中国の夜行寝台列車に乗ったあの頃は中国のテレビから「アンベイ!アンベイ!」(ān bèi )としきりに聞こえてくる時だった。 ”アンベイ” とは我国首相のあべさんのこと。 丁度靖国参拝した時(2013年12月)で、そのことが中国のテレビでしきりと取り上げられ、わたしが行っている間中”アンベイアンベイ報道”だったのを覚えている。 その”アンベイアンベイ”報道は結構すごかった。
駅まで送ってくれた中国人のSさんが心配して、「電車の中ではあまり日本語話さない方がいいかもしれない。一応。」と。 昼頃出発し早朝大連到着だった気がする。 車窓からの風景。
四人はいれるコンパートメント、車中は結構きれいでこんな感じ。ポットあり。
わたしの席は右側の下席。
ちょっとドキドキした、向かい上の席はこんな服着てる人・・・ カーキ色で、そのワッペンなに?・・・ Sさんの言葉が頭をよぎったり。 交流なしか?
が!、話しかけられてしまった! えぇ・・アンベイ関係のこと聞かれたりする?
わたしの聞き取り能力に限界あると早々察知した彼がノート貸せと言ってきた。 おや!? 全く違う話題。 日本人と中国の東北地方の人たちは古代は同じ民族だった? 北海道より以北は満族、以南はなんとかと朝鮮韓国がなんとかで・・ とか。 中々深めた知識をもった男性のよう。
また、数々の質問をされた。 「あなたは一人で出かけてきて家族心配してないの? 自立能力?結構あるね!」 「電車のチケットどうやって買ったの?」 「大連ではだれか迎えに来てるの?」「自分で空港行くの?」 「中国のタクシー運転手の印象どう?」 等々など・・。
話題変わって、一人娘がアメリカ留学中との話になった。 一人っ子だしアメリカは遠いし、わたしは聞いてみた「寂しいでしょうね!?」
すると「子どもには子どもの生活(人生とも言える印象)があるからね。 父母にもまた自分の生活があるから。」と返ってきた。
奥さんは娘さんに会いにアメリカへ行くらしいが、彼は一度も行ったことはないそう。 最初はあまり関わりたくない気もしたけれど、いい話を聞けた。 深みのある中々の人格者だと思った。
彼には女性の同行者がいて、話していくうちに出張の帰りだと分かる。
女性がカップメンを食べ始めた、夕食かな。
「この中(電車)で買ったの?」(わたし)、 ただ聞いただけだった。
「えっ? 食べたいの?」 「いや・・ 食べたいっていうか・・・」 「ちょっと待ってね買ってきてあげる!」 ささっと買ってきてくれた。 わたしの「いくら?」に、「いいから! いいから! 食べて!
」 ・・・えっ、おごり!?
そんな会話しながらビニール剥がしてくれて、、お湯まで入れてきてくれて、、目の前に置いてくれた。 全く謝謝 だ。
更に「熱いからね! これは少し長めに置いといて、じゃないとまだ硬いよ。」 何から何までお世話様ですのわたし。
こうやって、わたしはいつも誰かにお世話される。 ホントに旅先で助けてもらうことが多い。
真夜中ごそごそ音がして目が覚めると二人が降りる準備をしているところだった。 (ここなんだ)と思いながら自分のベッドのカーテンも開けないで、お別れも最後のありがとうも言わないでしまった事が後悔された。 慌ててカメラ出して後ろ姿だけパチリ
何年も経つのに今更書き込んでいるわけで。。
(2013年12月26日~2014年1月1日 一週間の旅)