1985年にスイスとフランスの数学者(ジョゼフ・オステルレ、デイヴィッド・マッサー)によって提示された、数学特に整数論の分野の難問です。両者の名前をとって“オステルレ–マッサー予想”とも呼ばれているようです。これまで35年間その予想の証明ができていなかったようです。
この予想を平たく表現すると、「1以外に共通の約数を持たない2つの正の整数a、bにおいて、a+b=cとし、a、b、cそれぞれの素因数(即ち、自然数の約数になる素数)を掛け合わせたものをdとするとき、c>dとなることは珍しい(注:定式表現は略)」というもので、この予想を証明することが難かしかったようです。
京都大学数理解析研究所(数理研)の望月新一教授が、自ら開発した新たな手法である“宇宙際(うちゅうさい)タイヒミュラー理論”というものを用いて2012年に証明し、その内容を同教授のホームページへ公表するとともに雑誌へ投稿していましたが、内容が難しく査読に時間を要した結果、2020年4月になってようやく正しさが検証されたとのことで、数理研が発行する国際的な数学誌「PRIMS(ピーリムス)」に掲載されることが決まったようです。これにより、35年間未解決となっていた“ABC予想”の正しさの証明がなされ難問が解けたということです。
ちなみに、この難問は、過去における“フェルマーの最終定理”や“ポアンカレ予想”と呼ばれるものと同等レベルの難しさだそうです。数学分野のノーベル賞にあたる“フィールズ賞”級の業績だそうです。なお、望月教授が開発した上記理論は他の整数論の問題を解く強力な道具にもなると期待されており、今回の証明の正しさが認められたことは他の様々な難問の解決へのインパクトも与えるのではないかと考えられています。
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