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元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

何気なく選んだ2017年映画ベストテン。

2017-12-31 06:53:53 | 映画周辺のネタ
 2017年の個人的映画ベストテンを勝手に発表する。まずは日本映画の部。



第一位 彼女の人生は間違いじゃない
第二位 しゃぼん玉
第三位 ANTIPORNO
第四位 光(河瀬直美監督版)
第五位 帝一の國
第六位 愚行録
第七位 映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ
第八位 最低。
第九位 彼女がその名を知らない鳥たち
第十位 ビジランテ

 次に、外国映画の部。



第一位 ムーンライト
第二位 人生タクシー
第三位 ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ
第四位 わたしは、ダニエル・ブレイク
第五位 ドリーム
第六位 ハクソー・リッジ
第七位 ベトナムを懐(おも)う
第八位 ヒトラーの忘れもの
第九位 女神の見えざる手
第十位 ベイビー・ドライバー

 前年とは打って変わり、2017年の日本映画は不作であった。普段ならばランクインされていないレベルの作品も無理にかき集めて、何とか10本揃えたという感じである。一位の「彼女の人生は間違いじゃない」にしても、出来よりも題材に惹かれての選定だ。

 対して、外国映画は近来まれに見る豊作。特に一位の「ムーンライト」は私自身のオールタイムベストテンにも選びたいほどの傑作だった。ベストテンに挙げた作品以外にも「沈黙 サイレンス」や「幸せなひとりぼっち」「キングコング:髑髏島の巨神」「LOGAN/ローガン」「残像」「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」「パターソン」「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」「婚約者の友人」等々、秀作・佳作の目白押しである。

 また全体に洋画には世相に鋭く切り込んだ作品が目立つ。(少なくとも表面的には)毒にも薬にもならない展開の邦画とは大違いである。

 なお、以下の通り各賞も勝手に選んでみた。まずは邦画の部。

監督:廣木隆一(彼女の人生は間違いじゃない)
脚本:河瀨直美(光)
主演男優:菅田将暉(帝一の國)
主演女優:瀧内公美(彼女の人生は間違いじゃない)
助演男優:桐谷健太(ビジランテ)
助演女優:筒井真理子(ANTIPORNO)
音楽:ルドビコ・エイナウディ(三度目の殺人)
撮影:ピオトル・ニエミイスキ(愚行録)
新人:間宮祥太朗(全員死刑)、葵わかな(サバイバルファミリー)、石川慶監督(愚行録)

 なお、新人部門の葵は映画よりもNHKの朝ドラでの好演を加味しての選出だ。

 次に、洋画の部。

監督、脚本:バリー・ジェンキンス(ムーンライト)
主演男優:マイケル・キートン(ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ)
主演女優:ルース・ネッガ(ラビング 愛という名前のふたり)
助演男優:マハーシャラ・アリ(ムーンライト)
助演女優:アナ・デ・アルマス(ブレードランナー2049)
音楽:ニコラス・ブリテル(ムーンライト)
撮影:ジェームズ・ラクストン(ムーンライト)
新人:パウラ・ベーア(婚約者の友人)、ラヴィス・ナイト監督(KUBO/クボ 二本の弦の秘密)

 ついでにワーストテンも挙げておく。まずは日本映画。

1.家族はつらいよ2
2.光(大森立嗣監督版)
3.幼な子われらに生まれ
4.パーフェクト・レボリューション
5.三度目の殺人
6.ジムノペディに乱れる
7.笑う招き猫
8.彼らが本気で編むときは
9.ホワイトリリー
10.牝猫たち

 次に外国映画。

1.マンチェスター・バイ・ザ・シー
2.ザ・サークル
3.LION/ライオン 25年目のただいま
4.メッセージ
5.スター・ウォーズ 最後のジェダイ
6.エル/ELLE
7.ダンケルク
8.哭声/コクソン
9.20センチュリー・ウーマン
10.ビニー 信じる男

 日本映画に関しては、現役の監督たちが新作ロマンポルノを手掛けた“日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト”の数々がワースト入りしたのが特徴的。名の知れた監督に丸投げするのではなく、若手を含めた“ポルノでなければならない必然性”を見据えた人材を選出すべきだった。外国映画では、アカデミー賞の受賞作や候補作が並んでいる。もちろん、これらの作品をベストに挙げる観客もいるとことは予想出来るが、個人的にイヤなものはイヤである(笑)。

