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英文讀解自修室

  - in the historical Japanese kana/kanji orthography

・關係詞の讀み方 (8) ふたつの用法

2012-07-04 | 英文法ミニ解説

627日(水)からのつづき】

9  identifying and non-identifying relative clauses

  關係詞の二種類の用法である「限定用法」と「非限定用法」(※後者については拙稿では「繼續用法」といふ呼稱を用ゐてきました)について概説します。ともに名詞(先行詞)について情報・説明を加へる文構造を持つてゐますが、少々の違ひがあります。

 

  第一は「限定用法」です。「制限(的)用法」とも呼ばれ、英語では identifying / defining / restrictive といつた用語を冠して用ゐられることがあります。

  これは不特定である名詞(先行詞)を修飾限定し、特定のものとして示して識別させ、對象をより鮮明に相手に傳へる働きをするものです。例へば、假に

  *People live longer.

  と述べたとすると、 people は不特定で、文意がよく傳はつてきません。しかし、

  9.1  People who take physical exercise live longer.

  とつければ、下線部が people を修飾し、people が「運動をする人々」に限定され、一層長生きするのがどんな人々であるか、が鮮明に傳はつてきます。

 

  第二は「繼續用法」です。これも呼稱がさまざまで、「非限定用法」「非制限用法」「連續用法」「追敍用法」など。英語では non-identifying / non-defining / non-restrictive / continuative といつた用語を冠して用ゐられることがあります。(※呼稱は氣にせず、ふたつの用法があると承知しておけば良いのです)

  「繼續用法」は名詞(先行詞)を修飾限定するものではなく、すでに識別されてゐるものについての情報・説明を追加するものです。例へば、

   9.2  This is Ms. Rogers, who’s joining the firm next week.

  と言へば、當人を紹介する際に「Rogers さんです」と名前を教へ、次いで「來週から當社で働く豫定です」と追加の情報を傳へてゐます。

  この「情報・説明を追加する」といふのが第二の用法なのですが、記す場合にはコンマを打ち、話す場合には關係詞の前に「間(ま)」を置きます。

  「繼續用法」がある關係詞は、who (/ whose / whom) / which / where / when です。

  which の繼續用法には、主文の全部または一部を先行詞とする用法があります。

  9.3  I tried to answer the question, which I found quite difficult.  (私はその質問に答へようとしたが、とてもむつかしいことがわかつた)  ※この場合、先行詞は to answer the question といふことになるでせう。

 

  第一の用法と第二の用法で、意味が變はつてくることがあります。例へば、

  9.4  That company hires only Japanese whose diligence has been well-established. (あの會社は、勤勉であることが十分確認されてゐる日本人のみ雇ふ) 

9.4 では、さうでない日本人は雇はないことになります。

  9.5  That company hires only Japanese, whose diligence has been well-established. (その會社は日本人しか雇はない、日本人が勤勉であることは十分に確認されてゐるのだ) 

9.5 では、「日本人」について説明を追加してゐるだけで、(雇ふのは)どんな日本人かといふ限定・修飾はしてゐません。

 

[用例研究]  who  疑問詞  關係代名詞

 

  (BLONDIE  By Dean Young & Stan Drake)

 

1  Look at this … bills … circulars …resident …

  ・resident: これはよくわかりませんでした。教へていただけると幸ひです。(※resident citizens 對象の「税金」ではないかと見當をつけてみましたが、確信は持てません。あるひは resident company 由來で「生命保險」の可能性もあるでせうか?)

  「これ見てくれよ … 請求書 … 廣告(ちらし)… 税金(?)…」

 

2  I wish I got some personal mail now and then … nice, newsy, funny letters from friends …

  ・got は假定法過去です。事實としては「私信が來ない」のです。

  ・now and then: ときどき/ 折々

  ・newsy: 發音注意 [njú:zi]

  「時には私信が屆けばなあと思ふよ…友達からの、樂しく、話題豐富で、愉快な手紙がね…」

 

3  Who all did you write to who hasn’t replied?

  ・文頭の who は疑問詞、後の who は關係代名詞です。直後にあれば關係代名詞 that が使はれることが多いのでせうが、離れてゐるため who を使つてゐます。先行詞は疑問詞 who です。

  疑問詞が目的格であり、日本語には置き換へにくいやうです。意味の把握は、英語の流れのままに頭に入れるはうが容易かもしれません。まづは Who all did you write to? 「誰に手紙を書いたの?」と問ひ、次いで 疑問詞 who に對して who hasn’t replied 「返事をまだ寄越してない(誰に…?)」といふ限定が爲されるわけです。結局は、「誰に手紙を出し、そのうちで返事を寄越してないのは誰か?」と訊ねてゐるのと同じやうな意味になるでせう。

  「どの人たちに手紙を書いて、返事をまだもらつてないの?」

 

4  Me?  Write?

  「ぼくが?手紙を書くつて?」

 

【ユーモア】

・「蟲がいい」といふわけでせう。

 

【この項 711日(水)へつづく】

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