鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその2029~箱根駅伝2

2022-01-07 12:23:49 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、箱根駅伝2です。
生島 淳著「箱根駅伝 ナイン・ストーリーズ」
箱根駅伝の前に読むつもりで購入しましたが、順番が逆になってしまいました。
本は年末に届いたのですが、前後して娘が赤ん坊を連れて泊まりに来たためバタバタして、とても読む時間がありませんでした。
また年末から年始にかけて毎日のように除雪をしなくてはならず、結局駅伝のスタートまでに家に戻れませんでした。
とりあえず3区の途中から10区まで観ることができたので良しとしましょう。
終わってみると青山学院の圧勝。
他を寄せ付けない圧倒的な強さでした。
ライバル駒大は、8区鈴木芽吹君が実力を出すことができればもう少し面白い展開になったでしょうが、故障が癒えて11月に合流したばかりだったそうで、無理がきかなかったようです。
本人が一番悔しかったと思いますが、まだ2年生、来年に期待します。
また応援していた早稲田がシード落ちしたのも残念でした。
さて本書の内容紹介をあらためて引用します。
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「箱根」だけは、泣けてしまう
どうして箱根駅伝は泣けてしまうのだろう。
2015年、青山学院大学初優勝から駒沢、東洋、明治、早稲田…
奇跡と真実のストーリー。
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9つのストーリーはそれぞれ関連していたりしていなかったりしますが、どれも興味深かったです。
中でも青山学院 原監督のストーリーは読みごたえがありました。
中国電力の実業団チームで実力を出せない内に故障して引退、一社員となります。
本社から子会社勤務に変わりますが、今も毎年駅伝で掲げている「〇〇大作戦」というキャッチフレーズをつけて営業に邁進し、素晴らしい成績を上げます。
本社の新事業立ち上げにも参加して成功させるなど、見事な活躍をみせます。
広島に家を建ててこれからというときに青山学院の駅伝監督の声がかかります。
大学をPRするのには視聴率の高い駅伝に注力することが一番ということで、青山学院が予算をつけたのです。
ただし駅伝監督は結果が全て。
わずか数年で契約解除になる場合もあります。
陸上競技に対する熱い思いがあったからこそ踏み切れたのでしょう。
東洋の酒井監督のストーリーもなかなかでした。
高校で陸上部の監督をしているときに、後に山の神となる柏原が訪ねてきます。
まだ中学生でしたが、東洋大の陸上部に入るにはどういう成績を出せば良いか、という相談でした。
酒井先生は具体的なタイムを示し、柏原は見事達成、目的を果たします。
そして1年生から山の神として名を馳せます。
遅れて酒井先生に東洋大駅伝監督の声がかかります。
不祥事があったため急遽の抜擢であり、奇跡のような柏原との再会でした。
監督だけでなく、大迫傑や神野大地などの有名選手も登場します。
本書は2015年に発行されていますが、あまり古さを感じません。
箱根駅伝ファンの多くはすでに読んだかもしれませんが、まだの方はぜひどうぞ。

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お気に入りその2028~サクラ図譜

2022-01-05 12:50:59 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、サクラ図譜です。

科学的に正確でかつ芸術として美しい博物画が好きで、これまで何冊も入手しては鑑賞してきました。
本書もそういう一冊。
これまで高価で入手を躊躇していましたが、年末ジャンボで1万円が当たったことと、ヤフオクで本書が1万円ちょっとで出品されていたことで見事にタイミングが合い、入手することができました。

クロネコさんから本日届くとメールが届き、ワクワクが止まりません。
牧野富太郎さんが認めた植物画家の腕前、素晴らしいのでしょうね。
復習がてらに事前に目を通した情報を自分への記録として引用、掲載します。

