カンボジア経済

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鉄道北線 バッタンバン~プルサットも開通

2018年06月06日 | 経済
 5月29日、カンボジア鉄道北線のバッタンバン~プルサット間107キロメートルが開通しました。式典には、スン・チャントル公共事業運輸大臣も出席しました。4月4日にカンボジア鉄道北線のタイ国境接続部のポイペト~シソポン間の改修が開通、4月29日には、シソポン~バッタンバン間が開通し、旅客列車の運行が開始されたばかりであり、今回の開通で国境からプルサットまでが接続されたこととなります。鉄道の運営は、民間企業のロイヤル鉄道が行っています。運行本数や時刻表は今のところ不明ですが、7月末までは運賃無料としています。
 スン・チャントル大臣によれば、更に7月の選挙前までにプルサットからプノンペン近郊のコンポンスプー州との区間も開通させるとのことです。また、ポイペト~プノンペンの北線は今年中に全線開通させたいとしています。
  鉄道北線は、プノンペンと、タイ国境のポイペトを結んでおり、ポイペトから国境を越えてタイ国鉄と連結しています。フランスにより1929年から建設されたものです。1970年代以降の内戦での損傷が激しく、2010年からアジア開発銀行等の支援を受けてリハビリ工事を行いましたが、途中で資金不足となり、政府予算で細々と改修工事が行われてきました。
 北線は、開通したとはいえ、線路が繋がっただけであり、信号設備は一切なく、自動踏切もほとんどないのが実情で、開通から1カ月で3件の自動車との衝突事故を起こしています。また、多額の予算が必要な橋梁の本格的改修等を今年中に全て実施するのは困難と見られます。7月の選挙を前にして、「開通」という実績をアピールする狙いもあるものと見られますが、安全で快適な鉄道として本格的に営業するまでには、まだ時間を要するものと見られます。
(写真は、バッタンバン~プルサット間の鉄道橋梁の改修工事。2018年4月25日撮影)


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