冷然なドローイング

2016-02-09 | 日記

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みぞれが降ったり雪になったり、寒さもひとしおな一日だったので、結果このドローイングもそういう冷気を孕んだものになった。全体に白いクレパスを塗ってモノトーンな雪を降らせるのである。カーヴするラインはティー・ポットのボディー・ラインをイメージしたつもりが、不安定な形になってしまった。しかし、これも不安定と言う名のバランスの一つである。線形は何処に如何に安定して行くのか、これも僕の楽しみの一つになる。線を引いていて面白いのは、何を描くのか、ではなくて、何になって行くのか、ということであるのだ。不安定は常に安定を目指すのであり、途中経過というのは実にこの不安定な状態を言うのであって、人生もまた、安定と言う名の「死」へ到る途中経過に過ぎないのではないだろうか。まずはたくさんのラインを引いて、途中経過を豊かにするのである。

       行く末は原子番号1になる人の生とは虚しきものか