英文讀解自修室

  - in the historical Japanese kana/kanji orthography

・40 宮崎大學 2013 (3) 2パラ

2014-04-04 | 出題英文讀解

[A]  When you love something, you have the capacity to bore everyone about why ―― it doesn’t matter why.  Wrestling, like boxing, is a weight-class sport; you get to bump into people your own size.  You can bump into them very hard, but where you land is reasonably soft.  And there are civilized aspects to the sport’s combativeness: I’ve always admired the rule that holds you responsible, if you lift your opponent off the mat, for your opponent’s “safe return.”  But the best answer to why I love wrestling is that it was the very first thing I was any good at.  And what limited success I had in the sport I owe completely to my first coach, Ted Seabrooke.

 

【設問】

2.  段落[A]には、筆者がレスリング競技を好む理由が書かれている。ここで理由として書かれているものを選択肢(a)~(h)から三つ選びなさい。

(a) 肉体を鍛えることができるから。

(b) 自分にとって初めて特技といえるものだったから。

(c) 攻撃中も相手の安全に配慮する、というルールが洗練されていると思うから。

(d) 反射神経が磨かれるから。

(e) 自分と同じくらいの大きさの相手と対戦すれば良いから。

(f) 自分よりも身体の大きな相手と対戦する楽しみがあるから。

(g) ほかの苦手なスポーツも得意になったから。

(h) 集中力を養うことができるから。

 

 

2.1  When you love something, you have the capacity to bore everyone about why ―― it doesn’t matter why.

 

[意味把握チェック]  2.1 何かがとても好きなときには、好きな理由(/どうして好きか)について皆をうんざりさせることができる――(つまり)好きな理由(/どうして好きか)はどうでもいいのだ。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・省略: why のあとに主語、動詞などが省略されてゐると考へると良いでせう。例へば (why) you love it といつた節を補つてみるなど。(※why は名詞化してをり、「理由」「原因」などの意味で使ふこともあります)

preparatory it(形式主語): 眞主語は why (you love it) と考へると良いでせう。

 

2.2  Wrestling, like boxing, is a weight-class sport; you get to bump into people your own size.

 

[意味把握チェック]  2.2 レスリングは、ボクシング同樣、體重制のスポーツであり、自分と同じ體格の人々にぶつかつてゆくことになる(/ことができる)。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・〈getto-不定詞(~)〉:「~する機會がある」「~することができる」「徐々に~するやうになる」

 

2.3  You can bump into them very hard, but where you land is reasonably soft.

 

[意味把握チェック]  2.3 相手選手にひどくぶつかることもできるが、落ちるところはかなり柔い。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

where (關係副詞/接續詞): 「~する場所」。關係副詞の先行詞が省略されたものと考へると解しやすいでせう。接續詞として關係代名詞的に用ゐられる、とする辭書もあります。

 

2.4  And there are civilized aspects to the sport’s combativeness: I’ve always admired the rule that holds you responsible, if you lift your opponent off the mat, for your opponent’s “safe return.”

 

[意味把握チェック]  2.4 そしてレスリングの鬪ひには洗煉された面があり、選手が竸技相手を抱へ上げてマットから離したら「安全に戻」す責任が維持されるルールを私は常に稱揚してきた。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・第五文型(SVOC): 動詞が hold ですから「OがCである状態を保つ」、つまり選手が responsible である状態を維持するルールだといふことになります。

・總稱人稱(you): 「不特定一般の人々」を指してゐます。

 

2.5  But the best answer to why I love wrestling is that it was the very first thing I was any good at.

 

[意味把握チェック]  2.5 しかし、どうしてレスリングが好きかといふ疑問への最も適切な答は、(程度はどうあれ)自分が得意であつた全くの最初のものだつたといふことである。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・強調: very を置いて the first thing の意味を強調してゐます。

 

2.6  And what limited success I had in the sport I owe completely to my first coach, Ted Seabrooke.

 

[意味把握チェック] 2.6 さうしてレスリングでのささやかな成功のすべては完全に最初のコーチ Ted Seabrookeのおかげである。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

what: 關係代名詞 what を形容詞的に用ゐると what ~で「~はすべて」の意味になることがあります。さらに limited が置かれてゐますから「限られてはゐるが全ての成功は」と解します。ここでは謙遜の乃至はやや自嘲的な響きが感じられますから「ささやかな成功」としてみました。この limited については次の例文が參考になるでせう。

[例文]

He sent his mother what little money he had saved.

(彼は貯へたお金は少ないながらも全部母親に送つた)

 

[語句]

 2.6 coach  [koutʃ]

 

【設問】

2.  段落[A]には、筆者がレスリング競技を好む理由が書かれている。ここで理由として書かれているものを選択肢(a)~(h)から三つ選びなさい。

(a) 肉体を鍛えることができるから。

(b) 自分にとって初めて特技といえるものだったから。

(c) 攻撃中も相手の安全に配慮する、というルールが洗練されていると思うから。

(d) 反射神経が磨かれるから。

(e) 自分と同じくらいの大きさの相手と対戦すれば良いから。

(f) 自分よりも身体の大きな相手と対戦する楽しみがあるから。

(g) ほかの苦手なスポーツも得意になったから。

(h) 集中力を養うことができるから。

【解答】 ※2.1でレスリングが好きな理由を述べることを示唆して、このパラグラフで理由を展開してゐます。

(b)  2.5 の内容に合致します。

(c)  2.4 の内容に合致します。

(e)  2.2 の内容に合致します。