気になるキーワードや製品のコレクション(IT編)

メルマガ、新聞、雑誌などに登場する(増田悦夫の)気になるキーワード、製品を取り上げ、ITの進展をフォローします。

“ローカル5G”とは

2019-12-26 23:58:29 | モバイル・ワイヤレス通信技術/サービス

総務省が5G(第5世代移動通信システム)に関する政策として打ち出した5Gのひとつの導入形態です。即ち、企業や自治体が、5Gの通信環境を「自営網」で構築しローカルなエリアに限定したIoTやスマート工場として利用できるようにするものです。

総務省では、ローカル5Gの周波数帯域をドコモ、ソフトバンク、KDDIなどの通信キャリアとは別に、民間の電機メーカーや情報端末メーカー、自治体などへ提供する予定で、12月24日より無線局免許の申請を受付けています。申請が許可されると、比較的小規模な5G通信環境を自前で構築できることになります。

総務省はローカル5Gのコンセプトとして以下の3点を提示しています。

(1)5Gを利用すること

(2)地域において、ローカルニーズに基づく比較的小規模な通信環境を構築すること

(3)無線局免許を自ら取得することも、免許取得した他者のシステムを利用することも可能であること

ローカル5G通信環境の導入箇所として、工場、スタジアム、空港、病院、農場などが想定されています。

>工場:生産ライン設備の状況把握や遠隔制御

>スタジアム:スポーツやコンサートなどの映像配信

>空港:映像監視や自動搬送

>病院:入院患者の状況把握や遠隔治療

>農場:生育状況の把握や農作業の自動化

電機メーカーとして、NEC、富士通、パナソニック、東芝などがローカル5Gへ参入しようとしているようです。総務省では、実証実験などを経て、2020年後半には、ローカル5Gの本格サービスを開始したいようです。

以下は、ローカル5Gについての総務省の説明です:「ローカル5Gは、携帯電話事業者による全国向け5Gサービスとは別に、地域の企業や自治体等の様々な主体が自らの建物や敷地内でスポット的に柔軟にネットワークを構築し利用可能とする新しい仕組みであり、地域の課題解決を始め、多様なニーズに用いられることが期待される。基本的には、自営目的での利用を想定しているが、地域に密着した多様なニーズに対応するために、地域の企業等にネットワーク構築等を依頼し、電気通信役務として提供を受けることも可能としている。」(https://www.soumu.go.jp/soutsu/hokkaido/2019/1224b.html)

 


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“マッシブMIMO”とは

2019-02-02 23:04:24 | モバイル・ワイヤレス通信技術/サービス

第5世代移動通信システム(5G)における高速通信を実現する技術のひとつです。

基地局と携帯端末との通信に複数のアンテナを同時使用し高速化を図るMIMO(マイモ)と呼ばれる技術が知られています。複数のアンテナから同じ内容の電波を発射し、受信する携帯端末側でそれらを合成する仕組みです。第4世代(4G)の移動通信システムにおいて利用されています。

4Gの場合は、基地局で細長い1~2本のアンテナ(4素子相当)によって通信を行っていますが、5Gでは基地局当たり多くの携帯端末が高速に通信できるよう、長方形あるいは正方形に近い板状のアンテナに多数のアンテナ素子を並べるようにして実現されるようです。これを「マッシブMIMO」と呼んでいます。

アンテナ素子数としては、4Gの10倍以上になるようです。例えば、正方形タイプ縦8素子×横8素子の64素子、最大で16素子×16素子の256素子などです。

マッシブMIMOを実現する素子数の多いアンテナは、高速通信を実現するために携帯端末を持つユーザを狙って複数アンテナからの電波を集中させる「ビームフォーミング」と呼ばれる5Gの技術にも不可欠とのことです。

 

 


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“スマートキーとリレーアタック”とは

2019-01-31 23:07:07 | モバイル・ワイヤレス通信技術/サービス

「スマートキー」とは、キーを差し込まなくても車のドアの施錠や解錠、さらにはエンジンの始動が可能な仕組みです。

スマートキーを持って車に1m程度に近づきドアノブに触れるとキーのID情報が車に認識されてロックが解除されたり、車から降りドアノブに触れただけでロックを設定できます。また、キーを差し込むことなくエンジンのスタートボタンを押すだけでエンジンをかけられます。