出版社の内容紹介を引用します。
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牧野富太郎博士に師事した植物画家として知られるサクラ研究家・川崎哲也(1929-2002)。
未発表の画作全89点を世界で活躍する植物分類学者が学術的に解説。
日本最大のサクラ保存林(旧多摩森林総研)のコレクションレコードともなる正確緻密な彩色画と解剖図解(サイエンティフィック・イラストレーション)はサクラ研究の画期的な資料となった。
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出版社のHPに掲載されていた新聞・雑誌紹介記事、書評なども引用します。
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川崎哲也(1929-2002)は、植物学者牧野富太郎と京都のサクラ品種収集家の第15代佐野藤右衛門に師事して、サクラについての指導を受けました。
特定の研究機関には属さずに、個人で研究を続け、多数の功績を残しています。
また、教員として、旧浦和市の公立中学校で理科と技術科の授業を担当する傍ら、吹奏楽部の顧問を務め、熱心に指導したことでも知られています。
川崎が遺したサクラの写生図をまとめた本書は、図譜としてはもちろん、ボタニカルアートの作品集としても見応えがあります。
写生図の中には、旧浦和市で採取されたサクラを描いたものもあります。
花びらや葉の先端まで繊細かつ緻密に描画されており、川崎のサクラ研究に対する熱意がうかがえます。
サクラ研究に携わる人も、そうでない人も楽しませてくれる1冊です。
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「遺作のサクラ 咲き誇る」
全国でも著名なサクラ研究家として知られ、2002年に病気のため73歳で他界した旧浦和市の元中学校教師、川崎哲也さんが残したサクラの原画展が、1日からさいたま市中央区上落合2丁目の「ギャラリー書楽」で開かれる。
専門家から「写真より精密」と評される絵は、ボタニカルアートとしても楽しめる。
原画展は、川崎さんの作品をまとめた「サクラ図譜」(アボック社)が3月に出版されたのを記念したもの。
「江戸」「御衣黄」「関山」など、約40種90点に及ぶ作品を展示する。
全体図だけでなく、花びらや葉、茎、種といった各部分の細密な図解が描かれている。
川崎さんは、宇都宮農林専門学校(現宇都宮大学農学部)を卒業。
日本の植物学の父とされる牧野富太郎博士に師事した。
旧浦和市の中学校で理科や技術の教師を務めながら研究に打ち込んだ。
特に栽培品種の分類や鑑定に尽力し、多くの新種を見つけて命名している。
「日本の桜」を出版するなど、急逝するまで数々の功績を残した。
原画は死後、遺族が膨大な蔵書や標本などの資料の中から見つけた。
1949年から7年間に描かれたもので、中には一部しか彩色されていない作品も。
それでも研究家からは「知りたい情報がすべてわかる」と賛されたという。
川崎さんは、吹奏楽の発展にも尽力した。市中学校吹奏楽連盟設立の中心になり、市内の中学生を集めた合同練習では、欧州のオーケストラで首席オーボエ奏者を歴任する渡辺克也さんらを教えた。
生前、川崎さんは自らのことを多くは語らなかった。
葬儀には各方面から関係者が集まり、妹の新島依子さん(66)は「遺族も含め参列者は皆、多彩な才能に驚かされた」と振り返る。
様々な顔を知ってもらおうと依子さんがまとめた追悼文集が縁で、原画の存在が知られ、図譜の出版に至った。
原画は保管が難しく、国立科学博物館に寄贈されることになっている。
依子さんは「全部の作品を一堂に見る機会は少なくなるかもしれない。その前に貴重な絵を多くの人に見て欲しい」と話す。
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サクラ研究家の故川崎哲也氏が、半世紀前に出版を意図して描いた原画を、未完成画も含め40種90点を収録。
寒緋桜や請願桜、またサトザクラ系栽培品種として市原虎の尾、妹背など、半世紀前に描かれたにも関わらず褪色がほとんどなく、精緻なボタニカルアートとして見応えがある。
また精密な解剖図や、多数の形質の属性も高精度で記されており、氏のサクラ研究へ姿勢がうかがわれる。
サクラの研究者、愛好家必見の一冊。
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(高尾義彦氏)
苔清水、有明、御衣黄、一葉、江戸、松月、朱雀、白妙、鬱金…。
B4の分厚い図譜をめくると、さまざまな桜の品種にめぐり会える。
ソメイヨシノばかり見慣れた目には、新鮮な感動を覚える。
生涯を桜の研究にささげ、73歳で02年に亡くなった川崎さんが、生涯をかけて種の特徴を克明に描いた90枚の桜の絵図。
花びらだけでなく、葉脈や種子など各部分を網羅した研究資料で、対象とした桜の採取地や特徴などのメモがつけられている。
妹の新島依子さんが保存していた現画の存在を、川崎さんに師事した植物画家、石川美枝子さんが大場秀章・東大名誉教授(植物分類学)に知らせ、ほぼ7年がかりで桜の季節に完成した。
川崎さんは植物学者、牧野富太郎氏に18歳から教えを受け、京都の桜寺・第四代佐野藤右衛門氏の指導も受けた。
浦和(現さいたま)市の中学教諭を務めながら、日本の桜のルーツを求めてヒマラヤ・ネパールなどに出かけ、桜栽培品種の鑑定家としても活躍した。
「日本の桜」などの著書があり、その研究の土台となった桜の作品群。
後進にとっては貴重な資料であり、桜好きには宝物のように思える。
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お気に入りその2027~たくさんのふしぎ

2022-01-03 11:48:23 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今年最初のお気に入りは、たくさんのふしぎです。
クリスマスの頃から読んだ3冊です。

