斜視自動車評議会備忘録

実用車4台による12輪生活と気になるクルマの話題を中心に気になることをぼちぼちと

今度は約56万台!!

2006年06月01日 | リコール
またまたトヨタが、数十万台規模のリコールを届け出ています。
今回の対象車種はプリウス・アイシス・ウィッシュ・カローラ・ラクティスの5車種です。
詳しくは国土交通省のリコールのページを確認願います。こちらです。(PDFファイルですので、AdobeReaderが必要です)

該当車両のオーナー様はメーカーから届く、ダイレクトメールなどに従って、部品の交換をお願いします。
貴方や同乗者の安全だけではなく、周囲に迷惑を掛ける前にもお願いします。

最近おおいですねぇ。
この手の大規模なリコール。
誰です、「ミツビシの件以降、リコール隠しとヤミ回収がし難くなったので、増えている。」なんていっているのは。
確かに、この手の部品の共通化なんて20年以上前から進んでいたことだろうし、最近になってリコールが増えているのも事実です。
では、「PL法の絡みなのでは?」と考えたとしても、施行直後ならまだしも、ずいぶんと時が経っています。
安定して強度の不足している部品を供給していたとすれば、材料や生産管理の問題でもなさそうです。
となると残されたのは開発時点での落ち度が原因なのではないかと推測できます。(あくまで推測、断定ではありません)

当方は分野は違いますが、たまたま、設計・製図する立場としています。
その経験からすると、自動設計(CADや計算ソフト)の進歩によって、部品の強度をミスするのは手書き・手計算の頃より“ヒューマン・エラー”によるものが増えているのではないでしょうか?
土木設計ではベース図(同様別部品の設計図)をもとにコピー&ペーストで作図してしまうため、設計条件や引き出し数値が元データのまま残っている事が増えています。
また分業化・自動化が進んだことにより、その分野の専門知識を有さない人でも強度計算や製図が出来ます。
何の数値を入力したのか分からないのにOK/NG出るので判定が可能だったり、車の知識は無くて何の部品を書いているのか分からなくても、CADソフトの操作が出来れば製図が可能です。

計算ソフトに頼った結果、あまり市場性のない寸法の鋼材を使用していたり、計算書と図面でダイヤ・ピッチ・許容応力度の表示が違うなんてことはザラです。
きっと、計算ソフトの結果を照査無しに使用しているからでしょう。
どのくらいの結果が出るのか想像がつかないので、ハネていても違和感を感じないのでしょう。
もっと凄くなると、判定結果だけを差替えるといった、耐震偽装問題用のことも出来てしまうのです。
分業化を批判するわけではありませんが、各分野で担当される方は完成品がどのようなものでとか必要とされる計算の流れを把握してください。

自動車メーカーは開発期間の短縮やコスト縮減を最優先にした開発は、信用を失い、回収の費用がかかるだけとデメリットばかりということに気が付いてほしいのです。
そして、開発担当の技術者の方は絶対に外注先やCADオペレーターのせいにしないでください。
最後に承認した貴方の責任です。その方々は貴方のてとして活躍したわけですから。(何か職場でよく言われていることみたいだ‥)

補足
新たな兄弟車の定義として、リコールのかかった部品を共通して使用している車種というのはどうでしょう?
意外とネタになる(不謹慎)ので、新カテゴリーとして“リコール情報”をカテゴリーに加えました。