通常、車の周囲約1m以内にキーが近づかなければ、キーのID情報が認識されず、ロックの解除やエンジンの始動は行われないのですが、最近、キーが1mよりも離れた所にあるにもかかわらず車のロックが解除されたのではないかという事件(*)がおき、心配されています。この事件の原因と考えられているのが、「リレーアタック」と呼ばれる手口です。

(*)2018年5月(守口市)、9月(東大阪市)、2019年1月(茨木市)、大阪府で発生しているようです。

リレーアタックとは、犯行グループのひとりが、車から離れた運転者(注:スマートキーを所持)に近づき、スマートキーが常時発する微弱な電波を特殊な装置(特殊な中継器)で受信・増幅し別な仲間に送信、このような中継を繰り返し、車から約1m以内の仲間に伝わると、その仲間がロックを解除できたり、エンジンを始動できたりしてしまうということです。

海外では既にこの手口による被害が確認されているようですが、日本でも今後が心配です。

 

 

 

 


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“ワイヤレス型固定ブロードバンド”とは

2019-01-04 23:55:31 | モバイル・ワイヤレス通信技術/サービス

固定ブロードバンド(即ち、固定された場所からインターネットへアクセスする際のブロードバンド回線)をワイヤレス通信で代替するサービスです。

ソフトバンクが提供している「Softbank Air」と呼ばれるサービス(*)は、このサービスに該当するようです。「モバイルルータ」を携帯し、スマホ~(Wi-Fi)~「モバイルルータ」~(携帯回線)~インターネット、のような接続でインターネットがよく利用されていますが、「モバイルルータ」部分を家庭内の適当な場所に置き、インターネットアクセスを行うようなイメージです。

この種のブロードバンド回線の契約数が、最近、急速に拡大しているとのことです。有線ブロードバンドの光回線(FTTH)サービスに比較し、工事不要で利用開始できる点が受けているようです。

MM総研の調査によると、FTTHの契約数の増え方は鈍化傾向にあり(即ち、2017年度上半期の純増数64万8千件に対し2018年度上半期は44万2千件)、ワイヤレス型固定ブロードバンドの契約数の増え方の方が大きくなっている(即ち、2018年度上半期の純増数は54万件)とのことです。MM総研の予測では、2018年9月時点でのワイヤレス型固定ブロードバンドの契約数273万件は、2023年3月末には841万件まで増える見込みとのことです。

(*)Airターミナルと呼ばれる専用機器を家庭のコンセントに差し込むだけで利用できます。スマホやPCとAirターミナルはWi-Fiで接続され、ターミナルとインターネットとは4Gの携帯電話回線を利用して接続します。利用イメージの動画サイトは、https://www.youtube.com/watch?time_continue=90&v=mCa21DNHN98です。

 

 

 


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“無線LAN規格の新名称(Wi-Fi Alliance)”とは

2018-10-31 23:55:41 | モバイル・ワイヤレス通信技術/サービス

無線LANの業界団体である「Wi-Fi Alliance」が、2019年より導入予定の無線LAN規格に対応する新名称です。

現在、無線LAN規格の名称は、標準規格を検討するIEEEの委員会名を用い、「IEEE802.11」の後ろにアルファベットを付けて、IEEE802.11a、同.11b、同.11g、同.11n、同.11acなどと呼ばれています。しかしながら、このような名称について世代の順が分かりにくいなどの問題が指摘されていたため、新たな名称を付けるようにしたようです。

具体的には、第4世代にあたる「IEEE802.11n」を「Wi-Fi 4」と、第5世代にあたる「同802.11ac」を「Wi-Fi 5」と、さらに、(2020年に規格化が予定されている)第6世代の「同802.11ax」を「Wi-Fi 6」と、それぞれ呼ぶようにするとのことです。また、これらに対応するロゴも導入されるようです。

なお、IEEE802.11nよりも前の第1世代(IEEE802.11)、第2世代(同802.11a、同802.11b)、および第3世代(同802.11g)については、名称は変更せずそのまま使用するとのことです。

