものを、「日本到着予定時刻の6時間前」に短縮する改善が行われました。
 フン・セン首相は、5月7日に新型コロナ新規陽性者がついにゼロとなったと発表しました。2021年2月20日に中国人が賄賂を使って隔離を抜けだし、感染を広めた2月20日事件以来、初めてゼロとなったとのことです。PCR検査数が大幅に減少しているため、ゼロ名という数字が正確かについては議論のあるところですが、死者数はここ2週間ほどゼロ名を続けており、新規陽性者数、重症者数等が大幅に減少しているのは確かなものと見られます。フン・セン首相は、密を避ける等の基本的対策を引き続き継続してほしいと訴えるとともに、3回目、4回目、5回目のワクチン接種を続けていくと表明しました。
 5月3日、米国が寄贈したファイザー製ワクチン200万回分が到着しました。カンボジア政府はワクチンの調達努力を続けており、これまでに合計5113万回分(人口の3.2倍)の調達に成功しています、内訳は、シノバック3442万4800回分、シノファーム780万回分、アストラゼネカ516万5500回分、ファイザー248万9730回分、ジョンソン&ジョンソン106万4600回分、モデルナ18万8160回分となっています。
 カンボジアでのワクチン接種については、世界的に見ても早いペースで接種が進んでいます。既に、5歳以上~成人についてはほぼ接種を完了していると言ってもよい状況と見られます。5月7日現在で、1497万2740人への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の93.6%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の103.0%に第1回接種を、99.5%に2回目を完了しています。また、世界に先駆けて、3歳~4歳児への接種を2月23日から開始しました。37万7425人への第1回接種を完了しています。
 ブースター接種(3回目)も実施が進められ、5月7日現在877万5065人(うち成人631万7983人)が接種を完了しています。1月3日以降、12歳~18歳に対しても3回目接種を行っており、134万4728人が接種を完了しています。更に、6歳~11歳についても2月21日から3回目接種が開始され、108万9034人が完了しています。また、オミクロン株対策の一環として、4回目の接種を1月14日から開始しました。5月7日現在で192万692人が接種済です。
 カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために2021年はプノンペン等のロックダウンに踏み切る等、厳しい規制を行ってきましたが、秋以降、大幅緩和となっています。なお、入国規制を含めて各種規制が頻繁に変更されていますので、大使館等のサイトで最新情報をご確認ください。カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続き密を避けるといった基本的な対策の継続が必要と見られます。
(写真は、活況を取り戻しているセントラルマーケット。5月6日撮影)

カンボジア日本人会のフェイスブック
https://web.facebook.com/Jacambodia/

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マンゴーの季節 2022

2022年05月08日 | 社会・風土
 カンボジアでは、4月~5月はマンゴーの一番おいしい季節と言われ、市場はマンゴーで溢れます。お土産にマンゴーを頂く機会も増え、冷蔵庫がマンゴーで一杯になってしまうこともあります。余ったマンゴーでジャムやドライフルーツを作るお宅もあります。カンボジアのマンゴーは甘くて美味しいです。マンゴーは、とれたては緑色なのですが、少しおいて熟してくるとよく見かける黄色になります。販売時点では、緑色のものもありますし、きれいな黄色になっているものもあります。マンゴーの切り方は色々あるようですが、私は真ん中の大きな種を避けて3枚におろして、スプーンで実をすくって食べています。
 今年は、小売りは1キロ1500リエル(約40円)~2000リエルくらいが相場の様です。1キロで4~5個はありますので、1個当たり10円ほどです。カンボジアで日本産の最高級マンゴーの価格が1個1万円と話すと相当に驚かれます。
 中国との自由貿易協定の効果もあって、昨年から中国向けの初のマンゴー輸出が行われたとのことです。また、韓国との自由貿易協定で韓国向け輸出も期待されるところです。
 カンボジアにいらっしゃる方は是非マンゴーの季節をお楽しみください。

3枚におろすと美味しそうな黄色です。贅沢に食べられます。


プノンペンの街中にもマンゴーの木はたくさんあって、たわわに実っています。



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カンボジアフェスティバル2022 3年ぶりに東京で開催

2022年05月07日 | 社会・風土
 5月3日・4日に、東京・代々木公園でカンボジアフェスティバル2022が、3年ぶりに開催されました。カンボジアフェスティバル実行委員会の主催で、在日カンボジアコミュニティ、在日本カンボジア王国大使館、在日カンボジア留学生協会などとの共催です。本格的なカンボジアのフェスティバルであり、例年多くのお客さんで賑わっていましたが、2020年・2021年は新型コロナの影響で開催できませんでした。今回は、3年ぶりの開催となります。
 会場には、クラタペッパーやカシューナッツ協会等の多くの展示ブースが出展されたとのことです。カンボジアカレーやカボチャプリンといったカンボジア料理も味わうことができました。また、イベントステージでは、カンボジア伝統舞踊等が披露されました。お天気にも恵まれて多くの人が集まった模様です。
 日本の方々にカンボジアを知っていただく良い機会になっているものと見られます。今後も発展が期待されます。
(写真は、フェスティバルのフェイスブックより)

カンボジアフェスティバルのサイト
https://cambodiafestival.com/
https://www.facebook.com/cambodiafestival/


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国道2号線と22号線 低品質工事の韓国企業にやり直しを命令

2022年05月06日 | 経済
 カンボジア公共事業運輸省は、国道2号線及び22号線の改良工事を実施していた韓国企業Hasan Engineering & Constructions Companyに対し、工事のやり直しを命じました。公共事業運輸省では、工事現場の検査を行ったところ、1000か所以上で低品質工事を確認したとしています。本来2022年5月完成予定が既に4カ月以上の遅れを出している上に、完成部分の品質も問題だらけであると指摘しています。
 韓国企業の低品質工事については、国道3号線修復事業でも韓国のKorea Consultants International (KCI)社が契約取消処分となっています。この際には、工事を担当していた公共事業運輸省の次官も更迭されました。
 韓国や中国の企業による低品質工事は、カンボジアにおいて重大な問題となっています。スン・チャントル大臣は、各地の現場を視察して、低品質工事の防止に努めていますが、工事完成後1年も経たずに穴だらけとなる道路が散見されるのが実情です。国道2号線修復事業でも、2021年1月に現場を視察したスン・チャントル公共事業運輸大臣は、工事の遅れや、長期間の使用に耐えうる品質確保について韓国企業を厳しく指導していました。
 日本は、「質の高いインフラ」をキーワードに、途上国のインフラ開発を支援しています。見かけの値段の安さや工期の短さに惑わされて、韓国や中国の企業に発注して痛い目に合っているのはカンボジアに留まりません。インドネシアの高速鉄道工事は、当初中国企業が2年半で完成させるとしていましたが、7年経った現時点でも完成の目途が立っていません。国道2号線及び22号線の工事は、韓国政府の対外経済協力基金の融資を使用しているもので、韓国政府の責任も重大であり、厳しく追及されてしかるべきです。工事の品質管理や完成後の維持管理も考慮して、「質の高いインフラ」を完成させていくことが重要と見られます。
(写真は、国道2号線建設工事現場。2022年1月撮影)

ブログ「カンボジア経済」2021年6月18日「公共事業運輸大臣 韓国企業の低品質道路工事に激怒 契約取消処分」
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/cfdb75942aaf6c71c62f77315da496eb


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