 なお、2016年のユナイテッド・シネマ福岡に続いて、2017年には天神東宝(TOHOシネマズ・天神本館)までが営業を終えてしまった。映画ファンが多い福岡県民にとってはかなりの“逆風”だ。ユナイテッド・シネマ福岡は2018年に“復活”するらしいが、それでもスクリーン数は十分ではないと思う。業界筋の奮起を望みたいところだ。
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福岡市の映画館の変遷について。

2017-09-22 06:18:12 | 映画周辺のネタ
 私のように無駄に長年映画を見続けていると、福岡市の映画館事情の移り変わりを目撃することにもなる(まあ、ずっと福岡市に住んでいたわけではないが)。そのへんを少し書いておこう。

 その昔、福岡市早良区西新には映画館が二つあった(もっと昔はそれ以上あったらしいけど、私は知らない)。西新アカデミーと西新東映である。前者は東宝系列の小屋で、ごくたまにミニシアター系作品を上映していたが、99年に惜しまれつつ閉館。後者は文字通り東映系だったが、ハリウッドのクラシック作品も安い料金で上映していた。

 この西新東映が閉館したあと同じロケーションに出来たのが「てあとる西新」という劇場だ。開設時期は80年代初頭だったと思う。ミニシアター系の封切り作品はもちろん、タルコフスキーやゴダールやフェリーニなどの旧作も数多く上映。「カルメンという名の女」も「鏡」も「8 1/2」もここで観た。しかし、二百席以上というミニシアターの範疇を超えた規模であり、ランニングコストがかさんで閉館(確か、86年か87年)。経営母体のパシフィック・シネマ・ジャパンは同じコンセプトの小屋を中央区天神2丁目に開館させ、「移転」との形を取る。それが「西通りキノ」である。

 「西通りキノ」は80年代末にオープンした。80席程度の「キノ1」と50席ぐらいの「キノ2」の2スクリーン構成。作品傾向は「てあとる西新」と同じだったが、「ベルリン・天使の詩」「どついたるねん」などの話題の単館系作品も手がける。さらにグリーナウェイやデレク・ジャーマンなどの初期実験映画の一挙上映みたいなマニアックなネタもやっていた。
 
 ところが、ここの劇場は設備が万全ではなく、「キノ1」はスピーカーが一個しかないし、「キノ2」にいたっては当初は折り畳み椅子のみ。おかげで観客数は減り続け、91年(だったかな)に早々に閉館。それから「シーキューブシアター」と名前を変えて東宝系の二番館として存続しようとしたが、長くは保たなかった。

 80年代前半に「東映ホール」という小さな映画館が中央区天神3丁目の親不孝通りにオープンした。文字通り東映系の二番館だったが、86年か87年ごろ、突然「寺山修司特集」をやり始め、ミニシアター市場(?)にうって出る。館名も「てあとるTENJIN」に変更。たぶん「てあとる西新」と資本的な共通点はあったと思う。「キノ」とは違ってそこそこの設備を持っていたせいか長続きした。やがて経営母体があのビルを所有する「有楽興行」になり(その前から資本参加していたと思うけど)、内部改装を経て90年(だったかな)に「シネテリエ天神」と改名する。なお、「てあとる○○」の展開元だったパシフィック・シネマ・ジャパンはどうなったのか知らない。

 現在、博多区中洲の東急エクセルホテルが建っている場所にも映画館があった。福岡東宝と福岡松竹である。どちらも比較的規模の大きい小屋であったが、時代の流れには勝てなかったらしい。その近くにあった東映グランド劇場も松竹に経営を移管したが、結局は閉館。映画街の代名詞であった中洲も、現在存続しているのは大洋劇場一館のみだ。

 中央区渡辺通りや赤坂、六本松に映画館が存在していたなんて今の若い衆は誰も信じないだろう。かつては博多駅の構内にも名画座があったのだ。現在はシネコンの全盛期になりつつあるが、代わりにミニシアターの数は減った(「シネテリエ天神」も2009年に閉館している)。確かにシネコンはかつての“町の映画館”に比べれば設備は整っているが、もっと多様な観客のセグメントに合わせたマーケティングが望ましい。あと一館でもミニシアターがあったら、もっとバラエティに富んだ番組が楽しめるだろう。
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今年の“飾り山”は「スター・ウォーズ」。

