『母さん、ごめん。』50代独身男の介護奮闘記 松浦晋也著 より。。。
認知症にかかった人へのお見舞いとして何がいいのか。
認知症にかかった人に、何かできると考えないほうがいい。 現状では正常圧水頭症を除けば、認知症は根治することができない病気だ。 しかも症状は時間とともに悪化し続ける。
冷酷なようだが、友人知人などが病気に対してできることは何もない。むしろ認知症の人を介護している人に対して何ができるか、考えてもらいたい。
断言しよう。 最良のお見舞いは「お金」である。 現金を送ることに抵抗を感じるならば商品券でもいい。・・・・
介護生活に突入すると、どうしても収入に影響がでる。 その一方で施設の利用や介護用品の購入で資金はどんどん増える。 しかも、その状況がいつまで続くかわからない。
収入は減り、支出は増えていつまで続くかわからない状況において、一番もらってありがたいのは、お金だ。
古のテレビドラマ「家なき子」で、安達祐実演じるすずがいう決め文句「同情するなら金をくれ」は、介護においては身も蓋もない真実である。
健康食品だって、介護する人が必要と考えれば、自分で購入するだろう。 その場合はお金が必要になる。
「これがいいから」と勝手に判断してモノを送るのではなく、「あなたの判断を信用し、あなたの介護を支援します」という気持ちを込めて購買力を贈るべきなのである。
というか、そうしてほしかった・・・・・。
介護の矢面に立たされた経験をもつ作者だから言える、気持ちいいほど忌憚ない言葉だ。
お見舞いをする機会があったら、迷いなくお金にしようと思う。