ニューヨークの想い出

ニューヨーク生活20年間の想い出を書いていこうと思います。

2673、Son of Sam法

2015年06月22日 | Weblog
1997年に神戸連続児童殺傷事件(酒鬼薔薇聖斗)を起こした「元少年A」(32)が手記「絶歌」を出版しました。
被害者の遺族は反発しています。
衝撃的な事件で注目度も高く、よく売れているようです。(販売自粛の書店も)
価格は1500円(税別)で、その印税についても注目されています。

1976~77年にかけてニューヨークで6人を殺害した連続殺人事件がありました。
犯人のデビッド・バーコウォッツは警察やメディアに「サムの息子(Son of Sam)」を名乗る意味不明な手紙を送りつけ、ニューヨーク中を恐怖に陥れました。
逮捕から有罪が確定するまでの間、出版社が多額の報酬と引き換えに手記の執筆を持ちかけたことが問題視され、77年に「サムの息子」法が成立しました。
これは、加害者が犯罪行為をもとに手記を出版するなどして収入を得た場合、被害者側の申し立てにより収益を取り上げることができるというものです。
この事件は当時、アメリカで大きく報道されました。
その後、約40の州と連邦政府で同様の法律がつくられました。
バーコウォッツ受刑者は1978年に懲役365年の判決を言い渡され、今も服役中です。(ニューヨーク州には死刑がない)


「絶歌」の出版で、日本でも「サムの息子」法制定の声が高まっています。
表現の自由、出版の自由はありますが、被害者や遺族の心情を思うと手記の出版は?
印税を遺族に、という意見もありますが、遺族としては受けとる気にはならないでしょう。