2017-07-14 06:28:33 | 映画周辺のネタ

 昨年(2016年)ユネスコ無形文化遺産にも登録された福岡市の夏祭り、博多祇園山笠が今年も7月1日より15日まで開催された。例年通り市内14箇所に“飾り山”が設置されたが、その中で異彩を放っていたのが福岡市博多区の上川端商店街に設置された“八番山笠”である。

 ここの今年の飾り付けのテーマは、何と「スター・ウォーズ」だ。年末に公開される「最後のジェダイ」を題材にしたもので、手練れの博多人形師による造形は、実によく出来ている。話によれば、外国映画が“飾り山”のネタになるのは初めてだということで、かなりの見物客を集めていた。

 今回の“飾り山”のように、祭りの出し物を映画の宣伝に使うというのは、けっこう上手い方法かもしれない。特に福岡のように映画好きで祭り好きが多い土地柄だと、かなりの効果が見込めよう。出来れば今後も継続してほしい。

 博多祇園山笠のハイライトである“追い山”は7月15日に行われるが、開始時刻が朝の4時59分なので、前日徹夜でもしない限り良いポジションで観るのは無理だ。だが、博多祇園山笠は博多の夏を象徴する行事であることは間違いない。だが、今年の梅雨は県内の筑後地区で大水害が起こるなど、良くないニュースが目立つ。地元の方々の無事を祈りたい。
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映画は着こなしの参考になるか?

2017-07-09 06:26:28 | 映画周辺のネタ
 デパート等では夏物バーゲンが行われる時期になってきた。毎度冷やかしのつもりで覗いてみるが、気が付くと数点のアイテムを買ってしまい、我ながら意志の弱さには呆れてしまう(苦笑)。

 さて、池波正太郎の著書「映画を見ると得をする」の中に“映画を数多く観ていると、自然と服装のセンスなんかが垢抜けてくる”という一節がある。しかし私は自信を持って“こりゃウソだ”と断言する。映画ばっかり観ていると(特に若い頃)、カネをすべて映画につぎ込んでしまうため、服装には気を遣わない。“そりゃオマエだけだろ”との意見はごもっとも(^_^;)。でも、各地の映画祭に集まってくる連中の服装を見ていると(あ、これ男性に限っての話ね)けっこう図星だったりする。

 私だって映画を観まくっていた(今もだけど)二十歳前後のころは服装なんて無頓着(当時の写真見るとほとんど浮浪者だ)。その後、人並に衣装に金を使うようになったが、それは洒落者の同僚や従兄弟の影響からで、決して映画をよく観ていたからではない。映画の中のファッションが気になり出したのはそれからで、要するに映画を観て服装が垢抜けるかどうかは元々ファッションに興味があるかないかの問題なのだ(私は興味があっても垢抜けないが)。

個人的には、黒澤明の「乱」だのコッポラの「ドラキュラ」だのサリー・ポッターの「オルランド」だの、市川崑の「細雪」やピーター・グリーナウェイとかペドロ・アルモドヴァルの諸作などの“衣装デザイン賞いただきっ”みたいな立派なファッションより、自分が参考にできるような映画の中での着こなしに目が行ってしまう

 「炎のランナー」のブリティッシュ・トラッド。映画を観たあと本気で白のフランネルのズボンとホワイト・バックスを買いたいと思った(金がなくて断念)。コロニアル調でキメたダニエル・シュミット監督の「ヘカテ」。エレガンスの極致みたいな「華麗なるギャツビー」(74年版)。「の・ようなもの」は登場人物が全員アイビー。主人公(伊藤克信)が秋吉久美子扮するソープ嬢に“これ、Kentだぜ”と自慢するところは笑った。

 ウディ・アレンが出演作の中でよくやるツイード・ジャケットにチノパンを何気なく合わせる方法。「ドゥ・ザ・ライト・シング」のヒップホップな着こなし(同じスパイク・リー作品でも「マルコムX」の衣装は立派過ぎて真似できない)。映画を観た帰り道で同じブランドのセーター買ってしまったのは「ザ・プレイヤー」(衣装担当アレキサンダー・ジュリアン)。あと、あげればキリがない。

 どうせ私のような冴えないオッサンが、映画の登場人物みたいにカッコ良く着こなすなんて無理。それでも少しは参考にして街の美観を損ねないような服装はしたいと思う今日このごろである。
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天神東宝が閉館。

