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鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代半ばのオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1723~ファミレス

2019-01-07 12:03:09 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、ファミレスです。

重松清の「ファミレス」を読みました。
「恋妻家・宮本」というタイトルで映画化もされているそうです。

AMOZONの内容紹介を引用します。
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料理は、優しさなんだ。
誰かのためにつくる時が、一番うまくなるんだ。
何気ない日常を軽快なコメディータッチで描きながら、現代人ひとりひとりの真の意味での自立と共生のあり方を見通す力強い作品です。
街なみも日常のくらしも、家族のかたちも変わる。
だからこそ、変わらないものが生きる支えになる。
手間ひまをかけるから美味しい。
料理も、人生も。
「これから」を生きるすべての人たちへ―おかしくて切なくて滋味に富む、震災以降の物語。
一年ぶりの長編小説!
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妻と別居中の雑誌編集長・一博と、息子がいる妻と再婚した惣菜屋の康文は幼なじみ。
料理を通して友人となった中学教師の陽平は子ども2人が家を巣立ち“新婚”に。
3・11から1年後のGWを控え、ともに50歳前後で、まさに人生の折り返し地点を迎えたオヤジ3人組を待っていた運命とは?
夫婦、親子、友人…人と人とのつながりを、メシをつくって食べることを通して、コメディータッチで描き出した最新長篇。
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最近短い間隔で重松清を2冊読みました。
「40回のまばたき」と「青い鳥」です。
どちらも期待した感動小説とは少し違いました。
それならばと勇んで読んだ「ファミレス」も残念ながら感動小説ではありませんでした。
これだけ続くということは自己責任、本の選び方に問題があるのでしょう。
しばらく間を置きたいと思います。

本書は、夫婦の関係はひとそれぞれであり、どれが正しいとは言えない、ということを3人の男たちを通して描いています。
10年も別居していた妻が決断を下すことを恐れる夫。
再婚した妻子と姑の関係を心配する夫。
子どもたちが巣立ち、妻のおひとり様行動に不安を抱く夫。
3人の男たちの趣味であり、著者の趣味でもあろう料理を通して三者三様のドラマが展開します。

我が家でも主人公・陽平の家庭同様、数年前に下の子が巣立ちました。
そこから始まった夫婦2人の“新婚”生活も、陽平の家庭と似ています。
以前は私以外の3人がおしゃべりだったため、家の中がとても賑やかでしたが、今はテレビの音声が静けさをカバーしてくれているのも一緒。
ただし共通の趣味や話題があるので、仕事が終わったあとや、休日もほとんど一緒に行動しています。
あまりべったりなのもどうかな?と思うほど。
だから安心かというと不安もあります・・・。

片や陽平の家庭では夫婦の会話がぎこちなく、妻が迷い悩んでいるのは明らか。
子どもたちも心配する有様です。
なぜそんな状況に追い込まれたのか見当がつかない陽平。
夫が気づかない内に、少しずつ積もり積もったものがある日顕在化し、夫婦は危機を迎えます。
この部分は、どこの夫婦も似ているのではないでしょうか?

いつ何時思いもかけず自分もそんな状況に陥るかもしれない!
そんな恐怖を感じながら、コメディタッチとはいえ、他人事ではなく、ハラハラドキドキしながら読みました。
「家族がいない人々が集うファミレス(ファミリーレス)」というのも怖い表現でした。
(何ともつまらない題名の付け方だと思います!)

