書名 「ごはんの時間-井上ひさしがいた風景」
著者 井上都 出版社 新潮社 出版年 2016
都さんは井上さんの長女で、こまつ座の代表をしていた。井上さんといざこざがあり、そのため劇団を追われ、結局和解することなく井上さんは亡くなった。きっと父である井上さんに言いたいことはたくさんあるだろう、母であり前妻であった人が書いたように井上さんのDVまがいの私生活を暴露したように、書こうと思えば書けたはずだ。しかしこの書に出てくる井上さんは、娘の目を通して、時には優しく、時には厳しくもあるが、父親として立ち現れる。もしかしたら都さんはまだ井上さんが、「父と暮らせば」の父親のような存在としてあるのかもしれない。日常生活の根幹となるごはんという中にほのかに井上さんが現れてくるからであろう。
父のDNAを受け継いでいるのだろう、短文のなかに巧みに情景と心情を描いて見せる。
何度か落涙しかけた。すべて亡くなった都さんのご主人に関して書かれたところだった。知らない仲ではなかったということもあるかもしれない。ニッと笑う姿が何度となく目に浮かんできた。きっといつも井上さんと同じように近くにいるのだろう。
著者 井上都 出版社 新潮社 出版年 2016
都さんは井上さんの長女で、こまつ座の代表をしていた。井上さんといざこざがあり、そのため劇団を追われ、結局和解することなく井上さんは亡くなった。きっと父である井上さんに言いたいことはたくさんあるだろう、母であり前妻であった人が書いたように井上さんのDVまがいの私生活を暴露したように、書こうと思えば書けたはずだ。しかしこの書に出てくる井上さんは、娘の目を通して、時には優しく、時には厳しくもあるが、父親として立ち現れる。もしかしたら都さんはまだ井上さんが、「父と暮らせば」の父親のような存在としてあるのかもしれない。日常生活の根幹となるごはんという中にほのかに井上さんが現れてくるからであろう。
父のDNAを受け継いでいるのだろう、短文のなかに巧みに情景と心情を描いて見せる。
何度か落涙しかけた。すべて亡くなった都さんのご主人に関して書かれたところだった。知らない仲ではなかったということもあるかもしれない。ニッと笑う姿が何度となく目に浮かんできた。きっといつも井上さんと同じように近くにいるのだろう。