▼箱館が開港したのは1859年だ。米国が中国貿易に伴うアジアへの関心から、通商、漂流民の救助・保護、避難港の確保と、石炭、薪、水を補給するためだ。156年後の昨年、TPPが締結され、安保関連法案が成立した。日本と函館は、開港時と似た状態が再びやってきたのではないだろうか。ペリー艦隊がやって来て、五稜郭が建設され箱館戦争へと進み、明治維新へと大きく北海道が変化した。今年は、新幹線が北海道の新たな開拓にやってくる。その後の北海道はどんな変貌を見せるのだろうか。
▼新幹線到来で喜びにわく北海道。今年の函館にはそれ以上の驚きがやってくるに違いない。先日、泊原発の地震動審査が原子力規制委員会の新基準をクリアーした。泊原発再稼働は17年にもという目標も設定された。昨年末にもと言われていた、大間原発の新規準の審査が延長されている。たぶん新幹線開業後の盛り上がりムードに乗じて、今年合格発表がされるに違いない。廃棄とされていた高速増殖炉もんじゅも、再稼働に向け検討されているというから、大間原発建設は辺野古基地建設と同様、国の最重要政策なのだ。
▼我が国にとっても函館にとっても、今年はペリー来航以来の大変革の年になりそうなのではないかというところで、今年の初夢が覚めた。今年の大晦日のテレビは、格闘技のオンパレードで、国民の闘争心を刺激したようだ。新たな日米軍事同盟の強化により、タッグを組んでの世界制覇を目指しているような、そんなきな臭さも漂う今年だ。
▼夏の参議院選挙に向け、品性の欠片もない政治(特に沖縄県への非民主的対応)の小日本帝国。さらに、品性の欠片もない大統領選を、世界になりふり構わずさらけだす大米帝国。「大男総身に知恵はまわりかね。小男の身にまわる知恵はしれたもの」そんな皮肉な言葉も思い出すこの頃だ。
▼戦争なんか起こるはずがない」とアベ総理は大見得を切るが、戦争は相手が仕掛けたと思わせて自分から仕掛けるというのが、戦争の常道だからだ。歴史は一瞬に地獄と変わる可能性がある。変わらせない国民の武器が「民主主義」なのだ。デモクラシーの本来の意味は「国民の権力」という意味だ。「国家の権力」ということではない。「デモをやってクラシ(暮らし)を守る」。そんことが、日本各地で起きそうな今年だと占ってもみた、小雨降る正月2日の朝だ。