週一で日本語会話のお相手をしている Sさん。
今週会ったら、様子がおかしい。 やつれているというか。
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ちょっと心配事があって、へこんでた。
Sさんは一週間のうち、休日という日がない程 毎日頑張っている。
朝5時に起きて6時からバイト、夕方から夜まで別のバイトが入る日も数日ある。
もちろん学生だから学校にも行く。
中国のお父さんには、お金の援助はするからバイトはひとつにしなさいと言われたそうだ。
Sさんのことを心配したお父さんの言葉。
でも、極力親を頼らないで自分でなんとか頑張ろうとしている。
余計な心配をかけないようにと、バイト二つしていることは内緒にしているそう。
「今の生活は、生活とは言えません。
食事も食べる時間がなかったりで、ちゃんと食べれない時もあるし。
学食は安いけど、1食400円のお昼はわたしには厳しいです。
人生というものを100とすれば、その90パーセントは大変なことで、良いことは10パーセントだと誰かの話を聞いたことがあります。
今のわたしの生活は、一か月に3日いいことあるどころか 1日もないかもしれません。」
大変な毎日をなんとか頑張れるのは、夢があるから。
その夢の実現に向かって、一日一日を踏ん張って外国で生きている。
日本に来る前のSさんは、世界的に名の知れた一流企業で働いていた。
今とは真逆な世界の暮らしぶり。 その生活を捨てて、今日本にいる。
「ちょっとほっぺ、へこんだ感じだね。」
睡眠時間があまりとれない上に、よく眠れないらしく ヘロヘロSさん
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になってた。
夕方のバイトがあるから1時間半で切り上げて別れたものの、なんか気になって・・
ちょっとでも元気でるかな、と、食糧買い込んで寮に引き返した。
もう既にSさんはバイトに出かけていたので、事務室の方にお願いして預かってもらった。
帰るのは、22時過ぎ。
22時半頃、Sさんから電話がきた。
わたしはあいにく電話のすぐそばで爆睡中
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、 呼び出し音さえ聞こえず・・
帰宅後、預かり物を受け取ってすぐ電話してくれたんだと思う。
ちょっと明るい声で、留守電が入っていた。
「ありがとうございました! え~と、んn・・・・・・・・・・・・ がんばります。」
この 「・・・・・・・・・・」 の間に込められたSさんの気持ち。
日本語で思いの丈を語れないもどかしさを感じていただろうけれど、凄くよく伝わってきた。
言葉がなくても十分伝わるものってあるよね。
勝手な思いつきでやったことなのに、あんなに喜んでもらって、わたしの方こそとっても嬉しかった。
差し入れをいれた箱に何かメッセージを書こうかなと思ったけれど、いい言葉も見つからず、ただ餃子とだけかいてお願いしてきた。
「加油~!」(がんばってね♪) が、少し頭をかすめたものの止めた。
もう十分頑張っている人に「がんばって!」 は、言えないもの。
どうもわたしは、簡単に他人に 「がんばって」 という言葉は使えない。
それに代わる言葉をまず探したいと思っている。
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ガンバッテ! を絶対使わないということではないけどね。
連休にSさんとわたしたち夫婦で一泊旅行した時の写真。
五月というのに、蔵王はまだこんなに冬だった。