書名 石原莞爾試論
著者 平岡正明 出版社 白川書院 出版年 1977
平岡さんの著作としては異色の部類に入るかもしれない。妙に緊張感が漂う。それはのんびり満洲国をプランニングした石原莞爾を論じようというのとはほど遠い。過去ではなくこの本が書かれたときの時代と同列にして迫っている。そこから漂う緊迫感といえるかもしれない。雑誌でこれを書いているときに、平岡さん自身が東アジア反日帝武装戦線、アラブ赤軍に関連して家宅捜査されたということも関連しているだろう。いわいる左翼が70年代闘争で敗退する中、赤軍や狼といった極左が最後の闘いをしていたとき、満洲をでっちあげた石原を思想家としてではなく、軍人として戦略家としてとらえたところ、これがこの本の全てだと思う。
この視点から石原莞爾を見ていくというのは、船戸与一の「満州国演義」の背景として頻繁に出てくる石原莞爾を見る視線と重なり合ってくる。
石原莞爾への非常にユニークな、そして示唆に富んだ書といえる。
著者 平岡正明 出版社 白川書院 出版年 1977
平岡さんの著作としては異色の部類に入るかもしれない。妙に緊張感が漂う。それはのんびり満洲国をプランニングした石原莞爾を論じようというのとはほど遠い。過去ではなくこの本が書かれたときの時代と同列にして迫っている。そこから漂う緊迫感といえるかもしれない。雑誌でこれを書いているときに、平岡さん自身が東アジア反日帝武装戦線、アラブ赤軍に関連して家宅捜査されたということも関連しているだろう。いわいる左翼が70年代闘争で敗退する中、赤軍や狼といった極左が最後の闘いをしていたとき、満洲をでっちあげた石原を思想家としてではなく、軍人として戦略家としてとらえたところ、これがこの本の全てだと思う。
この視点から石原莞爾を見ていくというのは、船戸与一の「満州国演義」の背景として頻繁に出てくる石原莞爾を見る視線と重なり合ってくる。
石原莞爾への非常にユニークな、そして示唆に富んだ書といえる。
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