『アンナの光』

2016-01-17 | 日記

     

この写真は、川村記念美術館所蔵のバーネット・ニューマン(1905-1970)作の巨大な油彩画『アンナの光』(1968年作、タテ276cm×ヨコ611cm)の展示状況を絵はがきにしたものを掲載したものである。館内にはこの作品だけのための部屋があり、この部屋は、キャンバス一面に塗られた絵の具が “ 光 ” に変容する空間、とでもいうのだろうか、一歩部屋に入ると、本当に “ 光 ” に包まれるのを体感する。 “ アンナ ” とは聖母マリアの母の名であり、バーネットの母の名でもある。僕が見たのはもう十年くらい前になるだろうか。最近聞くところによると、もうこの絵はここにはないそうである。 “ アンナの光 ” はどこに行ったのだろう。

       

わたしは直感的な画家、直接的な画家である。スケッチから制作することは決してせず、絵画の構想も練らない。絵を始めるときは、それまで絵を描いたことがないような気持ちで描く。ドグマも、システムもデモンストレーションも提示しなければ、形式的な解決策を持っているわけでもない。

何もない領域に身を置いて、その何もない領域を恐れることこそが問題のすべてです。絵画制作で何が最も難しいかって? それは一人ぽっちで部屋に佇むことです。誰かが話しかけてきたり、電話がかかってくるような場所で机に向かって座っているのとはわけがちがう。自分一人で座っていなければならない。空白の空間とともに、たった一人きりで … 。

( 2010年、川村記念美術館での『アメリカ抽象絵画の巨匠 バーネット・ニューマン』展カタログから前田希世子・解説文「《アンナの光》をめぐる対話」よりニューマンの言葉を引用 )

 


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2 コメント

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Unknown (辛口サラリーマン)
2016-01-17 21:36:50
画家は、たった一人でキャンバスに向かい自分の世界に埋没するのが好きな人ばかりと思ってましたが、そうでもないのですね。

今夜は冷えそうです。明日?雪掻きお気をつけ下さいね。
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Unknown (m.sakai)
2016-01-17 22:09:04
コメントありがとうございます!画家にもタイプがあるのですね。

TV・NEWSによると東京では明日、雪が積りそうですね。足元に注意して下さい!
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