「夫婦の関係に正解なんてない」のでしょうが、相手をいたわる心や、大切に思う心が日々夫婦の絆を深めるのではないでしょうか?
久しぶりに夫婦について、家庭について考えました。

期待した感動小説ではありませんでしたが、思いがけず自分の家庭をかえりみる機会となりました。
とりあえず星は3.5とします。

この作品をもとにして映画「恋妻家・宮本」が制作されたそうです。
監督や脚本家がどこに重点を置いて仕上げたか気になるところです。
小説のように微妙なエンディングではないことを期待して、そのうちに観たいと思います。


お気に入りその1722~タラブックス

2019-01-05 12:12:37 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、タラブックスみです。

本書は美しい絵本の第2弾。
手漉き紙にシルクスクリーン印刷をして、製本もすべて手作業という美しい絵本です。

AMOZONの内容紹介を引用します。
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【インドの出版社タラブックスによるハンドメイド本「TSUNAMI」。待望の日本語版が刊行!】
『夜の木』『水の生きもの』『世界のはじまり』など、いま世界でもっとも美しい本をつくる出版社「タラブックス」。
彼らの本づくりの真髄は、現実とじかに向き合いつつ、それを物語や芸術として昇華する手法にあります。
また、シルクスクリーン印刷と手製本によって、ひとつとして同じものがない作品に仕上げられています。
家から家へと訪ねて歩き、絵巻物を見せながら、うたい、聞かせる語り部「ポトゥア」。
連綿と受け継がれてきたこの伝統は、インド東部やバングラデシュの一部の地域に、いまも息づいています。
本書『つなみ』は、2004年に起きたインド洋の大津波の被害を描き、歌い、語り歩いた「ポトゥア」とインドの出版社・タラブックスとの共同作業によって生み出された作品です。
痛ましい現実に目を背けたくなるとき、絵と歌によって現実に向き合うことができることを、彼らは教えてくれます。
シリアルナンバー記載あり。
タラブックス創業者V.ギータや翻訳家スラニー京子、装丁家・矢萩多聞らによるエッセイを集めた小冊子付き。
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つなみの被害について語り部が語り歩いていた内容が、しっかりそのまま絵本になっています。
語りに耳を澄ませている感覚で読みました。
絵も素朴で実に味わいがあり、まるで紙芝居のようです。
絵が文章に沿った内容になっていたらもっとよかったのにと思う部分もありますが、紙面が限られた手製本ですから、物語をすべて絵にできないのも理解できます。
絵のない部分は、語り部のテクニックで聞き手の想像力を膨らますのでしょう。

物語は死者を弔うことに重点を置いていますが、つなみ被害の悲しみだけでなく、逆に良かった点についても語っているのが印象的でした。
例えば、イスラム教・ヒンズー教・キリスト教の信者だった被害者たちが仲良く弔われたこと。
例えば、つなみ跡に埋もれていた小さな寺院が出現したこと。
悲しみに心を閉ざすことがないように、小さな良かったことを伝えたい、という語り部の願いを感じます。

本書の制作手順が小冊子に書かれていました。
青・赤・黄・緑を一色ずつ印刷しては乾かすことを繰り返す作業。
紙を折って表紙を張り付ける作業。
まさしく家内工業。
これらの作業は大量生産・大量消費が当たり前の現代において実に贅沢なこと。
制作方法を知ったあと、改めて印刷の仕方や紙の貼り方などをチェックすると、その微妙なずれに手作り感を発見してなぜかうれしくなりました。
まさしく一点もの。

インクの手触りや香りもいいです。
また異国情緒あふれる絵は、インテリアにもなります。
今や世界が注目するタラブックスの絵本。
一度手に取ってご覧ください。





お気に入りその1721~くつやのねこ

2019-01-03 15:22:45 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、くつやのねこです。

今年最初の絵本。
本書は美しい絵本を鑑賞したくて見つけました。

AMOZONの内容紹介を引用します。
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あるところに、貧しいくつやがいっぴきのねことくらしていました。
お客がさっぱりこず、とほうにくれるくつやに、ねこはよいかんがえがあるというのですが…。
愛らしい猫が、どんなことを考えついたのでしょう。
民話「長靴をはいた猫」を新しくアレンジしたお話です。
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著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
いまい/あやの
今井彩乃。1980年ロンドンに生まれる。イギリス、アメリカ、日本で育つ。武蔵野美術大学出身。
2003年、2004年、2005年、2006年、2009年にボローニャ国際絵本原画展に入選。千葉県在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ボローニャ国際絵本原画展に何度も入選していることが納得できる絵本でした。