2017-04-09 06:35:25 | 映画周辺のネタ

 2017年3月31日をもって、福岡市中央区天神にある天神東宝(TOHOシネマズ天神・本館)が営業を終えた。天神東宝ビルの所有者が建替えを予定しているとのことで、それに伴う措置だという。

 同映画館は97年3月にオープンしている。その前身は博多区中洲にあった宝塚会館だ。宝塚会館は5スクリーンだったが、天神東宝は6スクリーンだ。しかし、劇場の規模は宝塚会館の方が大きかった。繁華街の真ん中にある天神東宝は確かにロケーションは良いが、設備面では満足できるものではなかった。特に男子トイレを使うのに階段を上り下りする必要があったのには閉口した。

 顧客サービスにおいても、九州東宝株式会社が経営・運営していた頃は旧来型の映画館と変わらず、新興のシネコンに比べると見劣りしていた。ただし、2008年にTOHOシネマズ株式会社に経営統合されたあたりから、随分と良くなったように思う。

 それにしても、6スクリーンが一挙に無くなったというのは、映画好きの福岡県民にとってはかなりのダメージだ。まあ、福岡市のような規模の市場に東宝系のシネコンが存在しない状態が長く続くとは思えず、たぶん別の場所で開館してくれると予想するが、現時点では未定というのが辛い。今後の展開を見守りたい。
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漫然と選んだ2016年映画ベストテン(^^;)。

2016-12-31 06:57:17 | 映画周辺のネタ
 年の瀬になり、まことに勝手ながらここで2016年の個人的な映画ベストテンを発表したい。



日本映画の部

第一位 この世界の片隅に
第二位 海よりもまだ深く
第三位 オーバー・フェンス
第四位 家族はつらいよ
第五位 シン・ゴジラ
第六位 ヤクザと憲法
第七位 何者
第八位 蜜のあわれ
第九位 葛城事件
第十位 ひそひそ星



外国映画の部

第一位 マネー・ショート 華麗なる大逆転
第二位 最愛の子
第三位 リリーのすべて
第四位 弁護人
第五位 ディーパンの闘い
第六位 帰ってきたヒトラー
第七位 ニュースの真相
第八位 若葉のころ
第九位 トランボ ハリウッドに最も嫌われた男
第十位 マネーモンスター

 2016年は邦画が質的に好調で、外国映画は不振だった。ただし、一位の「マネー・ショート 華麗なる大逆転」を筆頭に、世相を反映したのはアメリカ映画と言って良いだろう。先の米国大統領選の結果を見ても分かるように、グローバリズムに対する反発が顕在化し、必然的にそのトレンドがエンタテインメントの分野にも影響を及ぼしていく。果たして、毒にも薬にもならないような御為ごかしのシャシンが客を集めている日本映画界が、社会を反映した作品を作れるのかどうか、大いに疑問だ。

 なお、以下の通り各賞もテキトーに選んでみた。まずは邦画の部。

監督:片渕須直(この世界の片隅に)
脚本:高田亮(オーバー・フェンス)
主演男優:松山ケンイチ(聖の青春)
主演女優:間宮夕貴(風に濡れた女)
助演男優:竹原ピストル(永い言い訳)
助演女優:宮崎あおい(怒り)
音楽:中田ヤスタカ(何者)
撮影:笠松則通(蜜のあわれ)

 次に、洋画の部。

監督:アダム・マッケイ(マネー・ショート 華麗なる大逆転)
脚本:チャールズ・ランドルフ、アダム・マッケイ(マネー・ショート 華麗なる大逆転)
主演男優:ブライアン・クランストン(トランボ ハリウッドに最も嫌われた男)
主演女優:ヴィッキー・チャオ(最愛の子)
助演男優:クリスチャン・ベール(マネー・ショート 華麗なる大逆転)
助演女優:アリシア・ヴィキャンデル(リリーのすべて)
音楽:エンニオ・モリコーネ(ヘイトフル・エイト)
撮影:エドワード・ラックマン(キャロル)

 ワースト作品についても触れておきたい。まずは日本映画。

1.リップヴァンウィンクルの花嫁
 岩井俊二監督も“終わって”しまったようだ。盛り上がりも無い3時間は、苦痛以外の何物でもなかった。
2.君の名は。
 これは“子供向け”だろう。しかしながら、この異常なまでのヒットは違和感しか覚えない。再度念を押すが、これは質的にも“子供向け(=子供だまし)”でしかない内容なのだ。
3.淵に立つ
4.ふきげんな過去
5.アズミ・ハルコは失踪中
6.女が眠る時
7.俳優 亀岡拓次
8.団地
9.ジムノペディに乱れる
10.猫なんかよんでもこない。

