斜視自動車評議会備忘録

実用車4台による12輪生活と気になるクルマの話題を中心に気になることをぼちぼちと

落とし穴の話

2011年08月29日 | 本日のニュース
石川県かほく市の死亡事故です。

まずは、良く掘ったなと。。

だって、人力床掘ですよ。個人的には現地盤下がり60cmぐらいが限界だと思います。

次に、身長超えどころか下半身が埋まる深度なら、悪戯ではなくもう明確な殺意を持った落とし穴でしょ。

直径2.4m×深さ2.5mの円柱状の落とし穴だとしたら、地山換算掘削土量は約11.31m3になります。(実際にはテーパーが付いているので、もっと少なくなるとは思います。)
しかも、掘り出す時には空気を含んで掘削砂はふくれますから…
一般的なほぐし率1.20で換算すると、13.51m3にもなります。

含水比によって違いますが、砂の単位質量は1700~1850kg/m3ぐらいあります。

そして、砂の単位質量を1800kg/m3とした時に20t近くの砂を掘ったという事です。

たぶん、50cmも埋まってしまえば、自力では脱出出来ないと思います。

これは大袈裟な数値だとしても、7掛け位の数値は出てると思うので。。15t近い砂を人力で掘った可能性は十分にあります。

いたずらの量ではありません。

仮に直径1.0m×深さ1.0mの落とし穴の場合は、地山換算の掘削土量は0.8m3ぐらいですから、今回の落とし穴はこれの約10~14倍の土量になります。

穴掘りに関わったものは全員、最低でも業務上過失致死ぐらいで立件されないと。
夫を殺すぐらいに驚かそうと思った妻も、被疑者死亡のまま書類送検されるべきでしょうね。
それに、無許可で砂浜にこんな大穴を掘っていいのか?
海なし県だからわからんけど、公共の場所にないかをするときにはそれなりの届け出が必要なはずだと思います。

せめてもの救いは、第三者が落ちて大惨事に至らなかったことでしょうね。

何重もの安全対策を取ってこその悪戯であって、今回のは結果ではなく、計画段階遅くとも、2.5mの深さに掘り上げたものに人を落とそうとした段階で、蟻地獄に落下させて、人を殺そうしたようなもんでしょ。

これが、本当に誕生日を祝ったサプライズなのでしょうか。
これは事故ではなく、事件では?

あと、毎度おなじみの「テレビ番組の影響」はやめましょう。
某子どもに見せたくないNo.1でも、深い落とし穴には、緩衝用のスポンジ材と斜面崩壊防止の締め切り材とその支保工がされています。(そして、救急車やバックホーがカメラ裏に控えていますよね。)
当事者たちは二十歳を超えたいい大人達です。そういった安全対策が見えないような年齢ではないと思います。

補足
世間では、「未来ある若夫婦とその友人の悪戯が一転して悲劇」みたいな論調もあるようですが。。
結構厳し目なのは、個人的に仕事で人が入るためにこの程度の深さを持つ穴を掘ることがありますが、どれだけの時間やお金をかけて安全対策をしているか。(落とし穴掘りのプロではないですよ。念のため。)
少なくとも乾燥すると表面から巻き込むように崩壊しやすい砂地盤で、軽量鋼矢板+腹起こし材も入れずに人を入れるなんて事は出来ないし。。
1.2mを超える落差のあるところに落下時の緩衝対策もしないなんて。。
労働安全衛生法・同施行令に基づく規則に誓って有り得ないですね。(最近は高所作業に関わる事の方が多いですが。)