新名称の発表(2018.10.3)に関するサイトは、https://www.wi-fi.org/news-events/newsroom/wi-fi-alliance-introduces-wi-fi-6です。


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“IEEE 802.11ax”とは

2018-10-30 23:14:35 | モバイル・ワイヤレス通信技術/サービス

2020年1月に規格化される予定の新しい無線LAN規格です。現在の最新規格であるIEEE 802.11ac(注:2013.12規格化)の後継となります。

開発目標として、(1)伝送速度の向上、(2)スループット(伝送容量)の拡大、(3)収容できる端末数の拡大、の3点が挙げられています。

(1)については、4K動画、AR/VRなどのコンテンツを快適に利用できることを想定し、.11ac規格の6.9Gbpsに対し、9.6Gbpsの実現を目指し、(2)については、空港や駅、サッカースタジアムなどで多くの利用者が同時に通信できることを想定し、.11ac規格の4倍以上のスループットを目指し、さらに(3)については、工場内や倉庫内における無線LAN利用によるIoT化を想定し、より多くの端末を無線LANへ収容できることを目指しています。

この規格は、周波数帯として、2.4GHz帯、5GHz帯の両方に対応しているようです。最新規格の.11acは、5GHz帯のみの対応になっていますが、.11ax規格では、IoT化への対応も考慮しているため、従来からの2.4GHz帯にも対応するようにしているようです。

その他、主要技術として、符号化(最高次数)が1024QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、マルチユーザ伝送技術がMU-MIMO(Multi User-Multiple Input Multiple Output )(上下両方向)、多重方式がOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)などとなっています。


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“eSIM”とは

2018-07-23 23:05:21 | モバイル・ワイヤレス通信技術/サービス

embedded(組み込み型)SIMの略で、本来は機器に組み込まれたチップ型SIMのことでした。最近では、遠隔の「eSIMシステム」から契約内容を書き換えできるSIMカードを指すようになっているようです。

「GSMアソシエーション」と呼ばれる、携帯電話の業界団体がeSIMの標準化に取り組み、「つながる車(コネクテッドカー)」などを対象とする法人向けeSIMが2014年に実用化されました。一方、ウェアラブル機器などの一般消費者向けeSIMの標準化は2016年10月に完了したとのことです。

「つながる車」ではeSIMの導入が都合いいようです。従来のSIMカードしか使えない場合には、輸出先の国や地域において携帯電話ネットワークに接続するために、当該ネットワーク毎に対応する事業者のSIMカードを差し込まなければなりません。また、いちいち差し込む方式では耐久性や防塵性の問題も起こりえます。eSIMでは、これらの問題が解消、あるいは起こりえないことになります。

eSIMに対応したディジタル機器として、2017年9月のアップルウォッチ3シリーズの他、最近では、スマートフォン、タブレット、ノートPCなども登場しているようです。 

関連ブログ(2017.6.17)は、https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/1ad474e8c48b224b293b7fb97f1c59e7です。


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“MousePro-P116AL(マウスコンピューター)”とは

2018-06-01 23:06:52 | モバイル・ワイヤレス通信技術/サービス

マウスコンピューターが、5月23日に販売開始した、タブレットとノートパソコンのいずれとしても利用できる、法人向け2in1型のコンピュータです。画面サイズは11.6型です。

「LTE通信に対応した法人向けの2in1タブレット」といったフレーズが付けられています。

SIMフリー端末となっており、通信事業者が提供している、LTE(高速通信技術)の利用できるSIMカードを装着することにより、携帯電話回線経由でのインターネット接続が可能です。

キーボードを上下方向に回転させることにより、タブレット端末として使用したり、ノートパソコンとして使用したりできます。

また、75cmからの落下に耐えられ、IP5X準拠の防塵機能を備えているようです。スタイラスペンが標準で付属しており、手袋をしていても画面入力を行うことができるとのことです。

本体のサイズは298.5×207.3×20~21.4mm(幅×奥行き×高さ)、重さは約1.39kgと軽量、バッテリー駆動時間は約10.3時間となっています。OSはWindows 10 Pro、メモリ容量は4GB、ストレージ容量が64GB(eMMC、組み込み型マルチメディアカード)です。

