ウヰスキーのある風景

読む前に呑む

飲み納め其ノ二

2010-12-30 | 雑記
最近寿司を食べたことがないなぁ、などと話をしていたら以下略。

以前は、チェーンの「や台ずし」へ、たまに足を運んでいた。駅前に一件あり、早朝まで営業しているから、夜上がりの時に飲んで帰る、ということをしていたのだ。
最近はその夜上がりがなかったので、ずっとご無沙汰だった。


テーブル席もあるが、一人ではまずカウンターに通される。寿司屋らしいカウンターで、ガラスケースにネタが並んでいるのが見える。夜中の十一時も半を過ぎたところだが、なかなか賑やかで、飲んでいる間にも三組ほど来店があった。


ちょっと晩飯が遅かったのだが、結局九貫握りのセットを頼んでしまった。数えるほどしか来ていないが、この注文をしなかった日がない気がする。

ただ、日本酒の地酒をいくつか取り扱っていたのに、そのメニューが見当たらない。仕方ないので通常の日本酒を頼んだが、改めて見直すと、小さく隅に名前だけ表記されていた。地酒が書かれていたところは、焼酎の項目が大きく書かれており、てっきり焼酎だけ書いているのかと早合点した。地酒は燗を選べなかったが、通常の日本酒は選べる。熱燗を頼んだ。


冬だから、牡蠣なんかなかろうか、酢牡蠣でもあれば頼んでみたいところだと思って黒板やらおすすめやらを確認したが、鍋にしか項目がないようで諦めて、アン肝ポン酢を頼んだ。これも食べた覚えがあるが、他はあまり気に入らなかった。


食べ終わって飲み終わるころ、寿司を乗せた下駄みたいなのを、目の前の板前が引き取る際に、「ほかにどうですか?」とたずねてきた。晩飯が遅かったのもあって、腹が膨れていた気がしたので、またの機会にと断りをいれたのだが、残った酒を飲み終えると、なにか最後に一つ食べていくかと思った。一品ものは厳しいと感じ、何か一貫握ってもらうかと、思いをめぐらす。

そういえば、九貫握りにたこが乗っていただろうか、ぐいぐい飲んだのではっき覚えていないが、ゆでたたこの吸盤の姿と食感の覚えはない。

というわけで、たこを頼もうと考えたが、カウンターのケースにはたこの姿らしきものがない。「たこないんですか?」

「たこ?ええありますよ、みずだこになりますけど。」「じゃあそれ一つ。」「握りで?」「握りで。」

握る人は一人。他の席の握りもちゃっちゃとこなすとはいえ、多少かかる。しばし待つこと五分から十分だったろうか。たこが出た。みずだこってなんだっけ?赤くないぞ、と思ったが、食べたらやっぱりたこの味だった。覚えていないだけで、九貫握りにもたこが乗っていたのかもしれないが、たこといえば赤くて、と思ってしまうのは幼少のころからの刷り込みに違いない。

以前何かのテレビで、「出前の寿司と店で食べる寿司の違いは何か?」というのがあった。前者は食事向けにシャリが多めに、後者は酒肴としてシャリは少なめにする、というものだった。

不意に思い出して、口に放り込む前にひっくり返してシャリのほうを見てみたが、ネタの真ん中にちょっとあるほど。席に出された状態で眺めると、シャリがほとんど見えない。それほど大きくない自分の口内へ一息に入れても持て余すことがなかったわけだ。


デザートの項目も見えたが、お茶は家でいれることにして、会計を済ます。二千四百円ほどだった。会計時に、次で使える金券をもらえるのだが、大体次に来るころにはなくなっている。

またそのうち行こうか、とは思うのだが、午後五時からの営業ではついでに寄ることがなければなさそうな気がする。それでもまたいづれ。


ちなみに、近所には本来の寿司屋がある。あと、ちょっと離れたところには何故かテイクアウトの握り寿司の店までもある。昔、一度だけランチを食べたことがあるのだが、それっきり。次はこちらに行ってみようかと思うが、ちいとばかり値が張る。どちらにしても年末は休みだろうから、来年には意を決していってみようかと思う。では、また。