キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

帰りなん、いざ

2007年05月26日 | Weblog
昨日は奈良におりました。終日雨でしっとりとした古都も格別の風情、時間の重なりが織り成す魅力を余すところ無く感じてまいりました。今日の湘南は典型的な初夏の爽やかな朝、昼にはだいぶ温度が上がり夏の陽気になると思われます。湘南は明るいですね、平板さが明るさにも繋がっているのかも知れません。

先週はアナケナを連れて神戸大阪名古屋、先々週は札幌と旅が続いて余り読書が出来なかったですね。旅の途上の交通機関の中は読書に格好なのですが、旅先での親しい客先との会食でついつい酒量が増え睡眠が減る傾向が強く、瞼を閉じている事の方が多かったですね。旅に出るときは何時も一二冊本を鞄に放り込んでおくのですが、その選択はかなり厳しく、絶対に読むものに限られます。読みもしない重い荷物を持ち歩く愚は避けたいですからね。さて今回名古屋奈良へ持っていった本は、志水辰夫「帰りなん、いざ」です。先日ある女性から指摘されたのですが、「あなたは何かやりだすとずーとそればっかりだからね、ここのところのモヒートしかり、かつてのルアーフィッシングしかり、冬に河豚を食い始めたら何時も河豚、春に鯛を食い始めたら何時も鯛」まさにおっしゃられる通り、ここのところ本はずーっとシミタツです。

1990年4月2日に講談社から発売された初版本です。巻頭に著者の新宿高層ビルの前で撮った写真が載っています。広島の取引先のKさんにそっくりだなあと何時も思いながらページをめくります。アルコール業者として酒が出てくる場面で見てゆくと、ハードボイルドらしくワイルドターキーが最初から出てきて要所要所で登場し、ラストシーンの乾杯もこれです。今回登場する美女は名前を紀美子という上物なんですが、主人公がこの女性と食事をする場面では、ステーキを食いながらテーブルワインの赤を、中華では老白汾酒を飲んでおります。かつて中学時代の不良仲間で腐れ縁の男とは、スペイン料理店でハモンセラーノをつまみながらティオペペを、仕上げにカルロスプリメロを飲んでいます。バブルが終わろうとしていたこの時期、多彩な酒が出てきています。

お恥ずかしい話ですが、昨夜遅くから「冬の巡礼」を読んでおります。もちろん個人的な楽しみではなく、登場するアルコールの調査のためです。誰の本かって、だからお恥ずかしい話ですといってるじゃあないですか、それでもあえてお聞きになる、そいつぁ無粋ってもんですぜ。
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