人は恋煩いをすると、はた迷惑になる、という話を前回やった。
はた迷惑だが、バカとハサミは使いようである。その使いようを人に教えたという話であった。別にその相手がバカだという意味ではない。
改めて自分の状態を述べる。
昨日今日と休みで、夜に飲んで帰ってきて横になったのだが、寝たのかどうか定かではないほどずっと眠りにつかなかった。寝たかもしれないのだが、明らかに目が覚めている時間が長い。
気がつけば、外は明るくなっている。先日買って来た、美味いスコーンを作るパン屋のパンを食べ、茶を飲んで洗濯し、今に至る。
今までなら、そんな風に寝られなくて起きたら、体中がだるくて何も出来ないから昼寝しようとなって、夜まで寝ていることが普通。
無理に起きても欠伸ばかりで、何をするのも億劫だったのだが、「風呂に入って洗濯しよう」と思ったらさっさと動く。
洗濯に純粋な粉石けんを使っているので、泡立ちを確認しながら石けんの投入をするのだが、それをやっているうちに気づく。
「布団から出て座っている間は多少だるかったのに、なんでなんともなくなってるんだ?」と。
先日も書いたが、別にハイテンションで活動しているわけではない。徹夜の人が変なテンションになっているという具合は一切ないのである。
あまり食べなくなった、とも書いたが、昨日食べたものは、早朝にそのパン屋のスコーンとクロワッサン、夜に飲みにいった場所でつまみ二、三と半そばで、上記の流れとなる。
その前も、昼飯を食べてからは茶を飲んだ覚えがあるくらいで、その早朝まで食事らしい食事もしていないが、さして苦痛もない。
十年くらい前になるが、一度、ほとんど食べないで過ごす、ということをやってみたことがあった。
多少何かは食べたが、今と同じくやせていくにはいくのだが、筋肉まで衰えて、フラフラだった。
今は別にフラフラではない。こうなる前より力が出るくらいである。一昨日は数時間歩き回ったというのに、足も脚も何事もなかった。
ともかく、「恋煩い」は恐ろしいのである。
そんな恐ろしい話を、シャイン氏に教えた時に気づいた話をちょっとやる。
シャイン氏は物覚えが悪いはずで、そんなことを言ってもすぐ忘れるのではなかろうか?と質問があったわけでもないのだが、先日書き忘れたからである。
それは、先日にも書いた、勤務後の休憩中での話である。
何について喋ったのかは忘れたが、何かについて所見を述べたところ、シャイン氏はとても感心した。
そして「安生さんは、本をよく読まれるんですか?」と問うので、「別に多くは読みません。好きなのをたまに読み返すくらいで、今は『金枝篇』を読んでました」などと喋った覚えはある。
彼は「見識の深い人だなぁ」みたいなことを言っていたのを覚えている。
そこで先日に書いた話に戻る。
「恋煩いをしろ!」「Dドライブに嫁を持て!」という風には言っていないが、これをやってくれ、と言った。
人によっては突拍子もない話に聞こえることである。決してそうではないものだが、俗が過ぎて腐ると聞く耳を持たないのが人というもの。
だから、「頭のおかしな人の言っていることに聞こえると思いますが」と断って話を伝えると、彼はポロッともらした。
「いや、安生さんは見識の深い人だから、そんな風には」と。
そこでわかったのである。彼は決して他の社員やバイトがけなすような、ポンコツではなかったのだと。脳の機能が異常なわけではないのだと。
本当にポンコツなら、かつて自身が述べた言葉を覚えているはずはないのである。
ただ、仕事に追いやられてしまい、心身が硬直していたのだと。
本当に肩こりが過ぎている人は、肩が凝っていることがわからないのと同じ状態なのである。
念のため、それを伝えた次の日、参考資料と手紙を添えて、ロッカーに入れておいた。
封筒の上に「開封は帰宅後に」とメモを貼っておいたら、それすらめくってなかったので、わしが置いたものとは気づいてなかった。帰り際に伝えたら、「安生さんからでしたか」と言っていた。
