カンボジア経済

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欧州議会 カンボジアの人権状況に関する決議 カンボジア側は反発

2022年05月12日 | 経済
 5月5日、欧州議会は、トルコ・カンボジア・中国の人権状況に関する決議を採択しました。カンボジアについては、野党関係者等への不当な扱いや、旧救国党への解党命令等を批判しています。更に、今年の地方選挙、来年の総選挙において選挙監視員が不公正選挙の証拠を見つけた場合には、特恵関税制度EBAの全面停止を含むあらゆる手段をとる準備をするように欧州委員会に求めています。
 カンボジア側は直ちに反発し、カンボジア国会は、欧州議会の決議を拒否する声明を発表しました。声明では、欧州議会の決議は、国連憲章で規定された内政不干渉の原則に反するもので、カンボジアの主権を犯している上、一方的なものであると批判しています。
 欧州議会のフランス選出のThierry MARIANI議員は、今回の議決に関し、人権状況がカンボジアよりも悪いと見られるベトナムとは自由貿易協定を結ぶ一方で、カンボジアには特恵関税を停止するというのは「ダブルスタンダード」であるとして批判しています。
 欧州議会としては、地方選挙前にカンボジアに釘を刺したかったものと見られますが、「特恵関税の全面停止」にまで言及したのは、勇み足だったのではないかと見られます。ウクライナに侵攻したロシアに対する制裁について、EU加盟諸国で必ずしも足並みがそろわなかったことも背景にあるものと見られます。なお、今回の決議については、賛成526票で採択されましたが、反対5票、棄権63票があったとのことです。
(写真は、カンボジア国会。とんがり屋根の建物は、今や高層ビルの谷間となってしまいました。)

欧州議会の発表(英文です)
https://www.europarl.europa.eu/news/en/press-room/20220429IPR28238/human-rights-breaches-in-turkey-cambodia-and-china


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