 次に外国映画。

1.スポットライト 世紀のスクープ
 ハリウッドにおいてはユダヤ系勢力が強いことを再確認しただけの映画。アカデミー賞を取ったりしているのも、まあ頷ける。
2.ブリッジ・オブ・スパイ
 やっぱりスピルバーグ印。コーエン兄弟に脚本を担当させても、登場人物の内面描写なんかまるで覚束ない。
3.ヘイトフル・エイト
4.ルーム
5.ブルックリン
6.マジカル・ガール
7.山河ノスタルジア
8.ヴィクトリア
9.ゴーストバスターズ
10.X-MEN:アポカリプス

 さて、映画とは直接は関係ないが、2016年は多くの有名ミュージシャンが世を去ったことでも記憶されるだろう。デイヴィッド・ボウイにプリンス、モーリス・ホワイト、グレン・フライ、キース・エマーソン、グレッグ・レイク、レオン・ラッセル、ジョージ・マイケル、ピエール・ブーレーズ、ニコラウス・アーノンクール、冨田勲etc. 改めて時の流れを感じずにはいられない。
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ユナイテッド・シネマ福岡が閉館。

2016-04-04 06:22:50 | 映画周辺のネタ
 今年(2016年)の3月31日をもって、福岡市中央区地行浜にある福岡ドームに併設されていたショッピングモール“ホークスタウン”の中にあったユナイテッド・シネマ福岡が閉館した。映画館だけではなく、モールそのものも閉鎖。同地区にあったライヴ会場のZepp Fukuoka(閉館は5月)やHKT48劇場も同様である。



 ホークスタウンモールはダイエーグループが2000年4月に開業。その後は三菱地所の手に渡ったが、最近は空き店舗が目立ち、集客力が落ちていた。確かに、これだけ寂れた地域に映画館を置いておく理由は見当たらず、劇場を畳むのは仕方が無かったのかもしれない。

 しかしながら、10スクリーンを擁するシネコンが無くなって、映画好きの福岡市民が受けるダメージは少なくない。この映画館は市街中心地に位置していなかったが、車が無ければアクセスが難しい郊外型でもなかった。道を隔てれば住宅地が広がり、地域住民にとっては散歩のついでにフラリと入れる身近な存在であったことは確かだろう。



 また、発足当時からときどき他劇場とは違う独自の番組を提供することでも知られていた。最近では“未体験ゾーンの映画たち2015”という特集上映の福岡での会場となったことが記憶に新しい。

 同モールは内容も新たに2018年に再出発するらしいが、そこに映画館が入ることは難しいと思う。だが、福岡は映画興行の需要が少なくない土地柄なので、近い将来どこか別の場所に再オープンすることが予想される。願わくば福岡市内、それも鉄道の駅からあまり離れていない場所で営業を再開してほしいものだ。
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適当に選んだ2015年映画ベストテン。

2015-12-30 15:20:00 | 映画周辺のネタ
 2015年の個人的映画ベストテンを発表する。2015年は個人的事情により後半に鑑賞本数が減り、全ての注目作をカバーしているとはとても言えないが、とりあえず10本選んでみた、



日本映画の部

第一位 恋人たち
第二位 きみはいい子
第三位 0.5ミリ
第四位 バクマン。
第五位 深夜食堂
第六位 駆込み女と駆出し男
第七位 お盆の弟
第八位 なつやすみの巨匠
第九位 予告犯
第十位 群青色の、とおり道



外国映画の部

第一位 パーソナル・ソング
第二位 セッション
第三位 ストレイト・アウタ・コンプトン
第四位 おみおくりの作法
第五位 サンドラの週末
第六位 イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密
第七位 キングスマン
第八位 アクトレス 女たちの舞台
第九位 ナイトクローラー
第十位 シェフ 三ツ星フードトラック始めました