封筒に自分の名前を大きく書いてたのだが、それで隠してしまったので、脇に貼ればよかったかと思ったが、どっちにしても仕事の邪魔になるので、よしとする。
後は彼しだいだ、とは先日も書いたが、渡した資料の通りに行い、工夫しつつ自身で体得してくれれば、ポンコツなんぞといわれることもないだろうと思う。
同じくポンコツだったわしなんか、妖怪染みてしまったのだ。普通の人が普通でないように思っているだけの普通の能力を手に入れられないわけがない。
何かこじれたような書き方をしているが、思うところがあって、こう表現した。
というのも、シャイン氏にその話をした後、こちらは残業なので、夜勤の人間を交えて、後はもう一人帰り支度はしていたがまだ何かしていた女性アルバイトと共に、話をしていた。
色々思うところがあって、別の社員の馬鹿馬鹿しさを指摘したりしていたのだが(某宗教団体と変わらんような、アイドル推進オタクだとか)、一同解散の後、夜勤チーフの社員に、シャイン氏に何を伝えたのか、自身の変化の件も交えて話をすると、それまで大笑いしながら話を聞いていたのが打って変わって、あからさまに不機嫌に、面倒くさそうに「ああ、ああ」とだけ答えだした。
他人をポンコツと罵るほうが本当にポンコツなのである。舟をこぐ暇があったら仕事をしてもらいたいものである。シャイン氏をポンコツと貶すのが仕事だと思っているのなら、なおさらである。仕事が出来ない人ではないことをお断りしておくが、かまけるのはよしてもらいたいものである。
ラテン語の格言に「汝自身を知れ」というのがある。古代の神殿の入り口に掲げられていたという。
我々は汝自身をいまだかつて知らず、知ろうとしなければ永久に知ることもないだろう。
他人をポンコツと罵るものは、「汝自身がポンコツであることを知れ」と言わざるを得ないのである。
我々は「普通未満」を「普通」だなどと、うぬぼれていることを知らねばならないのである。
では、よき終末を。
はた迷惑だが、バカとハサミは使いようである。その使いようを人に教えたという話であった。別にその相手がバカだという意味ではない。
改めて自分の状態を述べる。
昨日今日と休みで、夜に飲んで帰ってきて横になったのだが、寝たのかどうか定かではないほどずっと眠りにつかなかった。寝たかもしれないのだが、明らかに目が覚めている時間が長い。
気がつけば、外は明るくなっている。先日買って来た、美味いスコーンを作るパン屋のパンを食べ、茶を飲んで洗濯し、今に至る。
今までなら、そんな風に寝られなくて起きたら、体中がだるくて何も出来ないから昼寝しようとなって、夜まで寝ていることが普通。
無理に起きても欠伸ばかりで、何をするのも億劫だったのだが、「風呂に入って洗濯しよう」と思ったらさっさと動く。
洗濯に純粋な粉石けんを使っているので、泡立ちを確認しながら石けんの投入をするのだが、それをやっているうちに気づく。
「布団から出て座っている間は多少だるかったのに、なんでなんともなくなってるんだ?」と。
先日も書いたが、別にハイテンションで活動しているわけではない。徹夜の人が変なテンションになっているという具合は一切ないのである。
あまり食べなくなった、とも書いたが、昨日食べたものは、早朝にそのパン屋のスコーンとクロワッサン、夜に飲みにいった場所でつまみ二、三と半そばで、上記の流れとなる。
その前も、昼飯を食べてからは茶を飲んだ覚えがあるくらいで、その早朝まで食事らしい食事もしていないが、さして苦痛もない。
十年くらい前になるが、一度、ほとんど食べないで過ごす、ということをやってみたことがあった。
多少何かは食べたが、今と同じくやせていくにはいくのだが、筋肉まで衰えて、フラフラだった。
今は別にフラフラではない。こうなる前より力が出るくらいである。一昨日は数時間歩き回ったというのに、足も脚も何事もなかった。
ともかく、「恋煩い」は恐ろしいのである。
