カンボジア経済

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世界銀行 カンボジア経済アップデート2023秋 回復から改革へ

2023年12月01日 | 経済
 11月21日、世界銀行は「カンボジア経済アップデート2023年11月:回復から改革へ」を発表しました。
 カンボジアの成長率予測については、2020年のマイナス3.1%から、2021年3.0%、2022年5.2%、2023年5.4%(前回5月予測5.5%)、2024年5.8%(同6.1%)、2025年6.1%へ回復すると予測し、中期的には6~7%程度の成長を続けると見ています。これまで成長を支えてきた中国の不動産投資の減退や世界的な経済減速に伴う輸出の伸び悩み等が見られるとしています。また、ロシアのウクライナ侵攻、世界的なインフレの進行、欧米の金融引き締め等の影響も受けていると分析しています。
 物価上昇率は、2023年3.0%(同2.5%)、2024年2.8%(同2.5%)、2025年2.7%と予測しています。2021年6月に対前年同月比7.8%とピークとなった物価上昇率は、落ち着いてきています。しかし、生活に直結するガソリンや食料品等の価格上昇が引き続き懸念材料となっています。
 対外収支は、石油輸入価格上昇も一服し、輸出も健闘していることから、経常収支赤字(対GDP比)は2023年13.4%(前回5月予測19.3%)、2024年11.5%、2025年9.6%と落ち着いてくると予測しています。財政については、新型コロナ対策で歳出が増加したことから、赤字(対GDP比)は、2021年7.6%にまで上昇しましたが、2023年6.9%、2024年4.8%、2025年3.2%へと低下すると予測しています。
 カンボジア経済のリスクとしては、世界経済のスローダウン、欧米の金融引き締め、国際商品価格の高騰等をあげています。また、国内要因としては、建設・不動産に集中している貸付の状況を懸念しています。対応する政策としては、マクロ経済安定化政策の継続、五角形戦略に沿った構造改革の推進、インフラ拡充、地域的連結性の改善、未来志向の人材開発等による生産性の向上と競争力強化を提言しています。
 なお、特別フォーカスとして、「生産性向上と競争力強化に向けた構造改革の推進」と題する調査報告も含まれています。

世界銀行の発表(英文です)
https://documents.worldbank.org/en/publication/documents-reports/documentdetail/099112023082512660/p1773401acb58a6c123d214d261905e16ed54ad7edf5


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