カンボジア経済

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国道2号線と22号線 低品質工事の韓国企業にやり直しを命令

2022年05月06日 | 経済
 カンボジア公共事業運輸省は、国道2号線及び22号線の改良工事を実施していた韓国企業Hasan Engineering & Constructions Companyに対し、工事のやり直しを命じました。公共事業運輸省では、工事現場の検査を行ったところ、1000か所以上で低品質工事を確認したとしています。本来2022年5月完成予定が既に4カ月以上の遅れを出している上に、完成部分の品質も問題だらけであると指摘しています。
 韓国企業の低品質工事については、国道3号線修復事業でも韓国のKorea Consultants International (KCI)社が契約取消処分となっています。この際には、工事を担当していた公共事業運輸省の次官も更迭されました。
 韓国や中国の企業による低品質工事は、カンボジアにおいて重大な問題となっています。スン・チャントル大臣は、各地の現場を視察して、低品質工事の防止に努めていますが、工事完成後1年も経たずに穴だらけとなる道路が散見されるのが実情です。国道2号線修復事業でも、2021年1月に現場を視察したスン・チャントル公共事業運輸大臣は、工事の遅れや、長期間の使用に耐えうる品質確保について韓国企業を厳しく指導していました。
 日本は、「質の高いインフラ」をキーワードに、途上国のインフラ開発を支援しています。見かけの値段の安さや工期の短さに惑わされて、韓国や中国の企業に発注して痛い目に合っているのはカンボジアに留まりません。インドネシアの高速鉄道工事は、当初中国企業が2年半で完成させるとしていましたが、7年経った現時点でも完成の目途が立っていません。国道2号線及び22号線の工事は、韓国政府の対外経済協力基金の融資を使用しているもので、韓国政府の責任も重大であり、厳しく追及されてしかるべきです。工事の品質管理や完成後の維持管理も考慮して、「質の高いインフラ」を完成させていくことが重要と見られます。
(写真は、国道2号線建設工事現場。2022年1月撮影)

ブログ「カンボジア経済」2021年6月18日「公共事業運輸大臣 韓国企業の低品質道路工事に激怒 契約取消処分」
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/cfdb75942aaf6c71c62f77315da496eb


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