">夢は叶えるもの。
奇跡は起こすもの。
その奇跡が起きた!
何でもないことのようだが、ボクにとっては奇跡だった。
―――――――――――――――――――――――
ずっと憧れを抱いていた。
FB上でのお友達。
その人は、ときどき写真をアップする。
それが強烈な印象をボクに与えた。
ナント、いつもドアップで、
しかも、いつも敬礼のポーズ。
大きな瞳がカメラ目線で語りかけてくる。
おはよう!って。
ボクもいつしか、おはよう!って返すようになった。
ピンと指先まで伸びた額の前の手が、
寝ぼけ眼のボクをシャキッとさせてくれる。
チョット変わってるな?って感じる。
興味がいつしか憧れに変化していく。
そして、その憧れが知らず知らずのうちに恋心へと。
会ったこともない人への淡い恋心、
それはまるで少年のようなときめきをボクに与えてくれた。
思わず、彼女のコメント欄に
「つきあってください」 と書き込んでいた。
「いいね」で軽くかわされてしまったけど。
彼女の敬礼した顔がアップされるのを心待ちにするようになった。
会えたらいいナー、と思っていた。
だけど彼女は遠くに住んでいて、いつも仕事で忙しそうに行動しているようだ。
とてもリアルに会えるようには思えなかった。
―――――――――――――――――――
その朝、珍しく彼女の敬礼姿に変わって一枚の風景写真がアップされていた。
福岡空港にいるよ、って。
「どこに行くんですか」 ってコメントした。
しばらくして、
「飛行機に乗るんじゃないですよ」 って返事が返ってきた。
じゃあ、今、福岡にいるんだァ、となにげに思った。
ボクもこの日、福岡で夜7時から開かれる会合に出る予定にしていた。
午後3時過ぎに出ればイイや、とのんびり構えていた。
彼女が今福岡にいる、と思うと
ボクの指は、あろうことか自然にキーボードをたたいていた。
「ボクも午後から福岡に行くんですよ。
良かったら、どこかで会いませんか?」
彼女が、ホントに福岡にいるのかも定かでないし、
いても、何時まで? ひょっとしてスケデュールいっぱい?
などと勝手な空想ばかりがボクの頭の中を駆け巡る。
忘れていたころにふとメッセージ欄に目が行く。
そこには何と彼女からの返事が。
「4時ごろに天神でいかがですか」 と。
一瞬、ボクは目を疑った。
4時? 天神?
「ハイ、行きますッ!!」 って、速攻で答えていた。
胸の高まりを抑えきれなかった。
時計の針は1時50分を指している。
すぐバスに乗れば4時に間に合う。
慌てて着替えを済ませ、2時16分の高速バスに飛び乗った。
「天神には何時に着きますか?」
運転手さんに聞いた。
「到着予定は16時です」
まるで、ボクのために天神まで行ってくれるかぼちゃの馬車に感じた。
立場が逆だが、そんなことはどうでもいい。
予期せぬチャンスがいきなりやってきたのだから。
こんなことがあるのだろうか。
本当にボクはこれから彼女に会おうとしているのだろうか。
まだ信じきれない気持ちを乗せて、秋風を切りながらバスは北へと突っ走った。
―――――――――――――――――――――――――――
それから2時間後、ボクは憧れの彼女とお茶をしていた。
彼女は、ボクの思い描いていた通りの女性(ひと)だった。
それから2時間たっぷり、いろんな話をした。
地下鉄の駅まで送ってきてくくれた彼女に
夕方のごった返する改札口の前で、人目も気にせずハグして別れた。
もちろん、再会を約束して。
(これは実話を元にしたフィクションです)
【追記】
関係ないけど、
この日、天神で出会ったベトナム雑貨を売る女性たち。
ホーチミンでもハノイでもない、福岡・天神です。
奇跡は起こすもの。
その奇跡が起きた!
何でもないことのようだが、ボクにとっては奇跡だった。
―――――――――――――――――――――――
ずっと憧れを抱いていた。
FB上でのお友達。
その人は、ときどき写真をアップする。
それが強烈な印象をボクに与えた。
ナント、いつもドアップで、
しかも、いつも敬礼のポーズ。
大きな瞳がカメラ目線で語りかけてくる。
おはよう!って。
ボクもいつしか、おはよう!って返すようになった。
ピンと指先まで伸びた額の前の手が、
寝ぼけ眼のボクをシャキッとさせてくれる。
チョット変わってるな?って感じる。
興味がいつしか憧れに変化していく。
そして、その憧れが知らず知らずのうちに恋心へと。
会ったこともない人への淡い恋心、
それはまるで少年のようなときめきをボクに与えてくれた。
思わず、彼女のコメント欄に
「つきあってください」 と書き込んでいた。
「いいね」で軽くかわされてしまったけど。
彼女の敬礼した顔がアップされるのを心待ちにするようになった。
会えたらいいナー、と思っていた。
だけど彼女は遠くに住んでいて、いつも仕事で忙しそうに行動しているようだ。
とてもリアルに会えるようには思えなかった。
―――――――――――――――――――
その朝、珍しく彼女の敬礼姿に変わって一枚の風景写真がアップされていた。
福岡空港にいるよ、って。
「どこに行くんですか」 ってコメントした。
しばらくして、
「飛行機に乗るんじゃないですよ」 って返事が返ってきた。
じゃあ、今、福岡にいるんだァ、となにげに思った。
ボクもこの日、福岡で夜7時から開かれる会合に出る予定にしていた。
午後3時過ぎに出ればイイや、とのんびり構えていた。
彼女が今福岡にいる、と思うと
ボクの指は、あろうことか自然にキーボードをたたいていた。
「ボクも午後から福岡に行くんですよ。
良かったら、どこかで会いませんか?」
彼女が、ホントに福岡にいるのかも定かでないし、
いても、何時まで? ひょっとしてスケデュールいっぱい?
などと勝手な空想ばかりがボクの頭の中を駆け巡る。
忘れていたころにふとメッセージ欄に目が行く。
そこには何と彼女からの返事が。
「4時ごろに天神でいかがですか」 と。
一瞬、ボクは目を疑った。
4時? 天神?
「ハイ、行きますッ!!」 って、速攻で答えていた。
胸の高まりを抑えきれなかった。
時計の針は1時50分を指している。
すぐバスに乗れば4時に間に合う。
慌てて着替えを済ませ、2時16分の高速バスに飛び乗った。
「天神には何時に着きますか?」
運転手さんに聞いた。
「到着予定は16時です」
まるで、ボクのために天神まで行ってくれるかぼちゃの馬車に感じた。
立場が逆だが、そんなことはどうでもいい。
予期せぬチャンスがいきなりやってきたのだから。
こんなことがあるのだろうか。
本当にボクはこれから彼女に会おうとしているのだろうか。
まだ信じきれない気持ちを乗せて、秋風を切りながらバスは北へと突っ走った。
―――――――――――――――――――――――――――
それから2時間後、ボクは憧れの彼女とお茶をしていた。
彼女は、ボクの思い描いていた通りの女性(ひと)だった。
それから2時間たっぷり、いろんな話をした。
地下鉄の駅まで送ってきてくくれた彼女に
夕方のごった返する改札口の前で、人目も気にせずハグして別れた。
もちろん、再会を約束して。
(これは実話を元にしたフィクションです)
【追記】
関係ないけど、
この日、天神で出会ったベトナム雑貨を売る女性たち。
ホーチミンでもハノイでもない、福岡・天神です。