デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

手妻の話

2009-10-23 22:46:35 | 買った本・読んだ本
書名 「手妻のはなし-失われた日本の奇術」
著者 藤山新太郎      出版社 新潮社(新潮選書)  出版年 2009年

日本の手妻を現代に伝える巨匠といってもいいだろう、藤山新太郎による手妻の話である。手妻のルーツとなった中国散楽の流れを組む、幻術の話から説き起こす、その本格的なアプローチの姿勢が、いかにも藤山さんらしいなあと思う。手妻を江戸の古文書を頼りに復活させたそのひたむきな探究心が本書の随所に現れている。その歴史を追うなかでもやはり現役でバリバリに舞台でマジックを演じているだけに、文書に出てこないところを、その実践者の目で埋めていくところが、実にスリリングであった。後半は江戸後期見事に開花する江戸手妻のなかでも、藤山の十八番である浮かれ蝶と水芸に焦点をあて、丹念に芸の変化、さらにその芸をつくりふくらませていった芸人の足跡を追っていくわけだが、ここに本書が単なるマジックの概説書に終わらず、芸の神髄までにも迫ることにもなった。演技者としての藤山の魂がこめられている。特に蝶の名手柳川一蝶斎、さらにはその芸を引き継いだ弟子たちの話は圧巻であった。「浮かれ蝶」の蝶が、一匹だけではなく、二匹にしたその柳川一蝶斎の発見に対して、「これは手妻の歴史の中の最大発明の一つである」と書く。藤山流「浮かれ蝶」を完成させた藤山でなければ、ここまでは書かないだろう。一度藤山本人から、蝶の芸をどうしたいいのか思い悩み、営業の大事な仕事を忘れてしまうぐらい没頭し、悩みに悩んだ時、蝶を死なせればいいんだと思いつき、そこからこの芸が藤山のものとなり、奥行きをつくりあげることになったという話を聞いたことがある。ただ伝統を受け継ぐだけでなく、自分の芸としてつくりあげるときその芸は輝きを見せる。そんな自分のたどった道が、一蝶斎の発見へのこのコメントへとつながったと思う。
開国後海外にいち早く飛び出した芸人たちの足跡(特に柳川一蝶斎の弟子たち)をたどった最後の方の章も興味深く読めた。
最後に文献リストがあるとありがたかったのだが・・・
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明後日は昼下がり

2009-10-23 11:54:10 | お仕事日誌
今日は明後日ある昼下がりの打合せの日。10時に集まって打合せ。前回は打合せができずにぶっつけ本番だったが、やはりこうした打合せは必要。それぞれの出し物の内容を説明してもらい、順番を決めていく。タイトルのわかっている人は、タイトルも。1時間ほどで打合せは終わり、そのまま会社へ。さっき決まったことを簡単な進行表にしてオンエアーにメールで送る。来年の春の企画の件で、提案できる映像をクライアントさんに送付。ヤクーツクから招待状が添付されたメールが来る。オリジナルが必要だよと返事しておく。モスクワからなかなか返事が来ない。
あるテレビ番組で沢田豊のことを紹介することになった。オンエアーが来月13日だというから、これからいろいろバタバタするかもしれない。
西田さんの新しい本のチラシが出来上がってくる。西田さんの本は久しぶり。みんなに宣伝しないと・・・・
18時すぎに退社。

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