猫好きにはきっとたまらない作品でしょう。
私は犬派なので「たまらなくかわいい」という感想は持ちませんでしたが・・・。

でも「猫ってそうだよな」と思うシーンが多かったことは事実。
特にその表情がとても魅力的でした。

靴屋の窮地を打開するためのアイデアを伝えるシーンや、魔物に靴の代金を請求しに行き脅されて逃げるシーンはどちらも無表情のように見えます。
でもその目には靴屋を救いたいという熱意が込められていたり、理不尽な魔物に復讐することを心に誓っているような怪しい光が宿っているように見えます。
魔物をネズミに変身するよう誘いを入れるシーンの狡猾な目、ネズミに変身した魔物を襲う直前の残虐な目。
このときばかりはポーカーフェイスを保てなかった猫。
こんな顔をこちらに向けられたらと思うとぞっとします。
直後の魔物の血が数滴残ったテーブルのページは、恐ろしさを増幅させます。
逆に魔物の屋敷跡に靴屋と移り住んだ猫ののんびりした表情はいいですね。

作者は猫を知り尽くしている上、それを見事に表現してみせました。
猫好きの方には、お手に取ってご覧いただくことをお勧めします。


お気に入りその1720~ワンピース

2019-01-01 14:57:22 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、ワンピースです。

今年最初のブログは「ワンピース」です。

「ワンピース」が名作マンガであることは、世界中の多くの人々が認めることでしょう。
キムタクの愛読書だとか、コミックの出版数がギネス記録だとか、とにかく話題は尽きません。
私も毎週、少年ジャンプとTVアニメを楽しみにしています。

普段あまりマンガを読みませんが、名作マンガは別。
2017年は「エヴァンゲリオン」全14巻、2018年はコンビニコミック「ガンダムORIJIN」全12巻を読みました。
どちらも評判通りの名作でした。
そうそう息子の蔵書「スラムダンク」全31巻を一気に読み返したのも2018年でした。
31巻をあっという間に読ませるなんて、まさに名作中の名作でした。

今回取り上げた「ワンピース」は1997年から連載を開始しており、21年経った今も好評連載中。
最新巻は何と91巻!
連載終了時には何巻に達していることやら・・・。
本当は連載が終わってから全巻を一気読みしたいのですが、そろそろ諦めてこれまで発行された分を買うことにしました。
第1巻~第91巻のセット価格をヤフオクで調べました。
1万円から3万円ほどで出品されています。
とりあえず読むことができれば良いので、最も安価なセットを落札しました。
2019年の正月はワンピースからスタートすることになりそうです。

ちなみに我が家には息子の蔵書「ワンピース」第1巻~第36巻がすでにあり、これまでも時々読んでいました。
今回、続きの第37巻~第91巻をセットで買いたかったのですが、近いセットも無かったため、やむを得ず再度第1巻からのセットを購入した次第です。
無駄なことをしたと少々後悔しています。
まずは重複する第1巻~第36巻をブックオフに売り、今後は第92巻以降の巻を着実にそろえていこうと思います。

それにしても全91巻ってすごいボリューム感です。
1辺50cmの立方体の箱にコミックが隙間なく詰められて届きました。
とても置くところがないので、しばらくは箱のまま。
必要な巻だけ出して読むことになりそう。

既存の第36巻は、ウォーターセブン編後半。
エニエスロビー編へつながる展開を見せました。
今回届いた第37巻以降は、麦わらの一味がロビンの感動シーン「生ぎたいっ!!!!」に向けて突き進みます。
血沸き肉躍る、冒険活劇の始まり、始まりー。
ああ、わくわくが止まりません。