 外国映画の上位は音楽をテーマにした作品が並んだ。私が音楽好きということもあるが、音楽の持つ魅力と魔力を存分に味わえた作品群だった。

 なお、以下の通り各賞も勝手に選んでみた。まずは邦画の部。

監督:橋口亮輔(恋人たち)
脚本:高田亮(きみはいい子)
主演男優:篠原篤(恋人たち)
主演女優:安藤サクラ(0.5ミリ)
助演男優:坂田利夫(0.5ミリ)
助演女優:黒木華(母と暮せば)
音楽:坂本龍一(母と暮せば)
撮影:上野彰吾(恋人たち)
新人:渋谷すばる(味園ユニバース)、広瀬すず(海街diary)

 次に、洋画の部。

監督:マイケル・ロサト=ペネット(パーソナル・ソング)
脚本:ウベルト・パゾリーニ(おみおくりの作法)
主演男優:マイケル・キートン(バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))
主演女優:ペ・ドゥナ(私の少女)
助演男優:J・K・シモンズ(セッション)
助演女優:クリステン・スチュワート(アクトレス 女たちの舞台)
音楽:アレクサンドル・デプラ(イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密)
撮影:エマニュエル・ルベツキ(バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))
新人:タロン・エガートン(キングスマン)、サラ・スヌーク(プリデスティネーション)

 さて、以下はついでに選んだワーストテンである(笑)。

 邦画ワースト

1.ソロモンの偽証
 前後半合わせて4時間、ただの“子供の遊び”を漫然と追っただけ。観る価値無し。同じようなネタならば、台湾映画「共犯」の方がよっぽど面白い(ちなみに、あっちは1時間半でまとめている)。
2.海街diary
3.百日紅 Miss HOKUSAI
4.FOUJITA
5.ジヌよさらば かむろば村へ
6.さよなら歌舞伎町
7.バケモノの子
8.この国の空
9.母と暮せば
10.ヒロイン失格

 次に外国映画。

1.アメリカン・スナイパー
 いかにもイーストウッド監督作らしい、要領を得ない映画。作品の出来よりも、これを褒めている評論家諸氏の思考形態の方が興味深い。
2.博士と彼女のセオリー
3.Mommy マミー
4.ザ・トライブ
5.神々のたそがれ
6.さよなら、人類
7.ターミネーター:新起動/ジェニシス
8.マッドマックス 怒りのデスロード
9.アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン
10.ヴィジット

 相次ぐテロ等で、世界は混迷の度を増しているような気がする。この状態を前にして、これから各映画作家はどういうメッセージの発信をおこなうのか、注視したい。
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雑誌「SCREEN(スクリーン)」について。

2015-12-27 06:26:51 | 映画周辺のネタ
 近代映画社が発行している映画雑誌「SCREEN(スクリーン)」が、今年(2015年)9月に通巻1,000号を達成したという。創刊は1947年で、1919年に産声を上げたキネマ旬報誌よりは新しいが、それでも相当古いことは確かだ。

 前にも書いたが、この雑誌は私も十代から二十代始めの頃によく購読していた。洋画専門誌なので外国映画の記事が中心だが、見やすいレイアウトで、特に作品紹介欄とストーリー内容が別掲載になっているあたりが便利だったと思う(後に同じページに載せられるようになったらしいが ^^;)。基本的に公開される映画はすべて取り上げられ、洋画ポルノの記事まであったのには苦笑したことを覚えている。



 私が最も好きだった連載は評論家の双葉十三郎による「ぼくの採点表」だが、それ以外にも話題作をピックアップしての長文の評論が載っていたのは興味深かった。雑誌の性格上ミーハー的な読者が多いと思われたが、それらの評論はけっこう硬派で、いわゆる提灯記事なんか見当たらなかった。この媚びない姿勢が面白いと思ったものだ。

 しかし、いつの頃からか記事内容が低年齢層を意識したものに変わっていき、私としては違和感を覚えるようになって敬遠するようになった。それでも洋画関係の新作ニュース等は充実していたので、ときおり読んでいた。

 また、この雑誌の俳優・スタッフの表記は独特だ。たとえばフェイ・ダナウェイをフェー・ダナウェー、レオナルド・ディカプリオをレナード・ディカプリオ、ケヴィン・コスナーをケヴィン・コストナーといった具合に、大方の呼び方とは違うスタイルを頑なに守っている。いつだったか、読者投稿欄に“どうしてそんな表記にするのか”という質問が掲載されたことがあったが、編集側は“原語での読み方に近い表記を採用している”といった回答を返していた。私は心の中で“そりゃ違うだろ!”と突っ込みを入れたことは言うまでもない(笑)。

