カンボジア経済

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カンボジア西部の現状2024 その2 国境の町ポイペト

2024年01月30日 | 経済
 2024年1月に、バッタンバン、ポイペト、シェムリアップ等のカンボジア西部の主要都市とそれらを結ぶインフラの現状を視察する機会がありました。
1年ぶりにタイ国境のポイペトを訪問しました。タイとのこれまでの国境には、入国管理等を行う新しく大きな建物が完成しています。2022年12月の大火で、国境近隣のカジノホテル数軒が焼け落ちており、国境付近の景色は全く変わっていました。なお、昨日の記事にも掲載した通り、貨物専用の国境施設を近郊のストゥンボットに建設中で、国境を通過する貨物の手続き迅速化が図られる計画です。
 鉄道北線のポイペト駅は、貨物輸送で潤っているようでした。駅には新たな貨物上屋が完成していました。最近は、フォードの完成車を一度に100台以上も輸送する貨物列車も運用されています。訪問当日は、列車は見られませんでした。。タイ国鉄と接続する鉄橋や線路も数年前に完成しているのですが、新型コロナの影響もあって二国間交渉が進んでおらず、直通列車や貨物の一貫輸送の実現には至っていません。
 ポイペトには、日本企業が進出している経済特区が二つあります。ロイヤルグループ・ポイペト経済特区とサンコー経済特区です。サンコー経済特区内には、豊田通商グループのテクノパークポイペトもあり、中小企業の方にも魅力的な場所となっています。新型コロナの影響もあって、ここ2~3年ほどは日系の大きな新規投資はないようでした。
 しかし、ポイペトは、カンボジアの労賃の低さとタイとの連結性から、タイに進出している日系企業、特に労働集約的部品産業のシフト先としては、非常に有望な候補となる場所と見られ、カンボジア政府も日系企業の誘致に力を入れています。カンボジアは、労務費が上昇した周辺諸国から労働集約的な工程を切り出し、労賃の安い国に移すフラグメンテーションの好例となることが期待されており、特に、タイの東部臨海地域に多数進出している日系企業の「タイプラスワン」の候補地となることが期待されます。
 ポイペトでの日本の方の生活基盤も以前に比べると整ってきているようで、タイ系のスーパーBigC、サンコー経済特区入り口前の長期滞在型ホテル、1階に和食の国境食堂HARUが入居するアパートメント等が完成しています。
 国境付近にはタイ人向けのカジノが多数あります。そのうち一つを訪れてみました。平日の昼間でしたが、フロアの3分の一程度は埋まっており、タイ通貨のバーツの札束を握りしめたタイ人がバカラ等に熱中していました。カンボジアにとって観光も重要な産業であり、昨年あたりから復活し始めているタイからの観光客数の増加も大いに期待されるところです。
(写真は、ポイペト国境の真新しい入国管理事務所の建物)

タイの支援で建設中のストゥンボット国境の管理用の建物。早期の完成とワンストップの運用が期待されます。


ポイペト駅に新たに完成していた貨物上屋。セメント等の積み込みに活用されているものと見られます。


カンボジアとタイを結ぶ鉄道の国境の鉄橋。閉鎖されています。ここを通過して直通列車が走る日が期待されます。


2022年12月の大火で延焼したカジノ。死者・負傷者多数でした。国道5号線の国境付近に立ち並んでいたカジノホテルはほとんどが焼失していました。



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