元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「第10回九州ハイエンドオーディオフェア」リポート(その4)

2013-05-05 06:50:43 | プア・オーディオへの招待
 会場ではオーディオ機器に加えてAVシステムのデモンストレーションも行われていたが、今回の目玉は何と言っても4K解像度をフィーチャーしたプロジェクターである。

 4K解像度とは、フルハイヴィジョンの4倍の画素数を持つ動画フォーマットのことである。当然のことながら画質は良い。しかし、4K専用の映像コンテンツが数少なく、何より数年前の地デジ化で大半のユーザーがハイヴィジョン用テレビに乗り換えたばかりなので、普及するにはかなりの時間が掛かるだろう。

 なお、会場で使われていたスクリーンは150インチのもので、年々大きくなる感じである。これは規模においてミニシアターと変わりがない。もちろん、導入出来るのはそれ相応の広いシアタールームを用意できる一部の消費者に限られる。景気回復が叫ばれているが、果たしてこのようなシステムは売れるのだろうか。



 話は変わるが、今回初めてこの手のイベントに嫁御を同行した(爆)。ただし会場にいたのは短時間で、途中で私を残してサッサと帰ってしまったのだが、彼女の各オーディオ機器に対するコメントが実に簡潔かつ手厳しい。完全に拒否反応を示したのは、米国JBL社のハイエンド型スピーカーDD67000で、いわく“何でこんなに喧しくてデリカシーの無い音にみんな聴き入ってるのよ! 1分と聴いていられない!”とのこと(笑)。

 ELACQUADRALMUSIKELECTRONIC GEITHAINといったドイツ製のスピーカーに対しては“音が硬い。却下!”と一蹴。英国B&W社のモデルについては“整ってはいるけど、面白味の無い音ね”と不満を洩らす。

 反対にとても気に入ったのが、FOCALSONUS FABERDiapasonFRANCO SERBLINといったフランス及びイタリアの製品らしい。いわく“明るく滑らか。艶がある。聴きやすい”とのこと。特に値段があまり高くないFOCALのモデルに興味を持ったようで、“アナタ、今度買い換えるときはこれにしなさい”と命令口調。“じゃあ、小遣い上げてくれよ”と言ったら即座に“ダメっ”と返され、グウの音も出なかった私である(激爆)。



 それにしても(ウチの家内も含めて)女性の音に対する感覚は鋭敏であると、つくづく思う。彼女達は、野郎みたいに無駄な能書きを垂れないし、どうでもいいようなウンチクも並べない。実際に出てくる音が直感的に良いか悪いか、それだけで機器を評価する。

 女性をユーザーを意識しない業界に未来は無い。だから、オーディオ業界の将来も実に危うい。団塊世代と心中したくなかったら、女性をターゲットにした商品展開とマーケティングを推進すべきだろう。少なくとも、部材の質や回路の様式なんかに執着する“昔ながらのオーディオマニア”は切り捨てていく方向に舵を切らないと、道は開けないと思う。

 余談だが、会場の福岡国際会議場の別のフロアでは医療関係の就職説明会が行われており、そこに参加していた女子学生が説明会が終わった後にオーディオフェアのブースに何人か来ていたようだ。たぶんピュア・オーディオについては知らないけど、何かイベントが行われているらしいと思って足を運んだのだろうが、いくらかでもこの世界に興味を持ってくれれば幸いである。

(この項おわり)
コメント
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