斜視自動車評議会備忘録

実用車4台による12輪生活と気になるクルマの話題を中心に気になることをぼちぼちと

見えない仕事

2011年08月08日 | みちのはなし
週末の罰ゲーム的資格試験と月曜日の研修で、更新が滞りました。

先週より、勤め先に大学3年生のインターンが来ています。

大学は違うのですが、当方の高校の後輩になります。
年はひと回り違いますが、同じ先生が担任だったようです。(あの高校に17年いましたからね。)

そんな履歴書に目を付けた、偉い方々が当方を指導担当につけました。

そんな彼は、橋梁に興味があるようです。

残念ながら橋梁は、当方の本業(←偉そうだな)ではありません。

橋梁にかかわる設計もする事はあるのですが、そのほとんどが完成すると必要がなくなり、撤去されてしまいます。
具体的な内容を挙げますと、搬入路設計、施工ヤード設計、河川締切計画、仮設(足場)計画、旧橋撤去・搬出計画等々です。
完成した橋には無いものばかりです。

運がいいと、搬入路が河川の遊歩道として、施工ヤードを親水公園として残る事がありますが、そんなのは数えるほどです。

橋を架けたり補修したりするには欠かせないですし、いくら立派の絵を描いても造れなければ意味がありませんから、何が大切とか担当している場所での優劣はないのですがね。

インターンに来た学生さんも含めて、劣った分野やつまらない分野のように思われているようで。。

本当は、そんなことはなくとても大切で、面白い分野だし、センスもかなり要求されます。

こういったモノに要求されるのはとても厳しく…

橋梁全般の施工に耐えられる構造である事は当たり前として。。

如何に短期間に施工できるか
如何に安く造れるか
如何に影響範囲を小さくできるか
如何に速く復旧(取り壊し)できるか

しかも、設計に取り掛かれるのは最後の方で、往々に短期決戦になる事が多いというおまけ付き。

当然、橋梁全体の事を把握しないとできません。
桁は搬入出来ても、PC杭が搬入出来ないようじゃ駄目だし、建設機械やトレーラーのスペックも把握する必要があります。
建設機械だって、理想のスペックを持つものが見つかっても、日本に数台しかないようなものは推せませんからね。

最近はまっさらな場所に架ける新設橋は減っていますから、より制約条件が多くなっています。

職業病で、初めて見た橋は川の流れ、幹線道路の方向や堤防の形を見て、どっちから部材を搬入したか考える事もあります。

自分の抱負も含めてなんですが、どの分野でも対応できるように全般的な知識を持って行かないと。。

補足
個人的には、建設機械の諸元表を眺めているだけでも仕事になるから、かなり面白い分野だと思うのですがねぇ。
本業な方でも、「いつも時間に追われて、こんなことばっかりやりたくない!」と言って辞めて行った方もいます。
吊り橋のアンカーを設置する場所の地質調査の機材を搬入するためのロープウェイを設置するために必要な資材を搬入路設計なんていう、舌を噛みそうな仕事をすることもあります。