価格は、税抜きで7万4800円~です。

ニュースリリース(2018.5.23)のサイトは、http://www.mouse-jp.co.jp/company/news/2018/news_20180523_01.htmlです。


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“ヌードー(エスキュービズム)”とは

2018-04-06 23:11:27 | モバイル・ワイヤレス通信技術/サービス

EC支援・家電販売を手がけるエスキュービズム(s-cubism)が提供している「IoTワイヤレスコール」のサービス名称です。”noodoe”と綴ります。

IoTワイヤレスコールとは飲食店などで店員を呼ぶ際に利用される「呼び出しボタン」の次世代バージョンです。従来の呼び出しボタンとタブレット端末の中間的な位置づけの製品で、タブレットよりもシンプルな操作、呼び出しボタンよりも人手不足対策につながる製品として、注目されています。

ブロック形の端末がテーブルに置かれ、ブロックの各面に表示された「お水」「注文」「次の料理」「会計」などのうちの要件に対応する面を上に向けると、店員のリストバンド型のウエアラブル機器にワイヤレス(無線)で伝わり、店員は要件に対応した準備をしてテーブルにやってくることが可能となります。

従来の呼び出しボタンの時のように表示されたテーブル番号を見て、そのテーブルへ要件を聞くために一旦やってきて、要件確認後、改めて出直すというような非効率性が緩和されるとのことです。

動画による製品紹介サイトは、https://www.youtube.com/watch?time_continue=90&v=nqx-lQGLatoです。


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“5GMF(The Fifth Generation Mobile Communications Promotion Forum)”とは

2018-02-17 23:24:36 | モバイル・ワイヤレス通信技術/サービス

「第5世代モバイル推進フォーラム」と呼ばれ、総務省の「電波政策ビジョン懇談会」の中間報告を受け、第5世代移動通信システム(5G)の検討の加速、諸外国との連携、国際標準化への貢献等を目的に、2014年9月に設立されました。サイトは、http://5gmf.jp/です。

5GMFの設立に先立ち、2013年9月に「ARIB 2020 and Beyond AdHoc」という組織が発足し、2020年以降における地上系移動通信システムの概念及び基本構成に関する検討が行われていて、その内容が2014年10月8日付けで白書としてまとめられています。この検討内容は、5GMFの技術委員会で引き継がれ、現在、検討が進められている状況です。

5Gの用途(ユースケース)や要求条件は、世界でほぼ共通となっています。

即ち、5Gの用途としては、2014年10月8日版のARIB 2020 and Beyond Ad hoc白書に、以下の8種が挙げられています。

(1)交通:より使いやすく安全なナビゲーション、自動運転

(2)ヘルスケア:遠隔医療

(3)災害救助:予報、耐災害

(4)教育:遠隔教育、仮想体験

(5)リンチコンテンツ:マルチユーザーのUHD(Ultra High Definition)テレビ会議、高品質なビデオ/オーディオ/電子書籍の購入

(6)家庭:ホームセキュリティ

(7)家電機器:遠隔制御

(8)安全なライフラインシステム:渋滞回避、救助(遭難や事故など)

また、2020年の状況を想定した5Gの要求条件としては、以下のようなものが挙げられています。

(a)大容量化:5Gシステム容量を2010年の1000倍に

(b)接続端末数の拡大:(IoT、M2Mの進展を睨み)2014年当時の100倍以上の同時接続数に

(c)無線区間の遅延の短縮:(車車間通信による事故回避やロボットの遠隔制御への応用を考慮し)伝送遅延を1ms以下に

(d)省電力化と低コスト化

5GMFでは、2016年5月、ホームページ上に、5Gのコンセプトや実現に向けた課題の検討結果を白書第1版(英文)として公開しています。なお、現状の最新版は第1.1版となっています。下記サイトです。

http://5gmf.jp/whitepaper/5gmf-white-paper-1-1/

ARIB 2020 and Beyond Ad hoc白書のサイトは、以下です。

https://www.arib.or.jp/english/image/committee/adwics/02-00_2020bah/20bah-wp-100.pdf


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