そんな恐ろしい話を、シャイン氏に教えた時に気づいた話をちょっとやる。
シャイン氏は物覚えが悪いはずで、そんなことを言ってもすぐ忘れるのではなかろうか?と質問があったわけでもないのだが、先日書き忘れたからである。
それは、先日にも書いた、勤務後の休憩中での話である。
何について喋ったのかは忘れたが、何かについて所見を述べたところ、シャイン氏はとても感心した。
そして「安生さんは、本をよく読まれるんですか?」と問うので、「別に多くは読みません。好きなのをたまに読み返すくらいで、今は『金枝篇』を読んでました」などと喋った覚えはある。
彼は「見識の深い人だなぁ」みたいなことを言っていたのを覚えている。
そこで先日に書いた話に戻る。
「恋煩いをしろ!」「Dドライブに嫁を持て!」という風には言っていないが、これをやってくれ、と言った。
人によっては突拍子もない話に聞こえることである。決してそうではないものだが、俗が過ぎて腐ると聞く耳を持たないのが人というもの。
だから、「頭のおかしな人の言っていることに聞こえると思いますが」と断って話を伝えると、彼はポロッともらした。
「いや、安生さんは見識の深い人だから、そんな風には」と。
そこでわかったのである。彼は決して他の社員やバイトがけなすような、ポンコツではなかったのだと。脳の機能が異常なわけではないのだと。
本当にポンコツなら、かつて自身が述べた言葉を覚えているはずはないのである。
ただ、仕事に追いやられてしまい、心身が硬直していたのだと。
本当に肩こりが過ぎている人は、肩が凝っていることがわからないのと同じ状態なのである。
念のため、それを伝えた次の日、参考資料と手紙を添えて、ロッカーに入れておいた。
封筒の上に「開封は帰宅後に」とメモを貼っておいたら、それすらめくってなかったので、わしが置いたものとは気づいてなかった。帰り際に伝えたら、「安生さんからでしたか」と言っていた。
封筒に自分の名前を大きく書いてたのだが、それで隠してしまったので、脇に貼ればよかったかと思ったが、どっちにしても仕事の邪魔になるので、よしとする。
後は彼しだいだ、とは先日も書いたが、渡した資料の通りに行い、工夫しつつ自身で体得してくれれば、ポンコツなんぞといわれることもないだろうと思う。
同じくポンコツだったわしなんか、妖怪染みてしまったのだ。普通の人が普通でないように思っているだけの普通の能力を手に入れられないわけがない。
何かこじれたような書き方をしているが、思うところがあって、こう表現した。
というのも、シャイン氏にその話をした後、こちらは残業なので、夜勤の人間を交えて、後はもう一人帰り支度はしていたがまだ何かしていた女性アルバイトと共に、話をしていた。
色々思うところがあって、別の社員の馬鹿馬鹿しさを指摘したりしていたのだが(某宗教団体と変わらんような、アイドル推進オタクだとか)、一同解散の後、夜勤チーフの社員に、シャイン氏に何を伝えたのか、自身の変化の件も交えて話をすると、それまで大笑いしながら話を聞いていたのが打って変わって、あからさまに不機嫌に、面倒くさそうに「ああ、ああ」とだけ答えだした。
他人をポンコツと罵るほうが本当にポンコツなのである。舟をこぐ暇があったら仕事をしてもらいたいものである。シャイン氏をポンコツと貶すのが仕事だと思っているのなら、なおさらである。仕事が出来ない人ではないことをお断りしておくが、かまけるのはよしてもらいたいものである。
ラテン語の格言に「汝自身を知れ」というのがある。古代の神殿の入り口に掲げられていたという。
我々は汝自身をいまだかつて知らず、知ろうとしなければ永久に知ることもないだろう。
他人をポンコツと罵るものは、「汝自身がポンコツであることを知れ」と言わざるを得ないのである。
我々は「普通未満」を「普通」だなどと、うぬぼれていることを知らねばならないのである。
では、よき終末を。