キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

初鰹に思う

2009年05月15日 | Weblog
重金敦之さんの「美味は別腹」5月の項を読んでおりますと、鰹の話が出てまいります。関東ではこの時期に相模湾に鰹が入ってきますので、初鰹としてさっぱりとした鉄の風味が珍重されます。マグロの赤身も鉄の風味ですから、関東人は余程鉄が好きなんですね。

岩本素堂に“目には青葉 山郭公 初松魚”という有名な句があり、本書で紹介されておりますが、目には青葉とわざわざ字余りにしているところ、青葉、郭公、松魚と季重なりを嫌う俳句の世界で、季語が三つ重なっているところが普通でないとの指摘の後、視覚、聴覚、味覚の三つの感覚に訴えたところが五月の季節の印象を強くし、優れた点と指摘されております。

ここから直ぐにシャンパーニュの人気の秘訣が了解され、日本でのビールの人気も三つの感覚に訴えるところにあることは明白ですし、かつて人気の高かったウイスキーの水割りあるいはオンザロックも同源であったのかも知れず、今後ワインでヒットを飛ばすならこの三つの感覚に訴えるものを考えれば良いことになります。

永年夏になるとロックワインのキャンペーンをやってきたわけですが、一向に報われないのはどうしたわけでしょう。


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