デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

シベリア鉄道9300キロ

2010-08-25 23:01:14 | 買った本・読んだ本
書名 「シベリア鉄道9300キロ」
著者 蔵前仁一  出版社 旅行人 出版年 2010

先日57歳になった。所謂アラカンだ。若い頃夢見たことが、できるかどうか整理整頓しつつ、なにをすべきかということを真剣に考える年になったということだ。つい最近までそうした夢のひとつ日本海を見れるところから山を登り、日本を縦断、太平洋を見れるところに下りるということの実現を真剣に考えていた。体力的にもそれができるかどうかギリギリではないかと思ったのだが、やはり体力的な問題よりも、時間がとれんだろうということが段々見えてきた。そんな時この本の広告に出会った。そして思い出した。高校の頃五木寛之の「青年は荒野をめざす」を読んでから、酒を飲んでは(飲んではいけない年令ではあったが)自分の夢はシベリア鉄道に乗ってモスクワへ行くことだとわめいたことを。確かにモスクワには何度も行っている、ロシアの辺地にも行った。だがシベリア鉄道でロシアを横断するという夢は叶えていない。夢を実現してみようかという気になった。それで購入したのだが、写真は一杯あるし、地図もあるし、著者は旅の達人なのに、正直言ってシベリア鉄道でロシアを横断するという楽しみがまったく感じられなかった。ワクワク感がまったくないのだ。それは著者があとがきで書いているように、個人で旅行できないというソ連から引き継いでいる悪しき制限のせいなのだろう。事前にホテルを予約し、バウチャーがないと旅行できない、そんなことは旅の達人には許しがたいことだったろうと思う。それ故ロシアへの悪口が底流をなし、そのために食べたもの車窓から見たものだけのつまらない旅行記になっているのだと思う。人とのふれあいが感じられないのだ。きっと著者自体楽しくなかったのだと思う。
そんなことは正直自分にはどうでも言い話で、高校の頃の夢を実現するためにこの本がブレーキとなったかというと、そうでもない。シベリア鉄道に乗って車窓を見て、駅で買ったものを食べて、街をちょっと歩いて感想を書き留めるこの旅行記は、いまのロシアで許されている状況の限界内。ただ自分だったらこれを突き破る旅ができるような気がした。一ヶ月あればできるかな、シベリアは津太夫、善六も、澤田豊も、ヤマダサーカス団も、玉井喜作も横断したところ、もちろんその頃には鉄道はなかった、でもこんな先達者を追って、鉄道に乗るだけだけではなく、寄り道しながら、シベリアを横断するっていうのはどうだろう。シベリア鉄道を寄り道する旅、それがアラカンの自分の夢かな。旅はいつでもフレックシブル、いつまでもフラフラしながらあやふやな目的地というか次の出発地へ行きたい。それがシベリア鉄道の旅に賭けた自分の夢だったような気がす<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=000000&IS2=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=deracinetuush-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=494770263X" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
る。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ルナレガーロ | トップ | 出張前夜 »

コメントを投稿

買った本・読んだ本」カテゴリの最新記事

カレンダー

2024年10月
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

バックナンバー