元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「闇の帝王DON ベルリン強奪作戦」

2014-06-23 06:18:30 | 映画の感想(や行)

 (原題:DON 2 )2011年作品。2006年に公開されたインド製アクション巨編「ドン」の続編で、福岡市総合図書館映像ホールで上映されたインド映画特集の一本として鑑賞した。そこそこ面白く観ることが出来たが、残念ながら前作には及ばない。

 アジアで確固たる地位を築いた犯罪王ドンは、今度はヨーロッパの裏社会を手中に収めるべく動き出す。まずはドンがインターポールに出頭。逮捕・収監される。しかしこれは計略の一環で、目的は獄中の(前作の悪役である)ワルダンとの接触であった。彼を仲間に引き入れると、揃って脱獄。舞台はベルリンに移り、ドン達はドイツ中央銀行の地下にあるユーロ札の原版を強奪しようと企む。

 インターポールの女性捜査官ロマはドンを追ってベルリン入りし、さらには裏社会と繋がっているドイツ中央銀行の幹部らもドンを抹殺しようと画策。元より腹黒いワルダンも、いつ裏切るか分からない。かくして三つ巴・四つ巴の攻防戦が賑々しく展開される。

 まず不満なのが、インド映画得意の歌と踊りのシーンがほとんど無いこと。劇中にはそれらしいものが一回、あとはラスト・クレジットのバックに挿入されるのみだ。これではインド製娯楽映画のフィルターを通して“それらしく”楽しむことが出来ない。だから通常のアクション映画と同次元で評価するしかないのだが、結果として“中の上”ぐらいの採点しか付けられない。

 筋書きは悪くない。最後のドンデン返しも鮮やかだ。しかし、どうにもドラマ運びが緩い。前回に引き続いて登板したファルハーン・アクタルの演出は、歌と踊りをフィーチャーしたお馴染みのスタンスで仕事に臨んでいるため、ガチンコの活劇演出としてはどうしてもスキが多くなる。アクションシーンもハデだが、キレがイマイチだ。

 主演のシャー・ルク・カーンは相変わらずの“俺様主義”を貫き、唯我独尊的にスクリーンの真ん中に陣取っている。今回は男臭いヒゲ面にも挑戦し、イモい容貌をカバーしようとしているところ(?)は御愛敬か。パート1に続いてロマに扮するプリヤンカー・チョープラー(元ミス・ワールド)は変わらぬ美貌を見せる。ドンの情婦を演じるララ・ダッタ(元ミス・ユニバース)もかなりの美人だ。スター性のある面々が顔を揃えているので、リッチな気分は味わえよう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする