斜視自動車評議会備忘録

実用車4台による12輪生活と気になるクルマの話題を中心に気になることをぼちぼちと

シンドラーのリストを見て

2006年06月18日 | 本日のニュース
もちろんエレベーターの方です。

今日は横浜の市営地下鉄で止まったそうです。(昨日利用したばっかりだよ)

不思議な事に気が付きませんでしたか?
日本ではシェアの低いメーカーのはずなのに、特定の分野の施設に限ると異常に採用率が高いのです。

その分野とは公共施設や公共機関が発注した施設です。

個人的には「やはり」と思っただけです。

公共事業は要求される性能を低価格で満たしたモノを採用する事が、大原則になります。
そんな事からシンドラー社のエレベータは優秀なコスト縮減製品として広く採用されたのでしょう。
コスト縮減が叫ばれて久しい公共事業ですが、結構画竜点睛に欠くコスト縮減を実施している場合もあります。

初期導入コストの縮減のみで、維持管理を考慮したライフサイクルコストでは従来のものより高コストになってしまう事例。(最近は少なくなってきましたが、目の当りにした事があります)
後は保守点検で儲ければいいので、取り敢えず導入する事が大切といったビジネスモデルによって設定されたダンピング価格に飛びつく。(エレベータに限らずいろいろなモノにありますよ)

今回のエレベーターは機種選定時は後者の理由で採用し、維持管理業者の決定も応札価格を最優先して選定していたのではないでしょうか?(詳細は知らんよ)
そのメーカーのエレベーターの保守・点検実績なんかは入札参加業者の条件に入っていなかったと思います。(自由競争入札の阻害になるだろうしね)
規制がいいとはいいいません。その代わり採用者側は玉なのか石なのかを見分ける知識を身につける必要があるのです。

導入時には10年間の使用時の保守率(あるのか?)やトラブル発生件数の公表データがあれば、選定されなかった可能性もあります。
また、エレベーター業界自体が、独立系保守管理業者には回路図や純正補修部品の入手を困難にするなど、閉鎖的な業界だそうです。(公取委にゴルァされたこと有り)
製品の採用承認を出した技官はそこまで把握した上での承認だったのでしょうか。
数社から見積もりをとって、低価格な製品である事だけを理由に承認を出してしまったのでは
ないでしょうか。

税金で造る施設だからこそコスト縮減にとらわれすぎた結果、本来の性能を発揮できなくなってしまったなんていう本末転倒な事態にならないように願います。
「安物買いの銭失い」という言葉はとても深く、重たい言葉なんだと思います。
ひとりの人の命や普段快適に使える事がどれだけの価値があったのかを考えて欲しいのです。
今後シンドラー社のエレベーターはどうなるのかは知りませんが、かなり高い授業料になったことは間違いないと思います。

最初は独立系管理会社のミスと訴えていましたが、こうも毎日トラブルが起きているところを見ると、港区の事故だけが特別とはいえない状況です。
むしろ明るみに出ていなかったことのほうが、怖いぐらいです。
そのままいっていたら、「公共機関での採用実績の多い」なんていう枕詞が付き、最高の宣伝になってしまったんでしょうね。

補足
まぁこんなことを書くと、「安いことはいけないことですか。ボクのところが安すぎて皆さんが恨んでいるんでしょう。」何て言われそうですが…
プログラムに欠陥があったみたいですから、社長も出た謝罪(当方には自社製品の宣伝に聞こえたけどね)会見は、どうやら真実を語ったわけではないようです。
当方の見解としては「安くて良いもの。」ほどハードルの高いものはなく、「高くて良いもの」若しくは「安くて妥協できるもの」がほとんどだと思っております。

基本的には値段なりの性能の事が多い。。