カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

世界銀行 東アジア・大洋州地域 半期経済報告2021年秋 新型コロナの影響長引く

2021年10月06日 | 経済
 9月27日に世界銀行は、東アジア・大洋州地域半期経済報告(2021年10月)を発表しました。この報告書は、年2回春と秋に発行されています。
 報告書では、東アジア・大洋州地域では、新型コロナウイルス感染症デルタ変異株の広がりによって回復が妨げられる結果、企業や家計にとって厳しい状況が長期化し、経済成長の減速や格差拡大につながるおそれがあると指摘しています。世界銀行では、「新型コロナウイルス感染症の封じ込め以降の成長加速と包摂性の確保には、総合的な戦略が必要となる。テクノロジー普及の加速が、今回の危機後の生産性向上、教育の民主化、国家組織の改革の実現に向けてプラスに働く」と分析しています。
 カンボジア経済については、2021年のGDP成長率予測をこれまでの4.0%から2.2%に引き下げました。2022年は4.5%、2023年は5.5%に回復すると予測しています。新型コロナの国内感染の広がりとデルタ変異株の脅威から、経済の回復はこれまでの予測よりも遅れたとしています。外需の回復に伴う、全輸出の63.1%を占める縫製品・靴等の輸出増に支えられて、輸出は回復傾向にあり、2021年1~7月は対前年同期比17%増となっています。しかし、引き続き、観光や建設・不動産は大きな打撃を受けているとしています。この結果、所得の減少や失業の増加につながっていると分析しています。
 物価上昇率は、2021年3.2%、2022年3.5%、2023年3.7%と安定的と予測しています。経常収支は赤字となるものの、2021年末の外貨準備は若干減少の207億ドル(輸入の9か月分)と非常に安定的なレベルを維持するとしています。
 経済回復を確実なものとしていくための課題としては、改正投資法の活用等による輸出競争力の強化、ビジネスコストや輸送・エネルギーコストの削減によるサプライサイドのボトルネックへの対処等を挙げています。リスクとしては、民間向け信用の高い伸び率、建設・不動産セクターへの融資等を挙げました。

世界銀行の新聞発表(和文)  
https://www.worldbank.org/ja/news/press-release/2021/09/27/economic-recovery-in-east-asia-and-pacific-faces-setback


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2022年の最低賃金 194ドルで... | トップ | 日本支援の国道5号線改修事業... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

経済」カテゴリの最新記事