 集英社から出ていた同様の雑誌「ロードショー」は廃刊になり、洋画専門誌としては唯一の存在になった感があるが、発行元の経営のゴタゴタも乗り越えて、今でも存続していることは立派だ。ネットの普及で雑誌そのものも斜陽化しているが、可能な限りリリースを維持して欲しい。
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2014年の映画ベストテンを気ままに選んでみた。

2014-12-31 07:57:12 | 映画周辺のネタ
 2014年の個人的な映画ベストテンを選出してみた。



日本映画の部

第一位 そこのみにて光輝
第二位 こっぱみじん
第三位 福福荘の福ちゃん
第四位 日々ロック
第五位 百円の恋
第六位 小さいおうち
第七位 夢は牛のお医者さん
第八位 ぼくたちの家族
第九位 WOOD JOB! 神去なあなあ日常
第十位 ジャッジ!



外国映画の部

第一位 罪の手ざわり
第二位 ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅
第三位 ダラス・バイヤーズ・クラブ
第四位 インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌
第五位 her 世界でひとつの彼女
第六位 ぼくを探しに
第七位 ブルージャスミン
第八位 キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー
第九位 郊遊 ピクニック
第十位 マダム・イン・ニューヨーク

 なお、以下の通り各賞も勝手に選んでみた。まずは邦画の部。

監督:呉美保(そこのみにて光輝く)
脚本:藤田容介(福福荘の福ちゃん)
主演男優:綾野剛(そこのみにて光輝く)
主演女優:大島美幸(福福荘の福ちゃん)
助演男優:坂田聡(百円の恋)
助演女優:黒木華(小さいおうち)
音楽:ジム・オルーク(私の男)
撮影:飯岡聖英(こっぱみじん)
新人:門脇麦(シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸)

 次に、洋画の部。

監督:アレクサンダー・ペイン(ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅)
脚本:ジャ・ジャンクー(罪の手ざわり)
主演男優:ランビール・カプール(バルフィ!人生に唄えば)
主演女優:シュリデヴィ(マダム・イン・ニューヨーク)
助演男優:ジャレッド・レト(ダラス・バイヤーズ・クラブ)
助演女優:ヘレン・ハント(セッションズ)
音楽:クリストフ・ベック(アナと雪の女王)
撮影:フェドン・パパマイケル(ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅)
新人:ブリット・マーリング(ザ・イースト)

 さて、以下はついでに選んだワーストテンである(笑)。

邦画ワースト

1.舞妓はレディ
 粗悪な脚本、大根演技、ポンコツ演出と三拍子揃った救いようのない駄作。ミュージカル仕立てなのに作り手に音楽センスがゼロという惨状で、存在価値は皆無。
2.紙の月
3.渇き。
4.TOKYO TRIBE
5.蜩ノ記
6.超高速!参勤交代
7.白ゆき姫殺人事件
8.小野寺の弟・小野寺の姉
9.春を背負って
10.青天の霹靂

洋画ワースト

1.それでも夜は明ける
 題名とは裏腹に、ちっとも“夜は明けない”モヤモヤした展開に終始。どうしてこの程度の映画がアカデミー賞を取れたのか、理解不能である。
2.ウルフ・オブ・ウォールストリート
3.アデル、ブルーは熱い色
4.6才のボクが、大人になるまで。
5.アクト・オブ・キリング
6.エレニの帰郷
7.チョコレートドーナツ
8.ダイバージェント
9.トランセンデンス
10.エージェント:ライアン

 日本映画の企画力の貧困ぶりはどうしようもない。そこそこ名の知れた漫画やお手軽な読み物の映画化、あるいはテレビ番組の拡大版ばかりが目に付く。そこそこ客は入るのだろうが、明らかに“守り”のマーケティングでしかなく、作っていて何が楽しいのかと思ってしまう。中長期的な視点を欠いた運営では、ジリ貧になるのも仕方が無い。

 外国映画に関してはあまりコメントすることは無いが、インド映画の再評価は印象に残った。アメリカ映画一辺倒の興行も、少しは考え直す余地があるとは思う。

 2014年は高倉健や菅原文太などの大物が相次いで世を去ったが、あらためて彼らの存在の大きさを感じずにはいられない。機会があれば、旧作を再チェックしてみたいものだ。
コメント (2)
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