カンボジア経済

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ACMECSインフラ整備で中期計画を採択

2018年06月21日 | 経済
 6月16日、タイ、ラオス、カンボジア、ミャンマー、ベトナムのメコン川流域5カ国が参加している「ACMECS(イラワジ・チャオプラヤ・メコン経済協力戦略会議)」は、バンコクで首脳会議を開催しました。この会議では、インフラ整備での協力拡大などを盛り込んだ2023年までの中期計画(マスタープラン)を採択しました。各国を陸路でつなぐ経済回廊の完成や、通関ルールの共通化などを通じて、域内の貿易活性化を目指すとしています。具体的には、ベトナム、ラオス、タイ、ミャンマーを結ぶ「東西経済回廊」と、ベトナム、カンボジア、タイ、ミャンマーを結ぶ「南部経済回廊」の2つの回廊を2年後に完成させることを最優先事項として掲げています。通関の迅速化にも取り組み、東西経済回廊については、モノの輸送にかかる時間を現状の5日間から30時間に短縮したいとしています。各国間の送電網整備や、IT(情報技術)など先端産業の人材育成でも協力する計画です。
 また、2019年にもインフラ整備に充てるファンドを設立することを決めました。地域を挙げて資金を持ち寄り、上記の「経済回廊」となる国際幹線道路の整備などを加速する計画です。主導するタイがまず数十億円を供出する見込みです。このファンドは、欧米や日本、国際金融機関の5カ国向けインフラ資金の受け皿としても活用するとしています。将来的には共通の電力プロジェクトなどのインフラ債の発行もめざす計画です。シンガポールなど先進国市場にファンドを上場し、投資家からも資金調達する構想もあります。
 東南アのインフラ投資を巡っては、中国が「一帯一路」を通じて存在感を高めており、メコン5カ国と中国の枠組み「瀾滄江―メコン川協力(LMC)」では100億ドル以上の融資を約束しています。資金不足が深刻なカンボジア、ラオス、ミャンマーは中国マネーを積極活用してきましたが、債務漬けとなることへの懸念も強まっているのが実情です。域内国の協力により、域内最貧国のラオスやカンボジアの中国依存に歯止めをかける思惑もあると見られています。


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