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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

勝負の別れ目

2016年01月25日 14時05分15秒 | えいこう語る

 

勝つ流れというものがある。例えば昨日の大相撲だ。琴奨菊が勝てば、10年ぶりの日本人優勝だ。国技と言われる大相撲が、モンゴル勢に国技という言葉さえも奪われてしまった感じのこの頃だ。国技館の雰囲気は、琴奨菊の優勝一色に染まる。対戦するのは、大関・豪栄道だ。負け越しの決まった豪栄道だが、大関の意地がある。変わり身の自在な豪栄道、まっすぐ立ち会う琴奨菊には勝てる要素はある。

だが変わり身を絶対許さないというのが、昨日の国技館の雰囲気だ。こうなれば勝負前に、勢いのある琴奨菊に軍配は上がったも同然だ。狭い民族意識で考えると、よそ者のモンゴル勢に、大きな顔をさせてはならないという、日本人の潜在意識が、琴奨菊の優勝を支えたという感じだ。つまり、勝つ雰囲気をつくり出すという心理作戦も、勝つための重要な要素なのだ。

普天間から辺野古基地移設が注目される、宜野湾市長選挙。政府が支援する現職の知事が当選し、知事が支援した辺野古基地反対を掲げる候補が落選した。辺野古基地移転については、県知事が反対しそれを県民の多くが支援しているというのが現状だ。それなら、反対派が勝てると思うが、宜野湾市民は、普天間の移設を訴える現職を選んだ。この勝負の別れ目は、どこでついたのだろうか。宜野湾市民だって、先の大戦の記憶の中で、自分の土地から米軍基地が移設され、それが県内の他の土地に移設されることなど、望んでいないだろう。

だが、米軍基地が沖縄から全て撤去されるのは、実現不可能だと考えているのではないだろうか。なぜなら、戦後70年経っても米軍は居座るし、日米の軍事協定が強固された「安保関連法案」も制定されたからだ。そうなれば地域振興のために、政府が支援する現職を当選させたほうが、無難な選択だと考えたに違いない。大衆というのは「理想より現実」を注視するものだ。生きるということは、現実が安定し、その上で理想を追求すると考えるのが、妥当な考えだろう。

勝負の潮目ができたのは、現職が「普天間基地の固定化は絶対許さない」と一貫して訴えたことだ。宜野湾市民はその言葉を支持すれば、県民と気持ちを共有できると考えたに違いない。現職を引き下ろせば、普天間は固定化してしまうのだ。辺野古基地の問題はさておき、普天間の固定化を避ける戦いに、争点が向けられたので、現職の勝利となったに違いない。

だが宜野湾市民は、辺野古に基地を押し付けたわけではないはずだ。だが、アベ政権は普天間移設イコール、辺野古建設が支持されたと勝手に解釈するに違いない。普天間の危険は回避され、危険が軽減される辺野古に移設することを、宜野湾市民が支持したと考えるだろう。憲法と同じで、アベ総理の解釈はどこまでも、ひとりよがりなのだ。沖縄県民は国防という名の下に、命をすり減らすことが義務付けられた国民なのだろうか。沖縄という言葉意味だが、人を傷つけたら眠れないというという、戦いを好まぬ民族だったという。その「沖」にある島を、国防の基地にするために「縄」で引っ張り、我が国の領土にしたのではないかと、ふと考えさせられた宜野湾市長選挙だ。

さて、次の重要な戦いは、北海道5区(札幌)の衆院選補選だ。自民党の重鎮町村信孝議員の死去に伴い、娘婿の和田氏が自公の支援を受けて立候補だ。それに、アベ総理から頼まれたムネオさんが応援する。ムネオさんの長女、貴子氏は民主党の衆議院議員だ。ムネオさんは自分の果たせぬ夢を長女に実現させるため、大きな勝負に出たものだ。流れが和田氏有利に変わってきた感じもする。対する民主党は、なかなか気っ風の良い女性候補の池田氏を対抗させている。民主は「安保関連法案廃止」と「原発再稼働反対」をスローガンにするようだ。

だが、市民の反応はどうだろうか。敵が攻めてきた時の現実的な対応を定めた「安保関連法案」だと宣伝されれば、それは不必要なことではないと思わないだろうか。原発は、いずれは廃止する方向にするが、今、安定電力の供給のためには、現行の3基ぐらいの泊原発は、残しておいたほうが電力料金も安くなるので、いいのではないかと考えるかもしれない。大地も広いが心も広い札幌市民なら、頷きそうな気がしてならない。

さらに、新幹線の札幌までの早期延伸をアベ総理が確約する。そして、ムネオさんが、札幌冬季五輪、宇宙ロケット基地構想と空港民営化による「新北海道観光構想」を大声で吠えるという作戦だ。なんだか、勝負の潮目が和田氏の方に向かうのではないかと懸念される。民主党は、そこの微妙な市民の心理を見逃さないでほしいものだ。この補選で次期知事選の「勝負の別れ目」ができそうな気がするからだ。

もし、この補選で政府支持者が当選すれば、次期知事選は「不戦勝」とも言うべき、自民党の勝ちが約束されるに違いない。今の北海道民主党に欠けているのは「闘争心」だと思う。4回連続、はるみ知事に優勝をさらわれている民主党。大関の角番を5回もクリアーした琴奨菊にあやかり、ぜひこの補選に勝利し、知事選での優勝をめざしてほしいものだというだらだらした長い夢が、昨日の夢だった。起床したのが7時をとっくに過ぎていた。琴奨菊の優勝の美酒を飲み過ぎたせいに違いない。