①クリスマス・クリスマス

出版社の内容紹介を引用します。
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北極に誓いフィンランドから、南極に近いアルゼンチンまで、世界中でいっしょに、はなやかに祝うお祭りは、クリスマスだけです。
クリスマスは世界一大きなお祭りといえるかもしれません。
今や日本にもすっかり定着して、子どもたちもみんな、12月24日を心待ちにしていることでしょう。でも、クリスマスってもともと何のお祭りなのでしょうか?
「イエス・キリストの生まれた日」も正解ですが、それだけではありません。
この本では、オーストラリアの真夏のクリスマス、ニューヨークの華やかなクリスマスなど、世界各地のクリスマスを紹介しながら、クリスマス・ツリーやクリスマス料理の意味あいなど、クリスマスに込められた本来の意味あいと、そこに込められた人々の願いをご紹介します。 
クリスマスといえば、忘れちゃいけないサンタクロース。
プレゼントを配って歩くふしぎな人です。
でも、サンタクロースって一体誰なんでしょうね。
調べているうちに、ついに作者は、サンタクロースの家に行って本人に会ってきたんだって!? 
こんなクリスマスのふしぎを知れば、今年のクリスマスがさらに楽しいお祝になることでしょう。
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著者は「魔女の宅急便」の角野栄子さん。
たくさんのふしぎシリーズで「魔女に会った」を読んだことがあります。
ヨーロッパ各国の魔女伝説を取材して、魔女本人にも会ってきたレポートでした。
今度はサンタクロースに会ってきたのですね。
本書により気づかされましたが「クリスマスは世界一大きなお祭り」なのですね。
世界中で同じ日に祝うお祭りなんて、確かにこれしかないですね。

サンタクロースがセント・ニクラウスというプレゼントをくれる聖人であることは知っていましたが、プレゼント袋の他に小枝で作った鞭を持ち、悪い子はそれで叩いたというのは知りませんでした。
また「クリスマス」という言葉は「キリストのミサ」が語源だそう。
ヨーロッパ諸国は高緯度で冬の厳しい地域が多いため、最も日が短い冬至を過ぎたことをお祝いしたくて、キリストの誕生日が知られていないことをいいことに12月25日を誕生日としてお祝いすることにしました。
またセント・ニクラウスを祝う日が12月上旬にあったので、それも「キリストのミサ」に合体させて世界一楽しいお祭りが完成しました。

こうして本書ではサンタクロースとクリスマスの謎を教えた後、世界各地のクリスマスの様子もレポートしており、クリスマスを知るための名著と言えます。

②コンクリートってなに?

出版社の内容紹介を引用します。
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私たちの身近にあるコンクリート。
でも、コンクリートがなにからできていて、どうやってつくられているか知っていますか。
実は、コンクリートは古代ローマから使われていました。
そして現代のコンクリートは一種類ではありません。
使われる建設物に合わせていろいろな種類があり、今もなお進化を続けているのです。
コンクリートの知られざる世界をご紹介します。
=====

コンクリートって身近にあるのに知らないことだらけでした。
「知っているつもりでも、実はほとんど知らない」という事実に気づかされ、驚きました。
もしかしたら身近にあるあれやこれも知らないことだらけではないか?と周囲を見回しました。
本書には、
 石灰岩を掘り出して出荷するまでの工程。
 コンクリート工場の製造工程。
 要望に合わせて配合を変えて性質の違うコンクリートを製造していること。
 最近は引張強度のあるコンクリートまで登場していること。
などが詳しく紹介されていました。
とても細密な絵の助けを借りて、理解がどんどん深まるのを感じました。
またコンクリートは古代のローマや中国で使われていたそうですが、その後使われなくなり、鉄筋コンクリートとして再び注目させたのは1850年頃からだったそうです。
人類にとってまだ新しい建築材料のため、今後も改良が進むだろうという著者のコメントに期待が膨らみました。

③じゃがいものふるさと

出版社の内容紹介を引用します。
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ポテトチップスに肉じゃが、カレーの具……
世界中で愛され、必要とされる“じゃがいも”は、南米・アンデスがふるさとです。
富士山の頂上を越える高地に雑草のように生えていたジャガイモを、アンデスの人々は寒さに強い「作物」に改良し、かのインカ帝国が盛える土台を作ったのです。
現在もアンデスの人々の生活に深く根ざしているジャガイモ。
土のにおいを伝える写真絵本です。
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じゃがいもは、北海道を代表する農産物。
「じゃがいものふるさと」を知りたくて読むことにしました。

じゃがいものふるさとはアンデスの高原。
この高原はチチカカ湖のほとりにあり、広大なジャガイモ畑が広がっています。
琵琶湖の12倍もあるこの大きな湖は、標高4000mと富士山より高いところにあるため、周辺ではじゃがいもしか獲れません。
ここには今も野生のじゃがいもが雑草として生えており、小さなイモができますが、毒があって食べられません。
人びとは1000年以上前に食用に改良し、今では数千の品種もあります。
全体が大きく凸凹していたり、細長くらせん状になっていたりと不思議な形のもあります。
このような興味深い話にもうひとつ追加がありました。
じゃがいもを夜に凍らせて昼間に解かすことを数日繰り返してブヨブヨにした後、足で踏むと水がビュっと抜け、それをカチカチに乾かしたものをチューニョと言います。
地元では「チューニョの入っていないスープは愛のないスープだ」ということわざがあるくらい愛されているそうです。
干しシイタケのように味わいが濃縮して美味しくなるのでしょうか?
ネット検索すると、特に美味しい訳ではなく単なる保存食とのこと。
もし美味しいのなら、作って食べてみたいと思っていただけに残念です。


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