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今年もやってるやってる~

あの試合から30年(WBCウェルター級:1994年4月9日)

2024年04月09日 05時37分36秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の今日にあたる1994年4月9日、米国バージニア州で行われた試合結果です。
WBCウェルター級戦:
王者パーネル ウィテカー(米)判定3対0(119-109x2、118-111)挑戦者サントス カルドナ(プエルトリコ)

*この試合が行われた前年の9月、当時無敵を誇っていたフリオ セサール チャベス(チャベス)を捌き切り、勝利を手に入れたかに見えたウィテカー。しかし出された判定は無常にも、引き分けでウィテカーに勝利の女神は微笑んでくれませんでした。それでもウィテカーが伝説のメキシカンに、88戦目にして初めて白星以外の結果を付けたという事実には変わりません。

その偉業から7ヵ月。ウィテカーは29勝(19KO)3敗の指名挑戦者カルドナを迎え、保持していた王座の2度目の防衛戦を行うことになりました。カルドナはこのウィテカー戦後、ウェルター級とスーパーウェルター級で4度もWBO王座に挑戦した選手。まだまだマイナー団体として扱われていたWBOでしたが、それでも準世界王座戦にたびたび登場する、それなりの戦力を備えた選手です。

(ウィテカーの軍門に下ったカルドナ)/ Photo: BoxRec

ウィテカーが地元バージニア州のリングに立つのは、1992年師走以来となり、世界戦に限ってみると、1991年7月以来となります。故郷に錦を飾ったウィテカーは、地元のファンの期待に応えるように、快調にカルドナを捌いていきます。

ウィテカーは、高速と言っていいほどのスピードはありません。しかしカルドナとのスピードの差は歴然。また常に前進するのはカルドナなのですが、その攻撃が功を奏することはなく、王者の技術の前に翻弄されていきます。カルドナが手を休めるとウィテカーの右ジャブがビシバシと面白いようにヒットしていき、ポイントは回を重ねるごとに広がっていくばかり。結局はウィテカーが完封劇に近い内容で勝利。その技巧が超一級品であることを改めて証明しています。

(カルドナに右ジャブをビシバシと当てていくウィテカー)/ Photo: The Spokesman-Review

チャベスとの事実上の最強選手決定戦を制したウィテカーですが、残念なことに1994年時点では彼に対抗できる選手は他団体を見ても存在せず。格下選手との防衛戦か、さらなる階級アップというオプションしか残っていませんでした。

驚かされるのはウィテカーの軍門に下ったチャベスです。ウィテカーと引き分けたのが9月10日で、翌月10月30日には早くもノンタイトル戦に出場(4回TKO勝利)。12月18日にWBCスーパーライト級王座の防衛戦(5回TKO勝利)を行い、1月29日にフランキー ランドール(米)に敗れ、そのキャリアに初の黒星を付けてしまいました。そしてそのランドールとの再戦が、5月に予定されていました。負けても戦い続けたチャベス。敗れたとはいえ戦い続けた偉大なる選手でした。

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