元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「コールドマウンテン」

2010-08-17 07:27:50 | 映画の感想(か行)
 (原題:Cold Mountain )2003年作品。南北戦争末期、戦争に引き裂かれながらも、一途な愛を貫いた南軍兵士とその恋人を描く、アンソニー・ミンゲラ監督による大作。

 内容は低調だ。今時こんな大時代なメロドラマを何の工夫もなく披露するその神経に呆れる。宣伝には“「風と共に去りぬ」に匹敵するラブ・ストーリー”との謳い文句があったが、南北戦争を舞台にしたという共通点こそあるものの、出来は「風と~」に比べたら雲泥の差。

 逃亡兵である主人公が故郷を目指す旅の途中に巻き込まれるトラブルの数々はすべて“彼がハンサムだから”という理由で周囲にいる女性に助けられて解決する(演じているのがジュード・ロウだというのもクサい ^^:)。ニコール・キッドマン扮する恋人も、序盤の典型的な“深窓の令嬢”から後半“強い女”に成長してゆく過程がいかにも図式的。そもそもこのヒロインを演じるにはキッドマンは老け過ぎだ(笑)。

 反戦映画の看板を掲げたような大仰な展開が続くわりには、クライマックスであるはずの二人の再会場面が盛り上がらず、終盤近くは悪者相手の三文西部劇に成り果ててしまうのには脱力してしまった。

 監督のミンゲラは「イングリッシュ・ペイシェント」などと同様の凡庸な仕事ぶり。印象に残ったのはヒロインを叱咤激励する農夫の女を演じたレニー・ゼルウィガーのみ。ビデオで十分のシャシンである。
コメント
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