元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「花様年華」

2010-05-13 06:52:08 | 映画の感想(か行)
 (原題:花様年華 In the Mood for Love)2000年作品。舞台は1962年の香港。新聞記者のチャウ(トニー・レオン)と、商社で秘書として働くチャン(マギー・チャン)は、同じ日に同じアパートへと越してきて隣人となった。ところがある日お互いの伴侶が不倫関係にあることを知ってしまったことから、二人も密会をするようになる。

 隣同士で、しかもそれぞれのパートナーが浮気三昧の状況では、速攻でベッドインしてもおかしくない。そこを“決して一線は越えないぞ”と固執するのは一種のマゾであり、作劇的にはおかしいとも言えるのだが、そこはウォン・カーウァイ監督、相変わらずウソで固めた“見た目だけ”のラヴ・ストーリーの創造に抜かりはない。

 今回はクリストファー・ドイル主導のカメラワークのケレン味を抑え、呼吸の長い演出と撮影に専念している。舞台設定を考えれば当然だろう。トニー・レオンは好演だが、マギー・チャンの存在感が圧倒的。チャイナドレス姿が素晴らしい。内容はそう深くはないが、風格のある“外見”だけで十分堪能できる映画である。
コメント
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