Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE628. 幸せな時間

2013年05月22日 | field work
 そういえば、昨日のブログに書いた日沖さんの書物は、どこにいっただろうか。1990年代初頭、中古機材ブームの先駆けとなった書物だが、執筆内容は、調査研究という目的のためにプロ並みに撮るための撮影機材論であった。調査というのが前提にあるから、よく写り、安価で、軽くなければならないというポリシーで貫かれていた姿勢に好感がもてた。
 ミノルタCLE、レチナ、ヴィテッサ、ビトー、ツァイスそしてライツ、さらにはオリンパスやリコーといったブランドが再評価されていた。私ものミノルタCLEとアメリカの通販から取り寄せたレチナの組み合わせで、ライツ・エルマリート28mmとテレ・エルマリート90mmのオール中古システムで随分撮影した。実際にこのシステムは大変軽く、よく写り、使いやすかった記憶がある。その後私のミノルタCLEは、電子回路の故障でついに沈没したが、ライツ・レンズは今でもオリンパスペンで活躍している。
 日沖さんの数多くの提案の一つ、古い中判機材の代表格ローライフレックスは3万円代で売ってたし、これを標準レンズとして、リコーの一眼レフ・レンズを組み合わせるというシステムなどは意外性があり、なるほどなと思わせる合理性があった。実際ローライフレックスを使用すると、大変軽くて実用的であり、あのファィンダーを覗いてピントグラスに写る左右逆の画像が独特であり、撮影する感覚の面白さと楽しさとがあった。
 最初に日沖サンの本をよんだのが、会社の人間ドックを行っていた慶応大学付属病院の古い個室病棟であった。窓から心地よい風が入ってきた調度今頃の季節である。その後仕事も会社も都市開発の世界へと邁進して行く、季節でもあった。不思議なことに今でもあの個室病棟の情景は、覚えている。今思うと幸せな時間だったのかもしれない。

奈良県天理市 
OLYMPUS OM-D LEICA DG MACRO ELEMARIT45mmF2.8, ISO200,露出補正-0.3,f4.5,1/250.
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